Z 初心者にもわかる基礎知識をちょこっと教えていただけますか? 私のように原料が何なのかもわからないレベルの人はたくさんいると思うんです。
K まずはモルトウイスキーとグレーンウイスキーの2種があるということを覚えておくといいですね。モルトウイスキーは大麦麦芽のみを原材料とし、グレーンウイスキーはトウモロコシや小麦など大麦以外の穀物類も使って造ります。製法にも違いがあって、モルトウイスキーは一回造るたび蒸溜器を洗浄することを繰り返す少量生産スタイル。対してグレーンウイスキーは蒸溜器にどんどん原料を流し込み続け、止めることなく造り続けている大量生産スタイルです。
K 「グレンモーレンジィ オリジナル」は、スコッチウイスキーのシングルモルト。スコットランドのハイランド地方で造られているウイスキーです。スコッチウイスキーのシングルモルトの入門編としてぴったり。高級な、良いウイスキーの入り口だと思います。
A 安くてうまいお酒から一歩進みたい私たちのモチベーションにもぴったりです!
K グレンモーレンジィはバーボン樽熟成というものにこだわりを持っている蒸留所。バーボン樽はバニラ香が特徴とされますが、グレンモーレンジィは香りの分析をすると100種類以上の香りの成分が溶け込んでいて、非常に複雑なフレーバーがします。シンプルな味わいのように感じるんですけど、じっくり舌の上で転がしてみると非常に複雑な香りがしますよ。
A 「ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ」はボトルデザインもモダンで印象的、ギフトにもいいですね!
K アイラ島は雨が多い島で晴れ間が少ない天候ですが、数少ないきれいに晴れた日の空の色をシンボルカラーと決めて、今も使われています。
Z なんだかロマンチック〜! ほろ酔い中に雑学は欠かせませんから、このトリビア披露しちゃいましょう!
K 飲むとピリッとしませんか? 実はこのウイスキーは他のものより10%くらいアルコール度数が高いんですよ。ピリッと感がおさまってきたあたりで舌の両サイドあたりで塩っぽさを感じると思います。
Z ほんとだ〜! これはワインでいうところの、海風にさらされた葡萄で造るワインがほのかに塩味を帯びるのと同じでしょうか?
K 諸説あるんですけど、本来ウイスキーは樽熟成を海沿いで行っているからといって、塩っぽさが加わるということありません。ただ長い期間にわたって海の近くにあったら、影響があるかもしれないという説もあります。この蒸留所では余韻の塩っぽさというのを大事にしているので、海沿いのテロワールを非常に重要視しています。特に夏場は、心地よい塩っぽさが合うと思います。ハイボールはもちろん、水割りにしてもおいしいですよ。
A 今日を通してウイスキーがぐっと身近な存在になりました! ハイボールもびっくりするくらいおいしくて、これからはお気に入りのウイスキーで作っていきたい。この中から、最初の1本として「ベストうち飲み賞」を選ぶならどれがいいでしょう?
K 「グレンモーレンジィ オリジナル」は、いいウイスキーの入門編のお酒。まずこれを基準にして、他のウイスキーも試していってもらったらいいかなと思います。2本目は、「ブルックラディ ザ・クラシックラディ」がいいですね。クセのあるタイプのウイスキーの入り口になってくれます。そのあたりに慣れて、日々おいしくウイスキーを飲めるようになってきた時に、リーズナブルでおいしいバスカーやオールドパーを常備してはいかがでしょうか! ウイスキーは糖分がないので太りにくいとよく言われます。糖分がないから、消化するのにあまりエネルギーが使われないので、二日酔いになりにくい。適量であれば(笑)。