【更年期世代温活】を君島十和子さんに、【30代温活】をスパイク・小川暖奈さんに、それぞれの温活法と大切さを聞きました!

「冷えは万病の元」といわれて久しく、どうやら身体はあたためた方がいいらしいというのは周知の事実。それゆえ温かい飲み物を飲んだり、保温性インナーを着ているのに、冷えている気がするのはなぜだろう?
そんな疑問にアンサーをくれたのは、自他共に認める徹底した「温活スペシャリスト」、美容家の君島十和子さん。温活に救われた更年期の話を中心に、十和子さんの温活術を取材。後半では芸人のスパイク・小川暖奈さんに、多忙な30代女性が温活を継続するためのアイデアをヒアリング。
若年層から更年期、さらにはそれ以後も人生を通して意識しておきたい「温活」にできることをいま改めて考える。

【君島十和子さん】更年期に役立った温活

君島十和子プロフィール画像
美容家君島十和子

1966年、東京都生まれ。FTCクリエイティブディレクター、美容家。二人の娘を持つ母。雑誌の専属モデルや女優として活躍後、結婚を機に芸能界を引退するも、美容への意識の高さに注目が集まり、各女性誌で取り上げられる。『アラ還十和子』(講談社)など著書多数。

メンタルの不調に苦しみ、温活に助けられた更年期

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身体的にはそこまできつい更年期症状が出なかった十和子さん

──ご自身が更年期にさしかかり、温活を強化されたとうかがいました。更年期にはどのような症状があったのでしょうか?

更年期を意識したのは40代後半でしたが、その頃は特に何もしていませんでした。初めは、なんだか動悸がするなと思っていたんです。その頃、仕事でドキドキすることが多い時期でもあったので、まあそのせいかなと思っていたり、まわりに「心臓がドキドキするんだよね」と言ってみても「そりゃ生きてるからね」という感じで、普通のことなのかなと。

また若い頃からお手洗いが近かったのですが、あまりに近いなと思うことが増えました。でもこれも水分をよく摂っているからかな、体質なのかなと思っていたんです。

その後、更年期をはっきり自覚したのは、生理不順になって不正出血が1か月ほど続いたとき。そこで初めて婦人科にかかり、低用量ピルで一回生理を止めてみましょうとなったんです。飲み始めたら不正出血は止まり、生理もそれきりに。51歳頃でしたね。だから閉経して初めて、「あれが更年期だったんだ」と気が付きました。

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以前から温活を行なってきていたけれど、更年期を経てより重視するようになったそう

──体調に関しては、そこまでつらい症状はなかったのですね。メンタル面ではどうでしたか?

更年期で一番つらかったのは、まさにメンタル面の不調でした。特に何があったわけでもないのに、朝起きたときに不安感に襲われる。朝が来ることがとにかく怖くて、明け方にカーテンの隙間から光が差してくると、目覚めるのがもう怖い。そのせいで睡眠時間が短くなってしまうのは避けたいから早く寝ようと思うけれど、寝てしまうと朝が来るからそれも怖い。眠れないわけじゃなく、朝が来るのが怖いという状態への対策や薬が、なかなかないこともつらかったですね。


──「朝が来るのが怖い」と感じる、対策や薬があまりないメンタルの不調時に、意識したことはありますか?

朝が来るのは怖いけれど眠ることはできたので、とにかく睡眠の質を高めようと、血流促進をますます意識するようになりました。


──ただ身体をあたためて眠るのではなく、血流にも着目したのですね。

私は、温活=血流を促すことと捉えています。そもそも、なぜ身体を冷やさない方がいいかというと、体温が下がると免疫力も下がるといわれているからなんです。身体をあたためて血流を促し、体温を下げない工夫をする。そうすることで、体にもともと備わっている力を十分に発揮できる状態を維持することが大切だと考えています。

そのためしっかり湯船に浸かって、エプソムソルトを普段の3倍くらい入れて、よく眠れるといわれるBAKUNEというブランドのパジャマを着て、寝具を変えてと、思い付くことはすべてやってみましたね。温活をしながら睡眠の質を高めることをとことん意識していたら、その積み重ねが「これだけやったのだから大丈夫」という自分にとってのお守りになり、だんだんと不安感が減っていきました。

温活に目覚めたのは、血流の大切さを体感した30代

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出産とライフスタイルの変化によって、身体を温めるように

──今でこそ、身体をあたためることに抜かりない“温活スペシャリスト”な十和子さんですが、20代の頃は冷え冷えだったとか……。

当時の私は素足にハイヒールがかっこいいと思っていましたし、あったかい肌着、いわゆるババシャツはダサいと思っていたんです。レザーのスカートをよくはいていて、革ならなんとなくあたたかいだろうと思っていたくらいで、そこに素足とハイヒールですから冷えないわけがありません。薄着でいながら自分のことを寒がりだと言っていましたから(笑)。


──身体が冷えていることで、不調などはありませんでしたか?

