Acne Studiosのマフラーがやっぱりいい件について

いいものってことは重々承知しているし、なんならいつだって視界の端にはちらついている。けれど買うタイミングを逃してしまったんだよなあ、というアイテム、ありますよね。私にとってそのひとつはAcne Studiosのマフラーでした。不朽の定番こそ手が出ない。

木枯らし吹き荒れる中、表参道の旗艦店に足を運んだとある日。お目当てはスニーカーでした。いそいそと入店して在庫を聞くも、日本入荷はないということで断念。店内を見渡したときに、ふと壁から吊り下げられる無数の生地に視線が吸い寄せられてしまったんです。その日が極寒だったこともあり、あれ、マフラー……ほしいかも……と吸い寄せられるように手に取っていました。店員の方に聞くと今までざっくり「アクネのマフラー」としてしか認識していませんでしたが、3パターンの展開があるのですね。もっとも細く長いスキニータイプに、ブランケットのような大判サイズ、その中間のナロー。リミッターは消失、店員さんも呆れたでしょうがたくさん巻かせてもらいました。やっぱりそれぞれ首周りのボリューム感や印象がまったく異なるのですよね。中間サイズはスーツ着用のメンズに人気だそうです。いつもなら冷え防止も兼ねてぐるぐると顔周りが埋もれるくらいの大きい巻物が好きなのですが、いざ試着すると、細長タイプが極端に長く(首にかけると先端のフリンジが床につきました。私の場合)、それがなんだかおしゃれにみえた、のです。


あとは、アクネの色出しってとっても絶妙なんですよね。鮮やかな色にもちょっとグレーを混ぜたみたいな、北欧的なニュアンスがツボです。この色合いは日本人の感性とも近いと思うんです。迫りくるでもなく、主張しないでもなく。グレーやネイビーと迷ったものの、結果的にはまたもやピンク(白目)のマフラーを買ってしまったのです。そんなに、甘すぎないからこのピンク……と自分に言い訳しながら。こんなにピンクばかり買ってどうするんでしょうとも思いながら。ただ巻き心地も柔らかくて、すっかり満足。皆に愛される名品は、ふさわしい理由があるのだと実感しているところです。

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エディターSAKURABA

好きな服は、タートルネックのニットと極太パンツ。いつも厚底靴で身長をごまかしています。

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