2020.04.19

スナックで出合う曲【秋元才加の音語り】

秋元才加/あきもと さやか
女優、タレント。映画・ドラマ・舞台への出演やテレビ・ラジオのMCとして幅広く活躍。NHK BS時代劇「雲霧仁左衛門5」、ミュージカル「スクールオブロック」出演予定。(2020年8月~)。ジャケット¥74,000・トップス¥35,000・ダブルリング¥37,000・リング¥35,000/Acne Studios Aoyama(Acne Studios)

vol.2 スナックで出合う曲

「BOMBER GIRL」近藤房之助&織田哲郎
現在廃盤

「ホテル」島津ゆたか
現在廃盤

 みなさん、こんにちは。秋元才加です。ここ最近「音楽お好きですよね?」と聞かれることが多くなってきました。連載も始まりうれしい限り。今月も素敵な音楽に出合えましたよ。

 今月は流れに流れてスナックに行くことが多かったのですが、スナックといえば「カラオケ」。店ごとにお客さまの個性あふれるカラオケが鳴り響きます。私はそこで知らない曲を聴くのが好きです。タイトルを逃すまいと、酔いながらもその一瞬に集中します。逃した場合、翌日歌詞をひねり出しワード検索しまくります。人だけでなく、まさに音楽も一期一会。というわけで、今月のテーマは最近気になった「スナックでの曲」です。

 1曲目は、四谷で聴いた近藤房之助&織田哲郎さんの「BOMBER GIRL」。まず、タイトルがやばいです。歌詞も秀逸。じゃじゃ馬女に振り回されたい男のギラギラしたフレーズが盛りだくさん。おじさまが歌っていましたが、ギラギラを超えてヌラヌラしてました。俺は現役バリバリだ、という気合と余裕を感じた一曲。

 2曲目は、上原で聴いた島津ゆたかさんの「ホテル」。ここ最近ずっと世間をにぎわせている話題なので控えようと思ったのですが、とても素敵な世界観でした。ストレートに言うと不倫の曲です。ホテルでしか会えない相手への思いを歌った曲ですが、描写が具体的すぎてつらい!

 不倫どうこうは置いておいて、その世界観に感動してしまいました。いけないことと知りながらも感情を抑えられず、理性を失うほどの人と出会うことが果たして幸か不幸か。考えさせられます。昭和歌謡はいろいろな男女模様を教えてくれますね。合法的に不倫を疑似体験できるような一曲でした。もちろん、愛する人や家族を傷つけてはいけません、くれぐれも実体験することなきよう……。さまざまな人と音楽が集まるスナック。ひとさまのカラオケをつまみに呑むのは楽しいもんです。

Monthly Pick-up

『how i’m feeling』
Lauv
¥2,200/Traffic

メロウなエレクトロ・ポップを満載する本作は、5 年前のデビュー以来続々ヒットを放ってきたアメリカ人シンガー・ソングライターのファースト。BTSやトロイ・シヴァンら同世代のコラボレーターたちと、大勢の人とつながっているのに孤独だという現代のパラドックスを歌う。

『Dark Matter』
Moses Boyd
¥2,300/Inpartmaint

UKジャズ界の若手トップ・ドラマーが、多数のゲストを迎えてニュー・アルバムを完成。アフロビートからダブステップを経由してグライムまで、移民たちがロンドンのストリートで鳴らしてきたビートを束ね、ダンス音楽としてのフューチャリスティックなジャズを提示している。

SOURCE:SPUR 2020年5月号「秋元才加の音語り」
text: Sayaka Akimoto text(Monthly Pick-up): Hiroko Shintani photography: Kodai Ikemitsu styling: Mayu Yauchi hair: Keiko Tada〈mod’s hair〉 make-up: Nao Yoshida

 

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