2026.10.05

今、韓国で見るべき展覧会は? アート最前線をレポート

Kカルチャーの今をキャッチ!

韓国のローカルシーンで注目を集めるカルチャーは? 現地の専門家が最前線を解説。この秋はアートフェアを中心に、話題の展示が盛りだくさん。ウトゥギさん的おすすめをピックアップ

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韓国のローカルシーンで注目を集めるカルチャーは? 現地の専門家が最前線を解説。この秋はアートフェアを中心に、話題の展示が盛りだくさん。ウトゥギさん的おすすめをピックアップ

Kカルチャーの今をキャッチ「NOW ON SEOUL」連載

世界的な猛暑に見舞われたこの夏。誰もが秋の訪れを待ち望んでいたことでしょう。そんななか、韓国のアートシーンは、秋に熱い風が吹く。9月2〜5日の間開催された国際的アートフェア「フリーズ・ソウル」の5回目に合わせ、各地の美術館やギャラリーが、今年の目玉となる展覧会を相次いで用意しているからです。

フリーズ・ソウル

今年の「フリーズ・ソウル」には、30カ国から125以上のギャラリーが集結。Frieze Seoul 2025. Photo by WeCap Studio. Courtesy of Frieze.

まず、9月1日から12月まで湖巌(ホアム)美術館で『アート・スペクトラム2026:部屋がありすべてのラジオがそれぞれ異なる周波数に向かっている』が開催中です。視覚芸術、建築、映画、デザイン、音楽など、多様な文化芸術を横断する10カ国23名(チーム)のクリエイターが集う大規模な展示であり、静かで趣のある湖巌美術館の建築と、新進作家たちの実験的な作品がどのように調和するのか、期待が高まります。

鮮慧院

伝統建築が美しい鮮慧院。ⓒSK 鮮慧院

9月2日から、鮮慧院(ソンヘウォン)で開催されている『A Note From Trembling Things』にも注目です。SKグループ創業者の旧宅で、伝統家屋である「韓屋」を活用したこの空間で、モナ・ハトゥム、チェ・ソンイム、キム・ユンスという3人の女性作家の展示が行われています。スケールが大きく華やかな作品が並ぶフリーズ・ウィークにあって、何げない素材から生まれる作品の意外な力強さと、自由な発想が見どころです。

モナ・ハトゥム

コンクリートや鉄筋を用いたモナ・ハトゥムの作品。Mona Hatoum.Remains to be seen,2019, Courtesy the Artist,White Cube Gallery

9月5日には、光州ビエンナーレが開幕しました。作家でありキュレーターでもあるホー・ツーニェンが芸術監督を、パク・ガヒ、チェ・ギョンファ、ブライアン・クアン・ウッドがキュレーターを務め、『あなたはあなたの人生を変えなければならない』という展示を披露。本展示も、各国・地域のパビリオンも、そして世界的な作家たちのコミッションワークも非常に楽しみですが、5.18光州民主化運動の犠牲者の遺族である「5月オモニ会」が、記憶と癒やしを託して描いた絵も見逃せません。

5月オモニ会

「5月オモニ会」は5・18の記憶を母親たちの視点から可視化するプロジェクト。Kang Hae-jung (May Mothers House)_My Eyes (Remembering), 2022

リウム美術館では9月5日から、ク・ジョンアの個展『ウスモス』が開催。過去にヴェネチア・ビエンナーレ韓国館を「香り」だけで満たした作家は、今回も磁力や香りのように目には見えないけれど確実に存在するエネルギーの流れを探求する作品を大規模に展開。館の古美術常設展示室や壁の裏の空間など、予期せぬ場所でも作品に遭遇する仕立てになっているそうです。

ク・ジョンア

ク・ジョンアは、実験的なインスタレーションで知られる。KOO JEONG A, LAND OF OUSSS [KANGSE],2025-2026 LUMA Arles Photo: Victor & Simon-Grégoire d’Ablon

これらすべての祭典の出発点とも言える「フリーズ・ソウル」と「Korea International Art Fair SEOUL(通称:キアフ・ソウル)」を忘れてはいけません。私は4年連続でこれらのアートフェアを訪れていますが、作品を購入する余裕はありません。それでも惹かれるのは、作品の売買だけではなく、世界のアート市場の最前線にあるトレンドが一堂に会する場所だから。

キム・チャンヨル

「キアフ・ソウル」にてPYO GALLERYから出品されるキム・チャンヨルの作品。ⓒPYO GALLERY, KIM Tschangyeul, SA98042(SH97026), 1998

今秋、韓国を訪れるなら、ぜひこの「アート巡礼」に参加してみてください。いま注目を集める作品や、各ギャラリーを代表する作品が一堂に並び、作品がどのように評価され、そして誰のもとへ旅立っていくのか。その熱気を間近で感じられるはずです。

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oottoogi

ウトゥギ●最初の職場が美術雑誌の編集部だったこともあり、毎月新しくスタートする展示に足を運ぶことが自然と趣味に。2017年より、展示情報とその周辺のおいしいお店を紹介するInstagramを運営中。

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