まるでルネッサンス絵画から抜け出したような容姿のニコロ。LVMH賞のショールームにて。日本ではDover Street Market Ginzaで取り扱いがある。 Photo : Minako Norimatsu
ニコロ・パスカレッティはコラージュを着想源に、22FWコレクションを重ね着で見せた。レザーのイントレチャートやカギ針編みニットも、彼の得意とするところ。Photos : Francesco Brigida
ニコロ・パスカレッティの小物新作。右:ジャスパー石をあしらった、レザー&コットンのバッグ。Photo : Francesco Brigida. 左:ジャスパーや大理石を使ったオブジェのようなジュエリーも、彼のシグネチャー。Photo : Minako Norimatsu
Setchuの22FWコレクションより、袖あり・無しのツーウェイで着られるドレス。前後のパーツのボタンのかけ方により、シルエットの変化も楽しめる。左Photos : Minako Norimatsu
右: Setchuのファウンダー&デザイナー、桑田サトシさん。新作のショールームにて。左:定番、折り目をつけたユニセックスのジャケット”エンリコ“。Photos : Minako Norimatsu
Setchuの22FWコレクションより、袖あり・無しのツーウェイで着られるドレス。前後のパーツのボタンのかけ方により、シルエットの変化も楽しめる。左Photos : Minako Norimatsu
ミニュイ22FWコレクションのルックブック。右:オーガンジーのドレスも、意外な小物使いでエッジを効かせて。左:ジャカードのセットアップ。Photos : David Paige
右:ミニュイでは、ランジェリー・ブームの前からブラトップやカットアウトを多用。新作ルックブックPhoto : David Paige 左:ロゴを織り込んだオリジナルのチュール地。
右:ミニュイのファウンダー&デザイナー、ローリー・アルベロ。左:ミニュイ22FWショールームにて。Photo : Matteo Verzini ウエストを絞ったジャケットは来シーズンのトレンド・アイテムの一つ。 Photos : Minako Norimatsu
まるでルネッサンス絵画から抜け出したような容姿のニコロ。LVMH賞のショールームにて。日本ではDover Street Market Ginzaで取り扱いがある。 Photo : Minako Norimatsu
ニコロ・パスカレッティはコラージュを着想源に、22FWコレクションを重ね着で見せた。レザーのイントレチャートやカギ針編みニットも、彼の得意とするところ。Photos : Francesco Brigida
ニコロ・パスカレッティの小物新作。右:ジャスパー石をあしらった、レザー&コットンのバッグ。Photo : Francesco Brigida. 左:ジャスパーや大理石を使ったオブジェのようなジュエリーも、彼のシグネチャー。Photo : Minako Norimatsu
Setchuの22FWコレクションより、袖あり・無しのツーウェイで着られるドレス。前後のパーツのボタンのかけ方により、シルエットの変化も楽しめる。左Photos : Minako Norimatsu
右: Setchuのファウンダー&デザイナー、桑田サトシさん。新作のショールームにて。左:定番、折り目をつけたユニセックスのジャケット”エンリコ“。Photos : Minako Norimatsu
Setchuの22FWコレクションより、袖あり・無しのツーウェイで着られるドレス。前後のパーツのボタンのかけ方により、シルエットの変化も楽しめる。左Photos : Minako Norimatsu
ミニュイ22FWコレクションのルックブック。右:オーガンジーのドレスも、意外な小物使いでエッジを効かせて。左:ジャカードのセットアップ。Photos : David Paige
右:ミニュイでは、ランジェリー・ブームの前からブラトップやカットアウトを多用。新作ルックブックPhoto : David Paige 左:ロゴを織り込んだオリジナルのチュール地。
右:ミニュイのファウンダー&デザイナー、ローリー・アルベロ。左:ミニュイ22FWショールームにて。Photo : Matteo Verzini ウエストを絞ったジャケットは来シーズンのトレンド・アイテムの一つ。 Photos : Minako Norimatsu
パリの22FW ファッションウイークが終わって、早や1か月。トレンド総論とベスト・ランウェイについては私と編集部Iさんとの語りの形でお届けしましたが、ここでは比較的新しいブランドの展示会ベスト3をご紹介しましょう。
まずは、LVMH賞でセミ・ファイナリスト(ファイナリスト8人に絞られる前の、ショートリスト20人)だったニコロ・パスカレッティ(Niccolò Pasqualetti)。彼はロンドンのセントラル・セント・マーチンズに学び、ザ・ロウやロエベ、そしてジュエリーのアリギエリでも経験を積んだ、イタリア人です。メンズのテーラリングとウイメンズのエレガンスが混在する彼のクリエイションは、ユニセックスと言うよりハイブリッド。まるでオブジェのようなオーガニックな形のウエアや小物はどれも、アートの域です。ナチュラルな色合いや風合いは、彼が育った環境、トスカーナ地方の田舎を思わせます。また独自のサステイナブルな取り組みを象徴するのは、糸のボビンやコルク栓など廃物を使っての手作りジュエリーの数々。この春からはマレ地区のセレクトショップThe Broken Armに入荷され、ファッションウィーク中には同店のウインドウを飾りました。
ユニセックスでもニコロとは対照的にミニマルで機能的なデザインを貫くのは、ミラノ在住の日本人、桑田サトシさんです。1年半前にスタートした彼のブランド、セッチュウ (Setchu) は文字通り、折衷が信条。日本では京都、そしてニューヨーク、パリ、ロンドンにも住んだことがある国際的なバックグラウンドに根付いた、和洋折衷の新解釈です。イードゥン、カニエ・ウエスト、ジヴァンシィ、ガレット・ピューを渡り歩いた彼のキャリアも多種多様。またサヴィルロウで学んだ厳密なテーラリングと、体にやさしくなじむ、流れるようなシルエットのミックスも、ある種の折衷だと言えるでしょう。ときには、平面裁断により簡単に折りたためる和服からヒントを得つつ、セッチュウはあくまでコンテンポラリーな洋服。折り紙を着想源としたドレスやジャケットは、折り目がデザインのアクセントでもあり、旅行に最適です。幾通りにも着られる仕掛け、シンプルながらパーフェクトなプロポーション、長く着られる最高級の素材と熟練の職人によるこだわりのある仕立て……。着てみて初めて良さがわかる、セッチュウ。この夏からはビームス・インターナショナルに入荷予定だとか。
一方限りなくフェミニン、かつロックなアイデンティティを築きつつあるのが、ミニュイ(Minuit)。パリジェンヌのローリー・アルベロが、ニューヨークのプロエンザ・スクーラーのデザインチームで数年キャリアを積んだ後にパリに戻って始めたブランドは、今回4シーズン目を迎えました。ミニュイは透ける素材、ブラトップやカットアウトのトップでいち早く肌出しスタイルをアピールしたのと同時に、ジャケットやパンツのカッティングにも定評があります。新作のミューズは、’70年代のシャーロット・ランプリング。微妙なさじ加減でニューヨークの洗練とパリのさりげないシックさを融合させるミニュイのスタイルに、ますます磨きがかかりました。
それぞれ個性は異なれど、数々のトレンドが複雑に交錯するこれからの時代を担いそうな3人。要注目です。
Text : Minako Norimatsu