生理中の“困った!”を解決するトイレエチケットで、次に使う人への心遣いを

「思わずトイレを汚してしまった!」「友達の家でナプキンってどう捨てよう?」など、生理中のトイレで起こるさまざまな問題。なかなか人に相談する機会が少なく、困ったことがある人も多いはず……。そのままやり過ごさず、解決策を学んで、次に使う人への気配りができるようになりたいもの。
そこで今回、生理用品を数多く手がけているユニ・チャームと、ハウスクリーニングやお掃除用品でお馴染みのダスキンに、生理中のトイレ事情にまつわる疑問を相談。なるほど! そうだったんだ! と気づく意外なアイデアなど、知っておくと役に立つ情報が盛りだくさん。いざ何かあったときの心構えや、周りを気遣うエチケットとして、覚えておいて。公共のトイレでも、訪問先でも、自宅でも、次の人のためにキープクリーンなトイレなマナーを!

使用後のナプキンやタンポンなどの処理にまつわるQ&A

質問に答えてくれるのは……

ユニ・チャーム

生理用品や紙おむつなど、衛生用品を製造・販売しているメーカーで国内のトップシェアを誇る。主な製品に、ナプキンやタンポンなどを展開する「ソフィ」や「センターイン」、「エルディ」など。現在は、妊活タイミングをチェックできるおりものシートを発売準備中。

Q1:生理用品を捨てる際の包み方など、当たり前の作法こそ意外と正解を知らないことも。おさらいとして、基本的なマナーを教えてください。

——A1: まずは使用済みのナプキンをショーツから剥がし、デリケートゾーンに触れていた面を内側にして、クルクルと丸めます。ここまでは恐らく、ほとんどの方が実践されていると思います。そのあとは、新しいナプキンを開けたときに付属する個別ラップに、丸めたナプキンを包んで、生理用品専用のゴミ箱に捨てて下さい。個別ラップがない場合は、トイレットペーパーを代用するとよいと思います。ちなみに、生理用品は基本的に水解性ではないため、絶対にトイレに流さないように注意を。 ナプキンが詰まってしまうと、あとにトイレを使う人や、清掃してくれる方にも迷惑をかけてしまいます。

生理中の“困った!”を解決するトイレエチの画像_2

Q2:公園やキャンプ先などの野外や、災害時など、トイレに生理用品用のゴミ袋がない場合も。そんなときは、どのようにして捨てるのがよいでしょうか?

——A2:自宅や、生理用品を捨てられるゴミ箱があるところまで、持ち帰って捨ててください。捨てる場所があるか不安なときは、自身や周りへの気遣いという観点から、中身が見えない色つきの袋や、消臭効果のある袋を持参するとよりよいと思います。

Q3:友人宅では生理用品を捨てづらく、扱いに困ることもしばしば。でも長時間滞在するから、ビニール袋の中に入れてバッグに置いておくのも、ニオイが気になります。そんなときのアドバイスがあれば教えてください!

——A3:その日の予定に合わせて、生理用品を使い分けると悩みが減るかもしれません。基本的には“量が多い日”や“生理の終わりかけ”など経血量で考えていただくことが良いと思います。そのほかにも生理用品の選び方があり、例えばそのままトイレに流せる仕様の「ソフィ シンクロフィット」。持ち帰る必要がなく、流したあとのニオイも気になりません。あとは吸水ショーツやタンポンなど、ゴミが出る頻度の低いアイテムを使うという手段もあります。

ソフィ シンクロフィット

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いつものナプキンにプラスし、膣の入り口あたりにフィットさせて装着。基本、個別ラップ、製品ともに使用後は水に流すことが可能。ただし山や海外など流せないところもあるため、確認のうえ水洗を。

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Q4:長時間トイレに行けず、やっと行けたと思ったらムレやニオイが気になってしまう……。会社や学校など知人も使う可能性が高いトイレなので、自分のあとに使う人に「なんだか臭うな」と思われるのは避けたいのですが、どんな対策がありますか?

——A4:まずは、ニオイそのものの原因を取り除いてあげるのがよさそうです。 例えばデリケートゾーン用のウェットシート。持ち歩きやすいパッケージなのでバッグやポーチの中に忍ばせておくと便利です。敏感な場所なので、拭くときは優しくゆっくりとゴシゴシとこすらないように注意してください。ウェットシートを持っておくと、万が一経血でトイレを汚してしまった場合にも役立ちます。その他には、香りつきのナプキンやタンポンを使うという方法もあります。

ソフィ デリケートウェットシート

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気になる部分を優しく拭き取ることで、デリケートな肌の汚れやニオイをさっぱりさせる。使用後はトイレに流すことが可能。

Q5:急に生理が来てしまったとき、自分はもちろん、持ち合わせがなくて困っている人のためにも普段からナプキンを携帯しておくと安心。コンパクトなサイズ感で吸水率の高い、持ち歩きやすいナプキンは?

