ここ2年ほど、深大寺の 「元三大師」に助けられているのを実感しています。疫病除けのご利益がある「角大師」のお札。 「元三大師」の別名ですが、もともとは平安時代に活躍した高僧・良源さんのことです。この 「元三大師」が、最近の私の推し仏様です。
美坊主でもあった良源ですが、世の人々を疫病から守るために鬼の姿になったと言われています。瞑想中、疫病神がやってきたので、自分の体に取り憑かせると、高熱を発して苦しんだそうですが、指を鳴らすと疫病神は出て行ったとか。その後、鏡に自分の姿を映しながら鬼の姿に変身。それを弟子に書き写させ、疫病除けの札として配布したのが「角大師」の絵の由来です。その昔、「角大師」のお札を戸口に貼った家には疫病神が寄りつかなかったと言い伝えられています。
元三大師堂の奥には鬼気迫る形相で、人々のために祈っている秘仏「元三大師像」が鎮座されています。そのお姿は拝見できないながら、護摩祈願を受けている時は、壁の向こうの元三大師の存在を感じることができます。毎日行われている深大寺の護摩祈願は、太鼓やお経がパワフルで全身に響き、巡りが活性化しそうです。
深大寺にお参りしたらぜひ入手したいのが、疫病除けのお札やシール。コロナ禍の今、人ごみの中を歩いたりして不安になる時も、帰宅してこのお札が目に入ると安心感が。美坊主から鬼に変化してまで、人々を救ってくださっている元三大師に感謝の念がたえません。そして鬼と言いながらも絵としてもかなりかわいいので、お土産にも喜ばれます。
護摩祈願のあとの、お坊さんのありがたい法話にも気付きをもらえます。今年の1月にお参りした時には、「魔が差す」という言葉についてのお話で、魔が入り込まないように注意、という言葉に戒められました。
深大寺は湧き水が豊かなのでお蕎麦が名物で、近くに温泉もあります。お参りで心を清めた後は、体も浄化。人気の神社仏閣は近くに美味しいお店とか温泉とかがあったりしますが、もしかしたら神仏が人間を呼び寄せるために、天界から画策していらっしゃるのかもしれません。お蕎麦と温泉と疫病除け、これだけでもかなり行く価値がある霊験スポットです。
深大寺
東京都調布市深大寺元町5-15-1
https://www.jindaiji.or.jp/
辛酸なめ子
漫画家、コラムニスト。埼玉県出身、武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。アイドル観察からスピリチュアルまで幅広く取材し、執筆。著書に『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)『辛酸なめ子の独断! 流行大全』(中央公論新社)。Twitterは@godblessnamekoです。
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