腰に触れるといつも冷たくて、生理痛も重かったですね。当時はまだPMSという言葉はなかったけれど、イライラしたり感情の起伏が激しくなったり。そうなると甘いものや脂っこいものがとにかく食べたくなって過食に走る、というのも当たり前にありました。今考えたら、これらは全部冷えによる不調なんですよね。


──そんな十和子さんが、温活に目覚めたきっかけは何だったのでしょう?

大きなきっかけは31歳で長女を出産したことでした。親ってとにかく率先して動かないといけない。もう「朝は寒いから、身体があったまるまでじっとしていよう」なんて時間はないわけです。

身体があたたまっていないと動けないことに気付いて、おしゃれは二の次で重ね着をするようになりました。そうしたら顔色がすごくよくなったし、産後の抜け毛はありましたが結構早く生えてきて、血流の大切さを思い知りましたね。そこからは温活一直線。家族がびっくりするほど、“冷え”に対して隙を与えない生活になりました。

更年期世代こそ、内からも外からも温活を!

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あたたかいものを飲んだり食べたりするだけでなく、たんぱく質を取り入れてエンジンとなる栄養素を接種することが大切

──そうして血流を意識した、更年期にも頼りになる温活ライフがスタートしたのですね。

私の更年期にはメンタルに影響が出ましたが、症状は人によって本当にさまざま。ホットフラッシュで汗をかくし暑いからと冷たいものをよく飲む方もいるそうですが、ますます冷えてしまうので、できれば食べ物や運動などで身体をあたため続けることを意識してもらえたら、と。

外から身体をあたためることも大切ですが、身体の中からあたためることも同じくらい大切。それはあたたかいものを食べましょう、飲みましょうという話だけではなくて、自家発電することで身体をあたためていくための“材料となる栄養素”をしっかり摂っていくことです。私はなかでも、たんぱく質を食事からしっかり摂ることを大切にしています。身体を動かすためのエンジンとなる栄養素ですからね。具体的には、スープを作るときは溶き卵と生姜を入れるなどして、意識的に摂取しています。

心も身体もゆらぎがちな更年期世代こそ、身体にもともと備わっている力を十分に発揮できる状態を維持するために、内からも外からもアプローチする温活を! と伝えたいところです。

十和子さんの“愛用温活アイテム”

そんな十和子さんが、毎日実践している冷え対策をヒアリング。老若男女、取り入れやすいアイデアをご紹介。

入浴剤を入れた湯船に毎日浸かる。常温以上のしょうが入りドリンクを飲む

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「入浴時には必ずエプソムソルトを入れています」エプソムソルト シークリスタルス オリジナル 2.2kg ¥1,362、「しょうがペーストをお湯に溶かしたり、お茶で中からもあたたまります」ヴェーダヴィ ジンジャーペースト EX 240g ¥4,104、ヴェーダヴィ サラシア&ジンジャーブレンド ティーバッグ30包入 ¥4,860(全て本人私物・編集部調べ)

「まずはお風呂。入浴剤を入れて、毎日肩まで湯船に浸かります。マグネシウムが豊富なエプソムソルトだけを入れる日もあるし、他の入浴剤を使うときもエプソムソルトは必ず入れています。たくさん使うのでいつもは10kgのものを購入しているのですが、今回はうっかり小さい方を買ってしまいました(笑)。お風呂上がりのボディケアは、冬ならオイル一択。ボディローションやミルクにエタノールが入っていると、ひんやりするだけでなく、蒸散するときに身体の熱を奪うからです。あとは髪の毛はなるべく早く乾かして、濡れ髪のままでいる時間を少しでも減らすことでしょうか。

飲食では、常温以下の冷たい飲み物は年間を通してほとんど飲みません。冷たくても口にするのは好物である夏のスイカくらいでしょうか。冷蔵庫に入れていたフルーツを食べるときは、食べる前に冷蔵庫から出しておきます。会社ではヴェーダヴィで購入したしょうが入りのドリンクを飲んだり、溶き卵としょうがを入れたスープを自宅から持っていったり。良質なたんぱく質を摂りながら温活ができるように心がけています。最近は巣鴨三浦屋のオンラインショップで購入できる冷凍のすっぽんスープ(スーパーハイスープ 120mL ¥1,934・編集部調べ)にハマっているんですよ」

