Licaxxx／リカックス
DJ、ビートメイカー。ウェブ「シグマファット」を主宰。インターネットラジオ「Tokyo Community Radio」もチェック。
フェスでのアウトドアファッションに合う音楽は？
「Only Human」
KH aka Four Tet
「What Is It?」 Lipelis
「Bordeaux Lovin」収録
フェスシーズン到来ということで、そんな気分を高める曲をセレクトしてみました。まずはフェスに行く数日前に、街で聴いていただきたい音楽を。プラダのスポーティなドレスをモードにまとった女性像が浮かびます。イギリスのアーティスト、フォー・テットがKH名義で出した「Only Human」。今年、ダンスミュージック界隈で、はやりにはやっている曲なんです。人気の秘密は、その絶妙なバランス。細かいビートにちょっと変わった音が絡んでいってアウトドアらしい野性味を醸し出しつつ、ハイハットやキックだけを抜き出すとミニマルなので都会的でもあるんです。それがクセになって無限に聴いちゃいます。途中で入ってくる声ネタもよく、カナダのシンガーソングライターNelly Furtadoの「Afraid」をサンプリングしています。ぜひ併せて聴いてみてくださいね。
「いよいよ週末、フェスへ出発！」というときに聴いてほしいのは、ロシアのプロデューサー、リペリスの「What Is It?」。さっと脱げるような、アクティブな格好が合うと思います。今はやりの80年代っぽいリズムあり、終盤にハッピーなピアノリフあり、無条件で踊りたくなりますね。フェス会場までの道中、渋滞に巻き込まれてもなんとか乗り越えられそうな曲調ですし、よく晴れた日になにも考えずに聴きたいです。リペリスはほかの曲もテンション高めで、ダンスミュージックとして素晴らしいので、私もDJでよくかけています。
アウトドアファッションはよく着ます。サカイやトーガといったモードブランドなら、カジュアルになりすぎず、動いたときもドレッシーに映えるので、街中でも活躍しています。
Monthly Pick-up
『Legacy! Legacy!』
Jamila Woods
￥2,200／Big Nothing
シカゴ出身のソウル・シンガーが、ジャン＝ミシェル・バスキアやマイルス・デイヴィスなど、ブラック・カルチャーの偉人にオマージュを捧げるセカンドを完成。彼らから受け継いだポジティブなエネルギーを、ジャジーなグルーヴと、威厳と甘さを併せ持った声で、伝えている。
『Be Built, Then Lost』
Half Mile Beach Club
￥2,300／P-VINE
夏の気分が漂う名前どおり、カラフルで解放感満々のパーティ・アルバムを届けてくれたのは、神奈川県出身の新人バンド。最近のR&Bっぽいボーカルや先鋭的なビート使いで、80年代末のマンチェスター・サウンドを巧みにアップデートしたこの一枚、野外で大音量で聴きたい。
text: Hiroko Shintani
SOURCE：SPUR 2019年8月号「LICAXXXのファッション×ミュージッQ」
interview & text: Annie Fuku photography: Yuhki Yamamoto,Jonas Gustavsson （runway）
