K 1992年から渡辺淳弥さんがデザイナーを務めています。テーラリングを得意とし、既存のアイテムを解体して再構築するなど、いつも高度なパターンの技術を駆使しています。
A 2023-24年秋冬コレクションのジュンヤ ワタナベ マンでは、ドイツ・ベルリン発のブランド、インナーラウムのクリエーションに共鳴して、アーカイブをリプロダクトしたコレクションを発表していますが、レディースで登場した、こちらのインナーラウムとのコラボレーションバッグも印象的ですね!
K フェイクファーとハードなパーツとのコントラストが、バッグの存在感をより高めていますよね。PCも収納できて実用的なのもうれしい!
【ノワール ケイ ニノミヤ】バレエシューズの概念を覆す1足
シューズ(H7cm)¥71,500/コム デ ギャルソン(ノワール ケイ ニノミヤ × レペット)
K ノワール ケイ ニノミヤとレペットのコラボレーションは初めてですね。ノワール ケイ ニノミヤは、デザイナーの二宮啓さんが手がけるブランドで、繊細な手仕事とフェミニンなムードが特徴です。ショーで見た、足にストラップを巻きつけるタイプも気になっていました!
A 今バレエシューズがモード界でも人気ですもんね。こんなに厚底のものは今まで見たことがないです。レペットがこんなふうになるなんて……! 履いてみましたが、見た目を裏切ってめちゃくちゃ履きやすいです。
K 2023-24年秋冬のノワール ケイ ニノミヤのコレクションは、はじけていて面白かったです。
A ノワール ケイ ニノミヤはKさんにとってどのようなブランドですか?
K コム デ ギャルソンの中で一番フェミニンだと思います。フランス語で“黒”を意味するブランド名の通り、最初は黒をメインカラーとしていましたが、だんだんと表現が広がっていきました。あとは、クチュール的な部分もすごい。縫製しないで巻いたり、編んだり、そういった繊細なディテールが魅力的です。
【タオ】タータンチェックで装いにリズムを刻んで
バッグ〈H41×W36cm〉¥61,600/コム デ ギャルソン(タオ × テンベア)
A タオとテンベアがコラボレーションしたバッグですが、いかがですか?
K 赤のタータンチェックが今季らしくていいですね。あとPCも入る!
A 基本PCが入ることがバッグを選ぶ基準になりますよね(笑)。ワンハンドルのトートバッグはテンベアらしい特徴ですね。タオについてもお伺いしたいです。
K タオは、デザイナーの栗原たおさんが手がけるブランドで、2022年春夏コレクションのタイミングでトリコ・コム デ ギャルソンからブランド名を変更しています。栗原さんによると「トリコの幅広いお客さまへ向けた洋服づくりの規模感を保ちつつ、自身の色がより強く出る新しい存在」と以前、SPURの特集で語っていましたね。
A タオのスタートを飾った2022年春夏コレクションのテーマ「MY WHITE」は、多彩な白で彩られたルックが素敵でした。トリコ・コム デ ギャルソンとはまた違う世界観が、新鮮で印象に残っています。
【タオ】快適な履き心地とモードなデザインを両立
タッセルローファー〈H7cm〉¥66,000/コム デ ギャルソン(タオ)
K こちらのタッセルローファーは、タオの2023-24年秋冬コレクションの1足。
A 波打つ厚底ソールや、スタッズが印象的ですね。クラシックなローファーに躍動感が生まれた気がします。試しに履いてみたんですが、本当に軽くて履き心地も抜群です!
K 今季のコレクションは赤やチェック柄、ラバーソールの靴など、全体的にブリティッシュトラッドなスタイルにスポーティな要素をミックスしたルックが多かった。栗原さんはロンドンのセントラル・セント・マーチンズで学ばれていたので、その頃実際に好きだったテイストなのかな、と考えさせられるコレクションでした。
K 「コムコム」の略称で長年愛され続けるコム デ ギャルソン・コム デ ギャルソンは、川久保さんの考えるベーシックスタイルを提案しているブランドです。
A こちらはそんなコムコムと、アウトドアシューズからドレスシューズまで幅広く手がけるフランスのシューズブランド、エシュンとのコラボレーションシューズ。
K エシュンの定番シューズ「マリー」に、ストーンウォッシュ加工を施したデザインだそうです。
A ストーンウォッシュをかけたことで、上品さの中にも抜け感がありますね。
50周年を迎えた今もなお、人々を惹きつけるコム デ ギャルソンの揺るがない魅力
A Kさんがコム デ ギャルソンのデザインに影響を受けたのは学生時代ですか?
K 学生時代ですね。1990年代、2000年代あたり。デザインそのものというよりは、既成概念にとらわれず、パワフルにイメージを更新していく川久保さんの姿勢に感銘を受けました。
A 一番記憶に残っているコレクションはありますか?
K 通称「こぶドレス」で有名な1997年春夏コレクション「ボディミーツドレス・ドレスミーツボディ」はもちろんですが、入社して初めて生で見たショーだということもあり、スカートを主役にした2004年の春夏コレクションが思い出深いシーズンの一つです。モデルは透け感のあるチュールのトップに裸足だったのですが、セクシーな肌見せとはまったく違う次元で、プリミティブな印象。とにかく驚きました。とはいえ、毎回びっくりするんですけどね(笑)。
A 過去のコレクションを見ても今なお新鮮だし、夢があって全然色褪せないですよね。ボディミーツドレスの時はまだ学生でしたが、雑誌に載っているのを見て「可愛い!」と純粋に憧れたことを思い出しました。今回アイテムを見てみて、いかがでしたか?
K 今回紹介したのはバッグとシューズだけでしたが、小物にも各ブランドのコレクションの空気が流れていましたね。今季はコム デ ギャルソンのパンプスを狙っています!
A 私はプレスのみなさんが履きやすいと絶賛していたサロモンとのコラボレーションスニーカーを購入しようと思います!