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元コレットのサラがキュレーション。本をテーマとしたポップアップ【ミゾンパージュ】に注目!

元コレット、サラ・アンデルマンの新しい冒険

SPUR4月号で紹介している、パリの百貨店、ル・ボンマルシェで開催中の「ミゾンパージュ」。本をテーマに、ただし本よりも雑貨のセレクトやアーティストの作品を主とした、それは楽しくバラエティー豊かな期間限定展示&ストアです。立役者のサラ・アンデルマンは、1997年から20年に渡りトレンドを牽引してきたコンセプトショップ「コレット」の共同ファウンダー兼クリエイティブ・ディレクターで、アートやファッション分野におけるキーパーソン。彼女がコレット閉店後に立ち上げたコンサルティングエージェンシー「ジャスト・アン・アイディア」の一環としてスタートした出版部門「ジャスト・アン・アイディア・ブックス」とのコラボレーションによる「ミゾンパージュ」の、全貌をご紹介しましょう。

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ジャン・ジュリアンによる、ル・ボンマルシェのウインドウ。ちなみに「ミゾンパージュ」は“レイアウト”を意味する。Photo: Minako Norimatsu

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“スタイル・デザイン・アート・フード”なるコンセプトを掲げたコレットで名を馳せた、サラ・アンデルマン。Photo: Courtesy of Le Bon Marché

「ミゾンパージュ」導入部は、雑貨天国!

メトロの駅やバス停など、パリの街中で目に付く「ミゾンパージュ」のポスターに描かれたのは、サラが本で顔を隠している姿のイラスト。これを描いたのはアーティスト、ジャン・ジュリアンです。「ペーパー・ピープル」なる読書人キャラクターの作者である彼は、同企画のゲスト・アーティストとしてウィンドウを手がけたほか、店内の吹き抜けに巨大なスカルプチャーを配しました。各フロアに設置された「ミゾンパージュ」コーナーのうち、まず地上階は雑貨天国。

文房具からマラン・モンタギュによる本の形のボックス、ロンシャンの文庫本サイズのバッグ、リュニフォームのKindleサイズのポーチ、果ては読書のおともとなるテーブルランプ、マグカップ、しおり……。まるで連想ゲームのように“本”を巡る言葉はさまざまな解釈を見せています。例えば名前が本の世界にちなんだフレグランスのセレクションは、バイレードのビブリオテーク(図書館の意)、Perfumer Hのインク、ディプティックのオー・パピエ(ペーパー・ウォーターの意)など。またオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーからは、鉛筆型のセラミックと、これに垂らして香らせる、古代エジプトのアレクサンドリア図書館を着想源としたパルファンが。一方ジュエリーデザイナーたちは、アルファベットチャームで好みの文字を構成することを提案。また世界中のサラが好きな書店、たとえば日本のCOW BOOKSやパリのギャラリー、イヴォン・ランベールのブックコーナーからは、本ではなくトートバッグやTシャツなどのオリジナルグッズが集められました。

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ル・ボン・マルシェの吹き抜けには、ジャン・ジュリアンによる”読書する人”の巨大なスカルプチャーが。Photo: Courtesy of Le Bon Marché

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地上階の雑貨コーナー。中央の柱を飾るのは、モデルのリヤ・ケベデによるデジタル・ブッククラブ「リヤブラリー」のオリジナルブックホルダーと、彼女自身が選んだ文庫本。Photo: Courtesy of Le Bon Marché

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文房具と本のセレクション。左から時計回りに:ヴィンテージの本の表紙を使った「ノットアブック」の手帳3点、「スマイソン」と「ジャスト・アン・アイディア」コラボの手帳、アスティエ・ドゥ・ヴィラートによるパリのガイドブック、「ラ・レヴーズ・ニューヨーク・パリ」の手帳3点、「コールイット・バイユアネーム」のバンダナ柄ブックカバー。Photos: Courtesy of Le Bon Marché

 

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左から時計回りに:Perfumer Hの「インク」キャンドルとフレグランス、アスティエ・ドゥ・ヴィラートによるシェイクスピアの肖像画を配したお皿、オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーのクレヨン・オドリフェオン、リュニフォームのキンドル・ポーチ、マリーエレーヌ・ドゥ・タイヤックのアルファベットチャーム、サンタマリア・デラ・ノヴェッラの本型パッケージに入ったフレグランス。Photos: Courtesy of Le Bon Marché

