りんごのバターケーキとシードル - 金曜日のアペロ No.21

“アペロ”とは、フランス語のアペリティフ(食前酒)の略で、「お茶しない?」「一杯、どう?」という気分を表す言葉。粉やバターを使った焼き菓子が恋しくなる季節に、ケーキとシードルの甘いアペロはいかが? 「りんごをたっぷりのバターでソテーして、生地に混ぜて焼くシンプルなケーキ。タルト型で低めに焼くと生焼けの心配もなく、お菓子作り初心者でも気楽に作れます。今回は素朴な粗糖を使いましたが、グラニュー糖にブランウンシュガーを混ぜたり、好みの甘さでアレンジしても。サワークリームと生クリームを合わせたクリームは、少し多めに作ってパンケーキなどに添えてもおいしい」。合わせたのはりんごのお酒、シードル。「ラベルの柄が可愛いフロリバンダ(旧エッゲル・フランツ)は、北イタリアの小さな町のはずれにある作り手。今回は生姜の風味をつけたものを選びました。りんごの焼き菓子とは、合わないわけがない組み合わせ」。のんびりとした冬の週末、暖かなブランケットに包まれながら、りんご尽くしのアペロを楽しんで。

材料(直径21cmのタルト型1台分)

りんご
中1個
大2個
薄力粉 
100g
ベーキングパウダー
小さじ1/2
砂糖 (粗糖)
100g
無塩バター
50g
牛乳
大さじ2
シナモンパウダー
小さじ1/2
サワークリーム
約100g
生クリーム
約100㎖

作り方

❶ りんごは洗い、4等分して芯をのぞく。縞状に半分くらい皮をむき、縦横にそれぞれ3〜4等分する。

❷ フライパンに分量のバターと砂糖大さじ2を入れて中火にかけ、①のりんごを加える。砂糖が溶けてきたら、木べらで混ぜながらからめ、砂糖が少し焦げてきたら火から下ろして粗熱を取る。

❸ 薄力粉とベーキングパウダー、シナモンパウダーを合わせてふるい、ボウルに入れておく。

❹ 別のボウルに卵を割り入れ、残りの砂糖を加えて泡立て器でしっかり混ぜる。細かい泡が立ってきたら③の粉のボウルに加える。泡立て器で手早くしっかり混ぜ、まとまってきたら牛乳を加える。ゴムべらで生地をまとめ、②のりんごのソテーをバターごと加えて手早く混ぜる。オーブンを180℃に温める。

❺ タルト型にバター(分量外)を塗るか、テフロン加工ならベーキングシートを底の部分にだけ丸く切って敷いて④の生地を流し入れて平らにならす。オーブンで30~35分ほど焼く。取り出して冷まし、サワークリームと生クリームを練り合わせて添える。

 

フロリバンダのシードルは無農薬無肥料栽培の自然派。「スタンダードに加えて、かりんや生姜、エルダーフラワーで風味づけしたものも」

PROFILE

ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍するかたわら、スープをテーマにしたオンラインストア(soup-s.shop/)を展開。「オリジナルの器の新作にようやく着手。カトラリーなども随時更新しているので、ぜひのぞいてみてください」
vegemania.com

SOURCE:SPUR 2020年12月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.21」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda

FEATURE