デジタルが当たり前な私たちの日常に寄り添うクルマ、ボルボ【EX30】 vol.179

今週はスウェーデンのクルマメーカー、ボルボから登場する新しい電気自動車「EX30」の世界初のお披露目を追いかけて、イタリア・ミラノに来ています!

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「なぜミラノ?」と思ったのですが、どうやら今回お披露目されるEX30はミラノのような都市の最先端のデザインやファッション性に重きを置いているから、とのこと。期待に胸を膨らませながら、会場内へ。

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EX30はボルボ車の中では最も小さいSUV。さらに価格も約36,000ユーロ(まだ日本での価格は発表されていませんが、日本円で約550万程度のイメージでしょうか)からとアクセスしやすい価格帯でありながら、機能性や安全性能、クオリティに一切妥協なし! この連載はタイトルのとおり「デジタルスタイリッシュライフ」がテーマになっているので、デジタルが当たり前にある私たちの日常という視点から、EX30というクルマを見ていきたいと思います。

EX30の室内を見てまずびっくりしたのが「あれ?思ってたより広いぞ」ということ。そして、運転席周りのメーター類や操作ボタンなどが一切ありません。あるのは、中心に設置された縦長のタブレットのような画面、ただひとつ。こちらはもちろんタッチパネルになっており、クルマに関する情報の表示や操作がすべてここに集約されているのです。

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EX30の運転席から

良い意味で「クルマっぽくない」車内。サステイナビリティは身の周りの全ての産業で大きなトピックとなっていますが、EX30のCO2排出量はこれまでのボルボのクルマの中で最も少ないのだといいます。これはただ単に電気自動車だから排ガスを出さないということだけではなく、クルマが生まれて、街を走って、廃車になるまで――工場の環境から、クルマに用いる材料や部品の数といった、これまでのクルマの構造を根本から見直して作られているから可能になったのだそう。

カラーや素材の違いで4種類から選べるインテリアにも、廃プラスチックやデニムから作られたリサイクル素材や、ウールや麻といったナチュラルな素材が使われています。色使いもさすが北欧のブランド。ブルーやグレー、イエローなどのニュアンスカラーが洒落てる!

室内には他にも小さなクルマを大きく使える工夫が髄所に施されており、いろいろなところに設けられた物入れも嬉しい。後ろの座席にはスマホをポイッと入れられるポケットも。また、4箇所のUSB Type-Cポートも搭載されているので、充電の譲り合いをせずに済みそうです(笑)。

また、EX30に限らず、最近のボルボ車に言えることなのですが、なんと車自体にGoogleが搭載されています。「Googleが搭載されている」とは「スマホのOS(Android)が車に組み込まれている」ということで、スマホ不要でいつものGoogleのさまざまなサービスを使うことが可能になります。最近では、スマホを車に接続してGoogleマップなどのアプリが使える車が多いですが、それとはそもそもの仕組みが違うもの。

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PCで見ていたGoogleカレンダーと同じ情報をスマホでも同じように見られる、のはもはや当たり前ですが、例えるなら、そんな感覚でしょうか。Googleが車と一体になることで、スマホを扱う感覚で、車を扱えるのです。

また、Googleが搭載されているので、車内ではアプリだけでなくGoogleアシスタントも使うことができるんです。先日、東京のVolvo Studio Tokyoで既存モデルの「XC40」で体験させていただいたのですが、乗車したらスマホやナビでルートを探す必要はなく「OK, Google。◯◯へのルートを教えて」と話しかけるだけでGoogleマップが立ち上がり、走り出すことができます。「Spotifyで◯◯を再生して」といえば音楽を再生してくれますし、「音量を下げて」と話しかけると、カーステレオの音量を下げてくれます。もちろんEX30でもこれらの機能は利用可能で、車の窓を開けたり、後部のトランクのドアを開けたりといった操作も可能だそうです。車自体がインターネットと繋がっているので、ソフトウエアのアップデートも自動で行ってくれます。

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私が普段、Googleアシスタントとともに暮らしているのもあるとは思いますが、これらのお陰で不思議と「自分の家で過ごしているのと同じような感覚」になれるというか。ありとあらゆるものがネットに繋がり、スマホを片手に生きることが当たり前の日常の延長線上にある、新しいクルマだなあと感激してしまいました。なお、EX30ではGoogleだけでなく、Apple CarPlayも利用可能だそうです。

そして、ボルボ車といえば、やっぱり安全性。EX30では小さなボディに最新のセーフティ技術が詰め込まれています。私は交通事故のニュースでぺしゃんこになってしまった小型のクルマを見るたびに「車体の剛性、大事だわ……」と思っていたのですが、このEX30は小さいクルマのボディにしっかりとした骨組みが組み込まれており、まず車体の構造自体で乗車している私たちを不意の事故から守ってくれます。電気自動車なので、もちろんバッテリーも。「せっかく買うなら今っぽいユニークな一台を」と思いつつも「車体の剛性は妥協できない」と思っていたので、この点はさすがボルボだなあ、と。安心感抜群です。

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さらに、構造的な部分だけでなく、最新のテクノロジーやアイデアを活用して、EX30に乗車する人たち、そして街の人々を事故が起こる前に守ってくれます。ドアを開ける際に道にいる歩行者や自転車を感知し、危険がある場合には警告を発するドアオープニングアラートや、ハンドルの後ろに配置されたセンサーがドライバーの目や顔の動きを常に監視し、前方不注意や居眠りしそうになる状況を検知して、ドライバーに警告するシステムなどが備わっているそうです。また、駐車スペースの空きを見つけ、駐車をサポートするパークパイロットアシストも標準装備となっています。

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きかんしゃトーマスの「じこはおこるさ」という歌がありますが(笑)、いくら気をつけていても、人間だもの、ミスは避けられないのが正直なところ。EX30は、そんな完璧でない私たちの“足りない部分”を、テクノロジーの力でさりげなくサポートしてくれるクルマです。

私はクルマに関しては素人ながら、以前アメリカでテスラ車に乗った時から、「クルマメーカーはこれまでのように一生懸命クルマだけを作っていたら、私たちの日常とどんどんかけ離れたものになっていくよなあ」と思っていました。現在のボルボ・カーズのCEOは元ダイソンCEOという経歴の持ち主だそうで、なるほど、これまでのクルマメーカーとはひと味ちがう、生活者の日常とともにあるプロダクトとしての設計思想が反映できているのは、このあたりにもあるのかもしれません。デザイナーやエンジニアなど、クルマ業界の経験のない他業界からの人材が多く活躍されているそう。すごく、今っぽい。

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なお、欧州では「Care by Volvo」という“月額599ユーロ〜のサブスクでネットからEX30をポチれる”新しい買い方も選択できるそう。日本でもサブスクの導入を検討しているそうで、電気自動車という目新しいものだからこそ、まずはサブスクから試してみたいというニーズはあると思うので、日本でもスタートしてくれることを期待しています!

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今回のイベントでは外観やインテリアを中心に見せていただいたので、また改めて、EX30に乗って、走ってという部分も体験してみたいところです!

市川 渚プロフィール画像
市川 渚

ファッションデザインを学んだのち、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。クリエイティブ・コンサルタントとして国内外の企業、ブランドのプロモーション企画/ディレクションに関わる。
また自身でのクリエイティブ制作にも注力しており、フォトグラファー、動画クリエイター、コラムニスト、モデルとしての一面も併せ持つ。強い服と少し先の未来を垣間見られるデジタルプロダクトが好き。

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