英王室のウィリアム王子が、生活難に苦しむLGBTQの若者を支援する団体「アルバート・ケネディ・トラスト」の事務所を訪問。「子どもたちが将来、カミングアウトしたらどう思う?」という質問に対する回答が、話題を集めている。
2019年6月26日(現地時間)、生活難に苦しむLGBTQの若者を支援する団体「アルバート・ケネディ・トラスト」の事務所を訪問した、英王室のウィリアム王子(37)。グループディスカッションに参加するなか、「子どもたちが将来、カミングアウトしたらどう思う?」という質問を受けた。
妻キャサリン妃(37)との間に、ジョージ王子(5)、シャーロット王女(4)、ルイ王子(1)と、3人の子どもを持つウィリアム王子。真正面からのこの質問に対し、「もちろん僕自身は、まったく問題ないよ」と、きっぱり断言!
しかし同時に、ある懸念があるとも。「LGBTQであること自体ではなく、そのことを世間がどう受け取り、どう反応するか。それによって、子どもたちがプレッシャーを感じることが心配なんだ」と、率直な気持ちを明かした。
続けて、「僕の家族の立場も考えると……なおさら、不安を感じてしまうよ。カミングアウトすることで、ヘイトを向けられたり、迫害や差別を受ける可能性にね」と説明。それでも、「それらの行いをする人々の考えを正すことこそが、僕たちの任務。差別を過去のものにして、もう起きない世の中に変えていくんだ」と、ポジティブな姿勢を見せた。
スタッフや同団体から支援を受ける人々と交流しながら、キャリアサポートや相談プログラムなどの支援を行うことを表明したウィリアム王子。レインボーカラーのギフトバッグを受け取り、大きな笑顔を浮かべる姿も報じられた。
LGBTQの熱心なサポーターとして知られ、これまで数々の活動に取り組んできたウィリアム王子。2016年6月には、ゲイに向けた英ライフスタイル誌『Attitude』に登場。英王室のメンバーとして初めてLGBTQ向け雑誌のカバーを飾り、世界中で大きな話題を集めた。
同誌のインタビューでは、「セクシュアリティ含め、いかなる理由においても、誰しもがいじめを受けるべきではない」というパワフルなメッセージを発信。一国の王子、そして父として、絶大な人気を誇るウィリアム王子の言葉や熱心な活動は、世界中のLGBTQコミュニティの勇気や希望に繋がっているに違いない。
text : Ayano Nakanishi