”理想の母親像”なんて……と思っていたけど、『ジョジョ・ラビット』のスカヨハが魅力的すぎて

個人的に、「良妻賢母」とか「理想の母親像」って言葉からは、距離を置きたいと思っているんです。自分にも子供がいますが、こういったことを考え出すと自分の首がしまる気がするから。でも映画『ジョジョ・ラビット』を観終えたとき、スカーレット・ヨハンソン演じるロージーに、自然と「理想の母親」という言葉が重なり、「自分もこうありたい!」と思っていました。

サム・ロックウェル演じるコワモテの大尉(左)もナイスキャラです。

■ジョジョ・ラビット 全国上映中 ©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation &TSG Entertainment Finance LLC

第二次世界大戦下のドイツが舞台。アドルフ・ヒトラーに心酔する10歳のジョジョ少年のナチス・キャンプ・インからストーリーは始まります。子供らしく空想と現実が入り混じった世界で生きるジョジョ。妄想が高じすぎて、ヒトラーがしばしば友人として出てきたり。ジョジョの紡ぎ出すファンタジーにノリノリで応じるのがロージー・ママ。ユーモアで息子をくるみ、殺伐とした教義に侵されそうな彼の心を守ろうとする愛を感じます。反ナチ運動に身を投じ、ユダヤ人の少女を匿う正義感の強さ。かといって聖母然としているわけではなく、赤ワインをぐびぐび飲み、「美人」と褒められて謙遜もせず「そうね」と言い返したりするファニーさもあるところがたまらない。

戦意高揚が叫ばれる中で、ロージーは華やかに着飾り、家もおしゃれに整え、赤ワインを片手に歌ったり踊ったり。一見、享楽的なようですが、そこには彼女が息子に一番伝えたい大切なメッセージがあります。できる範囲でいいから、楽しく美しいものごとで日々を彩ること。それこそが、平和や人間らしさの尊重につながるのだ、と。

Netflixで配信中の「マリッジストーリー」でも”ママ”役のスカヨハ。決して完璧じゃなくて、人間らしくあたたかな母親像を演じたら天下一品。(キュウリの漬物瓶のフタを怪力で開けるシーンが大好きです!)子供と向き合う全女性に、前向きな力とインスピレーションを与えてくれる存在なのです。

最後にまったく関係ないですが、フィナーレの選曲もニクイ。ぜひ劇場にお出かけください。

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エディターNAMIKI

ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。

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