夏も冬も、ストールやローブなど身体を覆う系アイテムが活躍

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「丈が長いのはもちろん、首元がスッキリしていてスキンケアしやすいのもうれしい」ロジア コンフィー ローブ ¥12,500(本人私物・編集部調べ)

「ファッションでは冬ならあたたかいインナーは必須。素足で外に出るのは真夏のサンダルを履く時期だけです。あとは、ひざ掛けやストールをいつも必ず持ち歩いています。冬はもちろん、夏には日除けや冷房の風に直接当たらないようにするときにも役立ちますよ。自宅では身体全体を覆ってくれるロング丈のローブが活躍しています」

就寝時には、首をあたためる枕を導入

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「首元だけじんわりあたたまるのが心地よく、夫婦でそれぞれ使っています」首と肩がホッとする枕 ¥15,800(全て本人私物・編集部調べ)

「今年は寝るときに温熱枕を使い始めました。頭を置く方は普通の枕で、首のうしろ側だけが電気であたたかくなるんです。びっくりするほどあたたかく、設定温度を間違えると熱くなるくらいなので、もし取り入れる方は低温からトライしてくださいね」

上記の生活での工夫に加えて、血流促進のためにも運動も取り入れられているそう。

「私は、冷え対策には毛細血管にきちんと働いてもらうことも大切だと思っているので、身体をあたためるジョグアンドウォークという運動を取り入れています。最初の2分は跳ねるような運動を入れて、そのあと8分は大股で歩く。これを3セット繰り返します。短時間で心拍数を上げたり下げたりするので毛細血管の強化にいいと言われ、最初の跳ねる運動は骨への刺激にもなっておすすめです」

目覚めたときから眠りにつくまで、日常のあらゆるタイミングに温活を取り入れられている十和子さん。そんな温活エキスパートから、心強いメッセージが。

「温活って何かひとつに一生懸命取り組むより、多角的に身体をあたためることで過ごしやすく健康になっていくことだと思うんですね。年齢関係なく、取り入れられそうなところから始めていただけるといいのかなと思います」

【スパイク・小川暖奈さん】末端冷え性克服温活

小川暖奈プロフィール画像
芸人小川暖奈

1990年、愛知県生まれ。2009年に松浦志穂とお笑いコンビ、スパイクを結成。2023年の「女芸人No.1決定戦 THE W 2023」で決勝戦に進出するなど、芸人としての活躍はもちろん、ファッション好きな一面を活かして洋服をプロデュースするなど活動の幅を広げている。

眠れないほどの末端冷え性を克服中

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歳を重ねていく中で、冷え性になってきた小川さん

──つらい末端冷え性に悩まされていたそうですね。どんな状況だったのですか?

20代半ばを迎えたあたりから、歳を重ねるごとに手足などの末端をはじめとした冷えが気になり始めました。次第に、寝る前にあたたかいお湯に手足をつけてからでないと眠れないくらいにまでなってしまっていて。その頃から、冷え性体質を改善するために身体を整えていきたいなと思っていました。そして実は今年、その冷え性を克服しているような気がしているんです。

サウナの水風呂、よもぎ蒸しに手応えあり

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脚が疲れたときはサウナ後の水風呂を求めて銭湯に、全身の冷えが気になるときはよもぎ蒸しに

──「末端冷え性を克服中!」だそうですが、どんなことを取り入れたのですか?

サウナの水風呂と、よもぎ蒸しが大きいかなと思います。もともと銭湯好きで、10年くらい週1ペースで通うくらい私にとって癒しの存在だったのですが、ここ2年くらいでお風呂だけでなくサウナにもハマりました。ただ、私の目当てはサウナ室よりも水風呂の方で。身体をあたためた後に水風呂に入ることで血流が良くなり、疲労回復につながると聞いて試したところ、冷えによる脚のむくみやつらさが軽減されるなと体感しました。脚が疲れたなと思ったら銭湯に行き、サウナ→水風呂の流れを2~3セットほどしています。もともと好きな銭湯でリフレッシュの一環として温活できるのが一石二鳥ですね。


──サウナ室であたたまるだけでなく、水風呂がカギなのですね。よもぎ蒸しはいかがでしょう?

