ノリのよさと根性に共感! スタイリッシュなバレエダンサー-飯島望未

世界中のストリートでスタイリッシュな美女たちを見出し、スナップしてきた、フォトグラファーのミトグラフ。アップカミングな女性を見つけ出すことにかけては右に出る者なしの彼が、最近出会った注目の女性や、今いちばん会いたいイットガールを撮影する連載「M'IT GIRLを探して」。ウェブ版では、ミトグラフと「M'IT GIRL」の対談により、より深く彼女の魅力に迫る。

今回の「M’IT GIRL」は、国内外で活躍するバレエダンサーの飯島望未さん。インスタグラム(@nozo0806)で披露されるスタイリッシュな私服姿でも人気を博す彼女が、一時帰国中との噂を聞きつけ、さっそく会いに行った。

 

悔しさをバネに成長し、アメリカでプロダンサーに

ミトグラフ(以下、M)「実は僕、バレエのことをあまりよく知らないんです。以前に別の撮影で飯島さんに会ったとき、すごくノリがよくて話しやすい人だったから、いい意味で意外な気がした。そのくらい、バレエには上品で近寄りがたいイメージがあって。飯島さんはどうしてバレエを始めたんですか? やっぱり憧れていたから?」

飯島さん(以下、I)「私も、バレエのことは何も知らなかったんです。子どものとき猫背だったので、母がそれを治そうと思ってバレエの教室に連れて行ってくれて。6歳のときでした。それで、その日のうちに母に『本格的に習いたい』と宣言しました。周りの子がみんなできているレッスンに自分だけついていけないのが悔しすぎて、もっと本格的に習いたいと思ったんです」

M「負けず嫌いだったんですね」

I「今もすごく負けず嫌いで、すぐむきになります。友人の子どもが小学生なんですけど、一緒にトランプのゲームをやったとき、負けたくなくて本気を出したら泣かれました(笑)。私は15歳で、プロになろうと思ってアメリカに行ってヒューストン・バレエ団に入ったんですけど、最初は言葉の壁もあって悔しいことばかりでしたね。せっかく役を与えられても、監督の指示が分からなくて『もういいよ』と降ろされたり。苦労しました」

M「僕もアメリカに留学していたとき、最初は全然英語が話せなくて大変だったのでわかります」

I「でも、そのとき、すごく平然としているように見えたらしいんです。内心はものすごく悔しかったんだけど。それで、監督が『この子は気が強くて面白い』と気に入ってくれて。16歳のときにプロ契約を結ぶことができました」

M「すごいですね! 舞台で踊っているときは、やっぱり緊張するんですか?」

I「緊張は全然しないんです。ただただ、ひたすら楽しい。本番で演技に集中して気持ちよく踊るために、普段の練習を細かいところまでチェックしながら徹底的に行っているわけです。でも、ヒューストンで初めて『アラジン』の主役を踊ったときは、さすがに緊張しましたね」

バレエの舞台が、もっと身近なものになるように

M「僕は最近になってやっと、バレエの舞台に興味が出てきた。若いときはお金を払って舞台を見に行くきっかけもないし、そもそも価値を見出せていなかったですね」

I「そうですよね。日本でもっとバレエを身近なものにするために、私に何ができるのかっていうのは、これからも考えていきたいテーマです。日本にもレベルの高いダンサーがたくさんいるのに、それを一般の人が知らないでいるっていうのはすごくもったいないし、残念なこと。もっと日本のバレエ界を盛り上げたいですね」

M「先日、飯島さんの出演した横浜バレエフェスティバルに行きましたよ。初めてバレエの舞台を見たのですが、演目によってまったく印象が違うものですね! 目に映る、手足の繊細で優雅な動きや肉体の美しさを超えて、強いパワーが伝わってきて感動しました。飯島さんの力強い表情や動きがとても印象的でした。僕は飯島さんと知り合ったことで、バレエの世界に一歩近づけた気がします」

I「嬉しい! 私はファッションが好きで自分のインスタグラムに私服の写真を載せているんですけど、最近はそこから私に興味を持ってくれた人が舞台を見に来てくれたりするんです。そういうのは本当に嬉しいですね」  

photography:mitograph interview&text:Chiharu Itagaki

飯島望未(いいじま のぞみ)
1991年生まれ、大阪府出身。15歳で単身渡米しヒューストン・バレエ団に入団。2016年にスイス・チューリッヒ・バレエ団に移籍したのち、今年7 月から古巣のヒューストンにソリストとして再入団の予定。
Instagram@nozo0806

mitograph(ミトグラフ)
写真家。コレクションウィーク中のワールドスナップをはじめ、被写体やウェアの魅力を写し出す作品はSPURでも大人気。
Instagram@mitograph

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