「デニムは環境を破壊する」という定説に一石を投じるコレクションが、2023年春、ディーゼルから誕生した。“未来に敵うカプセルコレクション”と題した「ディーゼル・リハブデニム(DIESEL REHAB DENIM)」で発表されたのは、従来の製造工程を再構築し、完全に循環するように設計された責任あるプロダクトだ。長年デニムに真摯に向き合い、着実に進化を遂げてきたブランドだからこそ成し得た、クリエイティブかつ未来志向なデニムの魅力に迫る。
製造過程での廃棄物を見直す、完全循環型アプローチ
1978年のブランド設立以来、ディーゼルのDNAとして欠かせない存在でありながら、時代とともに進化し続けてきたデニム。サステイナビリティの観点から、ブランドにとって最も大きな成果といえるのが、この春ローンチした「ディーゼル・リハブデニム」だ。スペインの繊維メーカー、テジドス・ロヨ(Tejidos Royo)社との提携により実現した本コレクションでは、これまで環境負荷が高いとされてきたデニムに対する認識を変える、循環型の生産プロセスと革新的な技術が導入された。
「ディーゼル・リハブデニム」の製品は、ディーゼルの服の製造工程で排出されるプレコンシューマー廃棄物で作られている。紡績工場や縫製工場で廃棄された繊維の裁断くずやデニムのスクラップ生地を回収し、それらを再生して糸にしたリサイクルコットンとリサイクルポリウレタンを使用。スイス企業のHaelixa社が開発したDNA技術を活用すれば、長いサプライチェーンを経て最終製品になった段階でも、原材料の出自がディーゼルのプレコンシューマー廃棄物であることを証明することができる。
染色工程での水の消費量をゼロに
さらに注目すべきは、テジドス・ロヨ社が開発したドライインディゴ®テクノロジーにより、デニムの染色工程において水を一切消費していないこと。国連貿易開発会議(UNCTAD)によれば、通常ジーンズ1本を作るために必要な水の量は約7,500リットルで、平均的な人が7年かけて飲む水の量に相当するという。デニムの染色や洗浄工程では大量の水に加えて化学物質も排出されることから、デニム産業の環境負荷の高さがたびたび指摘されてきたことは周知のとおり。だが、今回導入されたドライインディゴ®テクノロジーにより、「ディーゼル・リハブデニム」の染色工程における水の使用量はゼロに抑えられた。
クリーンなデニムとともに、「責任ある生き方」を目指して
クローズドループによる生産プロセスと、革新的なテクノロジーにより実現した「ディーゼル・リハブデニム」は、2023年プレ・スプリングコレクションとしてすでに店頭に並んでいる。カラーは3種類で構成され、80sムード薫るクールなアシッドウォッシュ、ライトブルーがフレッシュな印象をもたらすブリーチ、はき古したような色落ちがヴィンテージライクなシャドウがラインナップ。どれもディーゼルならではの味わい深い風合いが魅力だ。展開アイテムは、ハイウエストのストレートジーンズやローライズのスキニージーンズのほか、Aラインシルエットのラップスカートやユニセックスに着用できるジップアップジャケットなど、クリエイティブ・ディレクターのグレン・マーティンスらしいユーモアとエッジのきいたデザインがそろった。
各製品にはQRコードが取り付けられており、購入者はそれを読み取ることで、アイテムの素材や加工工程に関する詳細な情報をチェックできるのもポイント。仮にもし、購入したアイテムを手放すときがきても、ディーゼルの店舗に持ち込めば回収され、再販やリサイクルによって新たに生まれ変わる。サプライチェーン全体で廃棄物を再利用し、透明性を担保しながら真実を伝えることに重点を置く「ディーゼル・リハブデニム」は、ブランドが掲げるサステイナブル戦略「For Responsible Living(責任ある生き方)」を体現するコレクションだ。デニムに本気で向き合い続けるブランドの実力を、ぜひ確かめてみてほしい。
ディーゼル ジャパン
https://www.diesel.co.jp/
0120-55-1978