シャルロット・シェネのアルファベットチャームは、アートディレクター・デュオM/M Parisとのコラボレーションによる彼女の定番コレクションAlphajewelから、ラッカーで色付けしたミゾンパージュ限定盤。

1階では、本とオリジナル作品で、アート三昧

肝心な「ジャスト・アン・アイディア・ブックス」出版の、サラが愛するアーティストたちの作品集を編集した本の全巻は、1階(日本の2階)に。ここではアーティストたちとのコラボレーションも展開されています。例えば本誌のワードローブルポにも登場してくれたことがあるファッションアイコン&DJ&アーティストのイネス・メリアによる本を積み重ねたトーテム、本自体をアートと見立てるスリー・スター・ブックスによる、まるでオブジェのような限定版アート本の一連と、オリジナルのランプや本棚。最近さまざまなコラボレーションを繰り広げているデザイナー&アーティストのハリー・ヌリエフは、鍋を二つに割ったようなブックエンドとキッチンをイメージしたインスタレーションを。

ブックエンドは「ミゾンパージュ」の準主役で、建築家、アリーヌ・アスマー・ダマンによる本を閉じ込めたようなコンクリートのスカルプチャーは、このアイテムにも展開されています。素材を木に限り、インスタレーションや家具を作り続けるアーティスト、ジャンギョーム・マティオーは木のブックエンドを。またこのコーナーの一角では、「ジャスト・アン・アイディア・ブックス」最新刊行物の対象となったカメラマン、シャルル・ベベールの展覧会も開催。1960年代に南仏で収めたセレブリティたちのスナップショットの一連です。

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すべて同じフォーマットで展開される「ジャスト・アン・アイディア・ブックス」の本は、いずれも一人のアーティストの作品集、各50ユーロ。Photo: Courtesy of Just An Idea

 

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「ジャスト・アン・アイディア・ブックス」の最新刊は5冊。右上がジャン・ジュリアン、左下はシャルル・ベベール。Photo: Courtesy of Just An Idea

 

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イネス・メリアによるブック・トーテム。Photo: Minako Norimatsu

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スリー・スター・ブックスのアート本と、オリジナルのランプ、椅子、本棚。Photo: Minako Norimatsu

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ジャンギョーム・マティオーによる木のブックエンド。Photo: Minako Norimatsu

 

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1階のミゾンパージュ・コーナーには、ブックエンドの一連が。ティルサ(上から2段目、右から2番目)とパペラリア(下段のフリンジ)のものは「ジャスト・アン・アイディア・ブックス」のためのオリジナル。Photo: Minako Norimatsu

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ハリー・ヌリエフによるインスタレーションとブックエンド。左の壁に描かれたのが、ジャン・ジュリアンによるサラのイラスト。Photo: Courtesy of Le Bon Marché

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アリーヌ・アスマー・ダマンによるテーブルとブックエンドは、名付けてベトン・リテレール(文学のコンクリート、の意)。なんと、テーブルも売り物!Courtesy of Le Bon Marché

 

ビューティ・プロダクツをコンセプチュアルに展開するアーティスト、エドワード・ベスは印刷の基本4色を、アイカラー・パレットに。

最後はアートなカフェで、没入型体験を

そして2階には、ジャン・ジュリアンのアート・ディレクションによるヌヌー・カフェが。ここでは棚、テーブル、椅子とも開かれた、または半開きの本の形で、まさに本に入り込んだような没入型体験ができる。中央にペーパーピープルのステージも設置され、子供たちも楽しめる作り。会期中にパリに行く予定があったら、本誌に掲載のサラのインタビューも一読のうえ、ぜひ覗いてみてください。日本でも雑貨の一部はLe Bon Marchéの、本はJust Ann Ideaのe-shopで購入可。

Mise En Pageは開催中〜4月21日まで。

Le Bon Marché

24, rue de Sévres 75007 Paris

https://www.lebonmarche.com

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2階、ジャン・ジュリアンのアート・ディレクションによるヌヌー・カフェ。Photo: Courtesy of Le Bon Marché

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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