マルジェラからブシュロンまで。モードラバーがみるべき、眼福展覧会

あけましておめでとうございます。今年もミナコラムで、インターナショナルな最新情報をお見逃しなく!2018年初回は、パリで今年前半見るべきモードな展覧会をまとめてみました。

1.黒猫がブシュロンのジュエリーをガイド
既にスタートしていてるのはハイジュエラー、ブシュロンの創業160周年を記念する「ヴァンドラマ」。緑に溢れ、かつコンテンポラリーな演出は、最新テクノロージを駆使した“拡張現実”のおまけ付き。あらかじめダウンロードしたVendôramaのアプリを開き、各ブースにてスマホでコードを読み取ると、メゾンのマスコットである黒猫が展覧会をガイドしてくれる、という設定です。「Vendôrama」展は 1/12〜1/28、Monnaie de Parisにて。4 ter, rue Guénégaud 75006 Paris

2.服の彫刻家、アズディン・アライアの軌跡
来たるオートクチュール週間にオープンするのは、“服の彫刻家”と呼ばれて独自のスタンスを保ちつつ、11月に急逝したアズディン・アライアのミニ回顧展 “私はクチュリエ”。彼自身の作品や、彼のアート・コレクションの数々を管理、編集、公開することを目的とした「アライア財団」オープンに先駆けてのイベントは、アイコニックな35点のアライア作品で。「Azzedine Alaïa “Je suis couturier”」展は 1/22〜6/10、 Azzedine Alaïaにて。 8, rue de la Verrerie 75004 Paris

3.マルジェラの革新性に再び驚く
さて、ガリエラ衣装美術館の改装オープンを記念するのは、'09年に自身の名を冠したメゾンをあとにしてモード界を離れたマルタン・マルジェラ初の回顧展。「アーチザナル」や「レプリカ」ラインを含め、本展では100体あまりのルック、ショーのビデオ、アーカイブズ、インスタレーションで多角的に、モードと言う枠を超えたマルジェラの革新性を物語っています。「Margiela / Galliera 1989-2009」展は 3/3 〜7/15、 Palais Galliera, Musée de la Mode de la Ville de Parisにて。 10, Avenue Pierre 1er de Serbie 750016 Paris

4.エルメス時代のマルジェラ
これに続いてパリ装飾美術館では、“エルメス時代のマルジエラ”展が。昨年春にアントワープのMOMUで開催されて話題となり、本誌’17年7月号でもフィーチャーされた展覧会です。「Margiela: The Hermès Years」展は 3/22 〜9/2、 Musée des Arts Décoratifsにて。 107, rue de Rivoli 75001

5.アーティストによるジュエリーって?
そして同美術館のモード部門と反対側のスペースでは“カルダーからクーンズまで”を副題に、アーティストによるジュエリーが大集合。アート・コレクター、ダイアン・ヴェネットのコレクションに著名美術館からの貸し出しも加えた230点あまりから成る本展では、フランク・ステラ、ルイーズ・ブルジョワなど近代〜現代の作品が、身近なサイズで楽しめます。
「De Calder à Koons, Bijoux d'Artistes」展は 3/7 〜7/8、 にて。 107, rue de Rivoli 75001

 

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ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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