——A5:小さいポーチなどにも対応するため、機能は十分そのままに、ナプキンのサイズが小さいものがあります。例えば「センターイン コンパクト」は従来製品の1/2というサイズ感ながら、昼用の21.5cmから、シリーズ最長の36.cmまでラインナップも揃っています。
どれだけ事前に備えていても、急に生理が訪れてしまうこともあると思います。手元にナプキンがない場合は、ショーツの上にトイレットペーパーを重ねて対応するのも手段の一つです。そのあと、外出中であれば、近くのコンビニや薬局でナプキンを購入してつけ替えるのがよいと思います。

トイレの汚れにまつわるQ&A

質問に答えてくれるのは……

ダスキン

お掃除用品の販売・レンタルから、ハウスクリーニング、家事代行、庭木のお手入れまで、ライフスタイルにまつわる幅広いサービスを展開。トイレクリーニングでは、手の届きにくい部分の黒ずみや黄ばみ、カビまで洗い落とし、除菌仕上げまで行ってくれる。

Q1:出先のトイレで、便器や床に経血が落ちてしまいました。ティッシュで拭き取るだけで大丈夫でしょうか? あとに使う人のことを考えると、これだけで十分か心配になります。

——A1:血液は水溶性の汚れです。そのため水で濡らしたティッシュやウェットティッシュなどで水拭きするお手入れで問題ありません。ですが、時間が経つと血液が酸化したり乾燥したりしてしまい、水だけでは落ちなくなってしまうことも。なるべく早いケアが必要になります。これはショーツや服にも同じことが言えるので、もし経血がついてしまったときの参考にしてください。

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Q2:生理中にトイレをしていると、突然塊のような経血が出て、便器の奥についてしまいました。水を流しても取れなかったのですが、そんなときはどうすれば?

——A2:自宅であれば、便器内を掃除するブラシやスポンジでこすり洗いをして落とすのが一番綺麗に仕上がります。経血などの汚れがこびりついてしまった場合、物理的に道具を使ってこすり落とすしかないのです……。掃除道具は使い古した歯ブラシなどでも代用可能。小さいブラシは小回りも利き、ちょっとした汚れをケアするのに最適です。捨ててしまう前に、取っておくと意外な用途がありますよ。

Q3:生理中に意外と汚してしまいやすいのが、便座の裏。掃除以外に便座を上げることがない女性と比べて、上げる頻度が高い男性の家族やパートナーが見たときにビックリさせてしまうことも。もし便座の裏が経血で汚れてしまった場合は、普段のトイレ掃除と同じ方法でよいのでしょうか?

——A3:基本的には、普段通りのお掃除方法でOK。ですが便座やフタはプラスチックで傷つきやすいため、取り扱いには気をつけて。 水に浸し固く絞ったぞうきん、あるいは除菌クロスで拭いたあと、乾いたぞうきんで水気を取ります。このとき、あらかじめホコリは取り除いてから拭くと、便座が傷みづらいですよ。
それでも汚れが取れない場合は、ぞうきんに中性洗剤をスプレーしてから拭くのがオススメ。隙間などに入り込んでいる場合は、割り箸に綿の古布を巻きつけ、洗剤をスプレーしてこすります。綿棒などでも代用できますよ。そのあとは普段の掃除と同じく、乾いたぞうきんで水気を拭き取りましょう。詳しいトイレの掃除方法が知りたい方は、パーツ別に紹介しているダスキン「おそうじ大辞典」をチェック!

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Q4:生理期間中にも使いたいウォシュレット機能。それに伴い、経血などの汚れがついてしまったことも。正しいウォシュレットの掃除方法もぜひ知りたいです。

——A4:水の跳ね返りなどで、ノズル自体やノズルが収納される本体周辺が汚れます。使用時以外は内部に収納されるので、汚れに気づきにくい場所なんですよね。掃除についてはメーカーや機種によって使える洗剤や道具などが異なるため、必ず取扱説明書を確認してください。一般的な方法としては、操作パネルの「ノズル洗浄」などのボタンを押し、内部から出てくるノズルを、水や薄めた台所用中性洗剤を含ませた柔らかい布や小さめのブラシ(使い古した歯ブラシでも可)で掃除します。強い力を加えるとノズルが破損する恐れがあるので、優しく取り扱うよう注意してください。

Q5:「もっとこういう風にトイレを使えば、次の人も気持ちよく使えるのに」といった、ダスキンさんならではの知見やアドバイスを教えてください。

——A5:トイレに限らず、汚れはついてすぐであれば特別な道具や洗剤を使用しなくても落とすことができます。万が一汚してしまったとしても放置せず、すぐに拭き取る。自分で掃除することができない場合は掃除を担当する方に早めに知らせるなど、次にトイレを使う方への配慮が大切だと思います。

生理中は、経血による不快感や生理痛など、普段よりもストレスが多い時期。自分のことで精一杯になってしまいがちだけれど、あとにトイレを利用する人、清掃してくださるスタッフの方や家族のことを考えて、ほんの少しの気遣いを。まずは心地よい空間をキープするため、できることから始めてみよう。