古着やなじむまで着た質のいい服を愛するふたり/山瀬公子さん&まゆみさん

古着やなじむまで着た質のいい服を愛するふたり

 公子さんとまゆみさんはサイズがほぼ同じ。母の服が娘に譲られることも多い。「このウィム・ニールスのスカートも母からのお下がり。原色が好きなのでこのブルーが気に入っています。デニムジャケットも母が着ていた古着のリーです」とまゆみさん。幼い頃のまゆみさんは、アメリカにいた父親に買ってもらったスポーツウェアを愛用。男の子のようなストリートスタイルばかりしていた。しかし必要以上に服があふれている環境だったうえ、公子さんのデザインする服が古着のリメイクや昔の生地を使っていたせいか(写真の公子さんの手によるセットアップも古いテーブルクロスに刺しゅうをしたもの)、大人になると新品を次々と買うより、一度気に入ったら長く着続けるタイプに変化。公子さんは「私自身が古着やなじんだ服が好きという影響もあるかもしれません。それから、よい素材の服は長く着られて着心地がいいこと、ものを見る目は、彼女に伝わったかな」と言う。服の貸し借りは頻繁で、中にはどっちのものかわからない服も。まとう雰囲気も似ているふたりだ。

母/山瀬公子さん(東京都/デザイナー)
やませ こうこ●秋田県生まれ。1976年に渡米。’82年青山にPar Avionをオープン。’91年に帰国。’97年にブランドles Briqu’abraqueを始動。その後クチュールラインのMATRIOCHKAもスタートさせる。

娘/ 山瀬まゆみさん(東京都/アーティスト・ライター)
やませ まゆみ●東京都生まれ。2009年にロンドン芸術大学、チェルシーカレッジオブアート&デザインを次席で卒業。現在執筆活動とアート制作、発表を行なっている。7 月にCale galleryで個展を開催予定。

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SPUR NATIONAL FASHION STORY PROJECT

「あなたとファッションにまつわる物語を教えてください」。この問いかけに寄せられた皆さんの思い出をもとに特別なコンテンツとしてまとめました。記憶の中のどの服にもストーリーがあり、その物語の主人公はあなたです。

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