在日コリアンが集まって暮らす、京都府宇治市のウトロ地区。戦時中の植民地政策によって生まれたこのまちは、貧困と差別、劣悪な住環境、立ち退き、ヘイトクライムなどさまざまな問題に直面し、長らく日本社会から置き去りにされてきた。それでも住民たちはこの地に根をはり、声を上げ、自分たちの生活と権利を守り抜いてきた。のちにその声は大きなうねりとなり、国際社会や行政をも動かす力となった。地区の歩みを伝えるウトロ平和祈念館が開館して2年、まちの姿はいまどうなっているのか。変化を見つめ続けてきた地元の人たちに話を聞いた。
在日コリアンが集まって暮らす、京都府宇治市のウトロ地区。戦時中の植民地政策によって生まれたこのまちは、貧困と差別、劣悪な住環境、立ち退き、ヘイトクライムなどさまざまな問題に直面し、長らく日本社会から置き去りにされてきた。それでも住民たちはこの地に根をはり、声を上げ、自分たちの生活と権利を守り抜いてきた。のちにその声は大きなうねりとなり、国際社会や行政をも動かす力となった。地区の歩みを伝えるウトロ平和祈念館が開館して2年、まちの姿はいまどうなっているのか。変化を見つめ続けてきた地元の人たちに話を聞いた。
戦争で生まれた在日コリアンのまち、ウトロ
京都府宇治市伊勢田町ウトロ51番地。近鉄伊勢田駅を降り、住宅街を10分ほど歩くと、ウトロ平和祈念館の新しい建物が見えてくる。道を挟んで向かい側に広がるのは、戦時中に作られた京都飛行場の名残ともいえる陸上自衛隊大久保駐屯地。近隣には2棟の公営住宅が並び、地区全体がすっきりと整備されている。ここ10年ほどで行政によるまちづくりが進み、ウトロの風景は一変した。かつてはトタン屋根のバラック小屋のような不良住宅がひしめき、「スラム」と蔑まれた場所だった。
人権の大切さ、伝えたい
「ウトロは怖い。近寄ってはいけない場所」。長年、差別と偏見の目を向けられてきたウトロ地区に、今は多くの人が足を運ぶ。開館から2年経った今年、来館者は2万4千人を超えた。「祈念館があるからみんなに会える。私たちの憩いの場なんです」と住民の真木子さんは言う。
祈念館の1階には丸テーブルやキッチンがあり、カフェのようなスペースが広がる。月に一度開かれる「ウトロカフェ」ではボランティアの方が住民との会話を楽しんだり、近所の小学生が夏休みの宿題をしにきたり、他府県や海外の学生が見学にきたり。かつての「スラム」とはかけ離れた光景が広がっている。
URL:https://www.utoro.jp/
住所:京都府宇治市伊勢田町ウトロ51-43
電話番号:0774-26-9222
開館日:金曜日〜月曜日 10時〜16時
※火曜日は有料ガイドのみ(要予約)
入館料:一般500円/高校生以下100円/小学生以下無料
各障害者手帳をお持ちの方は、付き添いの方(1名に限り)も含めて無料













