おしゃれ観察力のある娘が母の似合う服を助言
幼少期の菊乃さんは、これしか着ないというポリシーのありすぎる子どもだった、と美里さんは懐かしがる。「彼女が中学のときに原宿へ一緒にお買い物に行ったんです。私は娘と対等な気持ちでショッピングが楽しめるのを心待ちにしていたので、最初はとてもうれしかったのですが、どのお店のどの服も彼女は気に入らない。私は途中で疲れて涙が出てきて(笑)。そのくらい自分にはこれ、という明確なものがあって妥協しない子でした」。それを聞いて「そう? 覚えてないな」と苦笑する菊乃さん。その流れが今につながって、最近は菊乃さんが美里さんのファッションについて気づいたことをアドバイス。「母は自分の服には意外と無頓着(笑)。なので、似合う服やディテールについて私の意見を少し伝えます。パフスリーブの服が似合うよ、とか」と菊乃さん。美里さんは仕事ではコンサバティブなイメージだけれど、オフではカジュアルで緩い服を好んで着ている。菊乃さんは普段メンズライクな格好をしていて、トレンドに興味はあるけど追いかけはしない。「娘は他人をすごく観察しているんですよ。だから似合う服もわかる。自分で着て楽しむ以上に、第三者目線でファッションを眺めて分析するのが好きみたい」と美里さん。写真の美里さんのピーチ色のカシュクールワンピースや、菊乃さんのチャイナジャケットは、神楽坂のラカグで一緒に買い求めたもの。昔のように服を前にギクシャクすることはもうない。
母/ 岡田美里さん(東京都/タレント)
おかだ みり●1961年生まれ。聖心女子大学卒業。モデルほか、祖母の国デンマークのブランドアドバイザーとしての仕事も多い。2017年から集英社のWEBマガジンのモデルとして復帰。
娘/ 菊乃さん(東京都/デザイナー)
きくの●サンフランシスコとロンドンで写真とデザインを学ぶ。帰国後デザイン事務所で働くかたわら雑誌のオフィシャルブロガーに。2015年春からブランドPURPLE THINGSを開始。