すごく冷え性だった先輩が、よもぎ蒸しに通うようになって「体温が1度上がった!」と話していて気になり、行ってみました。ちょうど一年前くらいから通い始めたのですが、なんだか今年の冬は冷え性が軽減されている気がするんです。あたたかな身体にしたいという目的はありながらも、単純に汗をかいて気持ちいいので通っていたのですが、実際に身体に変化が現れてうれしく思っています。

また私が通っているところでは、生理痛や自律神経の乱れなど、気になる不調に応じてメニューを選べるんです。若い頃はPMSなど婦人科系の不調についてあまり知らなかったし、自分が冷え性になるとも思っていなかった。けれど興味を持って足を踏み入れてみると、“自分磨き”の感覚でケアできることもあるんだと知りました。これからも、より快適に過ごしていくための、自分に合う方法を見つけていきたいですね。

継続のコツは「コーディネートに響かせない」「かわいいものを選ぶ」

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ボトムスの下着は色々なものがあるけれど、淡色のアイテムにも響かない肌色というのがポイント

──私服にも注目が集まる小川さんですが、温活アイテムを選ぶポイントはありますか?

前提として寒いのが苦手なので、「寒いのを我慢しておしゃれをする」ということはなく、「おしゃれしながら暖かくする」ようにしています。温活をしながらも自分の好きなファッションで過ごしたいので、インナーでの対策が多いです。上半身に機能性下着を仕込むことが基本。

加えて、どんなボトムスのときも“セカンドスキン”を仕込んでいます。肌色のレギンスなのですが、これを一枚履いておくだけで断然暖かさが違うんです。タイツではなくレギンスなので、スカートのときは少し捲り上げればいいし、長い靴下を重ねてしまえばわからない。シルエットもタイツを履くより綺麗な気がしています。肌色なのでパッと見ももひきのようですが、足元も温活しながらファッションを楽しむために欠かせない、“おしゃれももひき”ですね(笑)。



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継続できることが大切なので、着たくなるアイテムを選ぶ

──見えないところは存在感を消して、見えるところはかわいいもの、が小川さんの温活ルールなのですね。


例えすごくあたたかくて温活視点では抜群なアイテムでも、「今日の服に合わないな……」となると着なくなってしまう。なので「温活している」感なく自然に続けるためにも、服としてかわいいと思うかを重視して選んでいます。

小川さんの“愛用温活アイテム”

ルームソックスは気分の上がるかわいいものを。見えないところはがっちり仕込む

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(左から)シルク足首ウォーマー ¥11,880/イオンドクター、アンゴラソックス ハスキークリーム ¥2,900/POLKA、よもぎ蒸しパッド ダナミ 7P入り ¥1,000/ダナミ (全て本人私物・編集部調べ)

「家の中では足をあたためることがマスト。誰に見せるわけでもないけれど、履いていてテンションの上がるかわいいルームソックスを選んでいます。家の中でも外でも自分が『かわいい!』と思うかを大事にしていますね。

一方で、シルクのレッグウォーマーは仕込む系アイテム。後輩のなっちゃん(横澤夏子さん)のイチオシでいただいたのですが、『足首をあたためるとこんなに変わるんだ』と衝撃的でした。足首から始まり、次第に身体全体がポカポカしてくるんです。足首だけのアイテムなので夏も含めて年中、日中も就寝中も使えて重宝しています。

そして温座蒸しよもぎパッドは昨年、極寒の韓国へ行くときに寒さ対策として購入。寒いのがとにかく苦手なので、お腹と腰に貼るホッカイロだけでは太刀打ちできなそうで、よもぎ蒸しの力を導入することにしました。生理用ナプキンのようにショーツにつけて使います。私はこのパッドのおかげで極寒の韓国を無事に乗り切れました。以来、外で長時間過ごす日や寒さがつらい日に使っています。
あと発見したんですが、寒い朝に外出しなければならないとき、白湯を飲んでから出ると身体全体がポカポカして、体感の寒さが感動級に違うことに気づいたんです。手軽にできて、あたたまるのでおすすめです」

自分の気分が上がるファッションや、趣味を楽しみながら温活に繋げる小川さん。そんな小川さんから、楽しむ心を大切にしたくなるメッセージが。

「『おしゃれは我慢』という言葉もありますが、私にとってはおしゃれと温活は両立できる存在。自分のテンションが上がる、かわいいものを選ぶことや、ファッションを邪魔しない縁の下の力持ちアイテムを仕込むことで、温活は楽しく継続できると思っています」

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