倉田佳子が行く、パブリックアート巡り

ビルが立ち並ぶ都会のコンクリートジャングルには、多種多様なアートが点在している。気鋭のギャラリー4スポットでピックアップしたギャラリーへの道中にあるパブリックアートを、編集者・ライター倉田佳子が突撃リポート。番外編では、注目の山梨エリアまで足を延ばしてお届けします

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1991年生まれ。国内外のファッションデザイナー、アーティストなどを特集、取材する。書籍『“複雑なタイトルをここに”』の共同編集・翻訳を行う。Instagram: @yoshiko_kurata

Start!

学芸大学
月極

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渋谷
MIYASHITA PARK

東急東横線の渋谷駅で下車。友人でアーティストのColliuによる3メートルの作品《きゅうちゃん》に会いに。ポップな色使いと「いつかパブリックアートをやりたい」と言っていた夢の実現に刺激をもらいます。

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表参道
BLOCK HOUSE「水曜カレー」

BLOCK HOUSEがサーブする限定ランチ。スパイスによる味の変化がたまらない! カレー3種の盛り合わせ「SPECIAL CURRY PLATE」をぺろりと完食。展示も開催しているのでチェックしてみて。

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六本木ヒルズ周辺

BLOCK HOUSEから六本木方面に歩くと、世界的なアーティストの作品に出合うことができるんです。ルイーズ・ブルジョワの《ママン》(左上)は、高さ10メートルの巨大クモ。腹部には卵が。母性を象徴する作品にパワーをもらいます。その近くには、イザ・ゲンツケンの《薔薇》(右上)を発見。ロマンティックながら、こちらもビッグサイズ。そこから、けやき坂通りに向かうと、エットーレ・ソットサス《静寂の島》(左下)が。腰かけて一息つくと、慌ただしい都会のなかにいるのに、不思議と無になれますね。同じ通りには、座れるストリートファニチャーがいくつか並んでいます。内田繁の《愛だけを・・・》(右下)は、ジャズの曲名がタイトルに。物から重力を取り除きたいと考えてデザインしたもの。その後は、CALM & PUNK GALLERYへ向かって。

六本木
CALM & PUNK GALLERY

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新宿駅前

六本木駅から、都営大江戸線で新宿駅へ。東口駅前で見ることができるのは、松山智一が手がける《花尾》。なんと全長7メートルの鏡面作品なんです。移り変わる新宿の景色を眺めながら、待ち合わせスポットとしてもどうぞ。続いて代々木と馬喰町でゴール!

代々木 gallery 10(TOH)

馬喰町 PARCEL

Goal!

 

番外編 @山梨

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山梨・北杜の自然に囲まれた場所にある「中村キース・ヘリング美術館」。ほかでは見ることのできない300点以上のキース・ヘリング作品が集結している

中村キース・ヘリング美術館

2007年設立。「混沌から希望へ」という美術館のコンセプトのもと、建築家の北川原温により設計される。2015年に増設したギャラリースペースでは、さまざまにアングルを変えて企画展を開催。
「訪れるたびに、それまで知らなかったキース・ヘリングの魅力や精神性を知り、感動します。いかに当時の社会で強いメッセージを発信していたのか、ポスター・アート以外にも立体やドローイングからじっくりと体感できますよ」

展示名 / 『Keith Haring: 360°』
会期 / 5月15日(土)〜2022年5月8日(日)
会場 / 山梨県北杜市小淵沢町10249の7
0551-36-8712(ハローダイヤル)
www.nakamura-haring.com/

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広大な青空の下で、自然の景色と融合する建築家作品を体感できる。春には県内指定天然記念物であるソメイヨシノが満開に咲き、四季によって表情を変えるのもならでは

清春芸術村

1977年に創設者である吉井長三が小林秀雄、今日出海、白洲正子らと訪れたことをきっかけに、アーティストの創作と交流の場として親しまれるように。広々とした草原には、ギュスターブ・エッフェルや安藤忠雄、藤森照信などの建築作品が。
「東京では体感できないリラックスできる空気感から、創設時にアーティストの交流の場になっていた所以を感じられます。素直な心で建築や作品と向き合えるのもいい」

展示名 / 『人生で最もすばらしい癒し、それが愛なのだ』Pablo Picasso・David Douglas Duncan
会期 / 8月7日(土)〜12月12日(日) 
会場 / 山梨県北杜市長坂町 中丸2072
0551-32-4865
www.kiyoharu-art.com/

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田んぼ道を抜けた先にひっそりと現れる「Gallery Trax」。1993年に故・木村二郎と三好悦子によって設立。ジャンルもさまざまなアーティストを扱う懐の深さに魅了され、海外の作家がお忍びで訪れる

Gallery Trax

もともと保育園だった場所を、リノベーション。角田純を筆頭に五木田智央、ロッカクアヤコ、高橋恭司や川内倫子から、若手作家までジャンルもさまざまに個展を開催。
「空間の雰囲気は、そこに集う人々がつくり出すものだとよく言うけれど、Gallery Traxはまさにその言葉がぴったり。漂う空気感のやわらかさと、八ヶ岳南麓の自然に囲まれた贅沢な庭に暮らす2匹の看板犬に癒やされる。帰京しても忘れない感覚があります」

展示名 / 『伊藤桂司 絵画展』 会期 / 9月11日(土)〜10月3日(日)
会場 / 山梨県北杜市高根町五町田1245
080-5028-4915
www.gallery-trax.com/

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