つい昨日、見知らぬ誰かから「香水、すごくいい香りですね」と声をかけられました。電車を降りる、ほんの数秒前のこと。隣に座っていた同い年くらいの女性が、私の方へ傘を落としてしまったので手渡したら、笑顔でそう言ってくれたのです。そして彼女は足早に降り立っていったのですが、降り際にかけられたそのひと言が、梅雨でどんより曇っていた心をパッと明るく照らしてくれました。そんな日にまとっていたのが、ドルセーの新作「Love After Rain K.M.」だったのです。
それぞれの香水はイニシャルをもち、ラブレターの一部の抜粋や、秘密の誰かの名前を冠したもの。誰かを想う気持ちや、名前をつけられない感情、ふたりの間に流れる空気を香りで描き出します。ひとつひとつの作品には、まるで短編小説のようなタイトルが添えられていて、「それぞれどんなストーリーがあるんだろう?」と想像するのも愉しみの人ひとつ。そして、「Love After Rain K.M.」もまた、その世界観を静かに受け継いでいるのです。