カルバン・クラインのレジェンド

時代を読み取り、常に未来に向かってビジョンを広げるインターナショナル・ブランド、カルバン・クラインのレジェンドをひもとく

BRAND PROFILE

©amanaimages©amanaimages1967年、ニューヨークに生まれ育ったカルバン・クライン(写 真右)が幼なじみで親友のバリー・シュワルツとともにブランドを立ち上げ、1968年にデビュー。ファッションはもとより話題性の高いセクシーな広告でも有名なアメリカを代表するブランドとなる。2003年にクラインは引退し、現在のチーフ・クリエイティブ・オフィサーはラフ・シモンズ。

1969

©Photo/Gianni Penati/Conde Nast via Getty Images
©Photo/Gianni Penati/Conde Nast via Getty Images

米『VOGUE』9 月号のニューヨーク・コレクション号の表紙を飾ったのはカルバン・クラインのコート。デビュー1 年目で作品が表紙に取り上げられるデザイナーは非常に珍しく、注目度の高さがうかがわれる。

1980

©Calvin Klein/Bridgeman/amanaimages当時15歳のブルック・シールズを起用したジーンズのキャンペーン広告。「私とカルバンの間には何もない」という挑発的なコピーが有名となり、CK広告のひとつのパターンが生まれた。この写真を加工プリントしたパッチが最新のデニムやパーカに採用されている。

1988

©Calvin Klein/Bridgeman/amanaimages
©Calvin Klein/Bridgeman/amanaimages

アシスタントだったケリー・レクターと結婚して永遠の愛に目覚めたクラインの2 番目の香水「エターナル」。モデルにはクラシックな美を湛えたクリスティ・ターリントンを起用。香水は全米ベスト・セラーを記録。

1992

©Calvin Klein/Bridgeman/amanaimages
ラップ・グループ「マーキー・マーク&ザ・ファンキー・バンチ」にいたマーク・ウォルバーグがモデルを努めた下着の広告が話題となりメンズの下着界の野暮なイメージを一新。若者受けするメンズ下着のブームが始まる。ウォルバーグも一躍トップスターに。

1993

©Calvin Klein/Bridgeman/amanaimagesケイト・モスにひと目惚れしたクラインが香水「オブセッション」の2 代目モデルに彼女を起用。当時のケイトの彼、マリオ・ソレンティが撮影した広告はイノセントかつセクシーな新しいタイプのモデルのイメージを発信。

1994

©Calvin Klein/Bridgeman/amanaimages
クラインの一人娘から「私たちの世代に合ったファッションを作ってほしい」と言われて開発した新ブランドCK。その香水「CK One」はユニセックスで、広告もクールなイット・モデルたちをフィーチャーして一世を風靡した。

 1968年、エレベーターが壊れたおかげで、有名デパートのバイヤーが予定外のフロアで偶然目にしたカルバン・クラインのデビュー・コレクション。たった6点のコートと3点のシンプルなドレスだったが、そのデパートから5万ドルの注文を得てブランドの歴史が始まった。
 ニュートラルな色使いと装飾を抑えたシンプルなデザインは仕事でもパーティでも着まわしができ、社会進出を目指す新しいタイプの女性たちに受け入れられ、クラインは瞬く間に時代を代表するデザイナーになった。人々が求める前に、彼らが欲しいものを直感できる類稀な才能をもったクラインは、時代の空気を読み取った新しい商品開発と優れたマーケティング能力で、アメリカのデザイナーの中で群を抜いていた。セクシーなジーンズ、あえてブランド名を目立たせた下着、センシュアルな香水、そして若い世代を対象にしたエッジを効かせたブリッジラインのCKと、ブランドの幅を広げていく。彼の才能は広告キャンペーンのクリエーションでも冴え、ブルック・シールズ、クリスティ・ターリントン、ケイト・モスらを、時代を代表するモデルに仕立て上げ、消費者からもファッション業界からもクールなブランドの象徴となっていった。
 デビューから50年、カルバン・クラインは、ファッションの世界地図の中で、アメリカン・ブランドの影響力の強さを示した最初のブランドだと言っても過言ではない。クラインは引退したが、新しいチーフ・クリエイティブ・オフィサー、ラフ・シモンズによって、そのレガシーが受け継がれていくだろう。

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