ジビエをとびきりおいしく味わえることで知られる「ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ」。その秘密は、厳選した国産の肉を、オーナーが試行錯誤の末に編み出したオリジナルの方法で熟成させているから。店内中央に設置された熟成庫は温度や湿度別に4 つに仕切られ、肉の熟成具合によってケースの左端から右へと移される。しかも、同じケース内でも吊るす場所をこまめに入れ替えているという。野村慎太郎シェフいわく、「同じケースでも風のあたり方によって熟成の進み具合は変わるため、吊るしっぱなしというわけにはいきません。そもそも鹿やクマは約2 週間、キジは10日など種類によって最適な熟成期間は異なりますし、個体差もあります。そのため毎日熟成庫内を細かくチェックし、慎重に見極めています」。
そうして熟成された肉は、ジビエ特有の臭みがなくなり、熟れた肉ならではの芳醇な香りをまとうことに。繊維は柔らかくなり、タンパク質に含まれるアミノ酸も増加し、うまみもアップ。
「炭火焼きがベースですが、ローストやコンフィなど食材ごとに最適な調理法で提供させていただきますし、ソースも季節によって替えています」
時間をかけ、手間をかける。技を磨き、アイデアを練って、真摯に肉と向き合う。それが、口にした瞬間に浮かぶ笑顔へとつながるのだろう。
この時期は、牛や黒豚、バスク豚"キントア"、鹿、猪などを置いているが、冬になれば蝦夷鹿や青首鴨も登場。「今日はどんなおいしさに出合えるだろう」という"ワクワク"をも味わって。
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●東京都目黒区祐天寺1 の1 の1 リベルタ祐天寺B1
TEL:03(3793)9090
営業時間:18時~翌2時(LO1時)、18時~24時(LO23時)(日)
休日:月曜(月1 回不定休あり)
http://dubuppa.com/
SPUR2015年12月号掲載