オサレより大事なもの。それは健康! というのをヴィクトリアのペタンコ靴が実証

長年「ピンヒールは足の一部です」状態だったヴィクトリア・ベッカムが、2月のニューヨークコレクションでスニーカーをはいてショーの最後に現れたのは、ファッション界にとってはひとつの事件だった。

フラットシューズを憎悪していた彼女が、もうハイヒールは履けないと明言。「移動が多いし、衣服もシンプルで着心地の良いものでないと」とヴィクトリアは説明した。私はこれを聞いて、ついに彼女はハイヒールによる健康上の重大なダメージがあったのだと推測した。過去にも外反母趾で手術を受けていて、それでもなおハイヒールを手放さなかったヴィクトリア。ルームランナー付きのデスク(!)で、ピンヒールを履いている彼女は、そこまでやるか!?って感じで、まさに機械人間のようだった。

ヴィクトリアの身長は海外では決して高くはなく、モードを完璧なバランスにするためには、ハイヒールはマストなアイテムだったはず。よほどのことがなければ、公衆の前ではアホに見えるからという理由でニコリともしないモード完全主義者の彼女が、ハイヒールを断念する訳がない。もしかしたら、ドクターストップがかかったのかもしれない。ハイヒールは背骨や骨盤に悪影響して、全身の歪みに至る可能性があるというのだから。おしゃれに命をかけるといっても、そりゃあ命の方が大事。命あってのオサレなのだ。

脱ハイヒール宣言後のヴィクトリアは、夫のベッカムが契約しているアディダスのスニーカーや、マニッシュなフラットシューズを履き、「ヒールなしでも私がクールなことに変わりはないわさ!」といわんばかりのキメをみせている。いずれはシューズのデザインもしたい、などとこの期を逃さぬ商魂は見上げたものである。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

https://twitter.com/michikaishikawa

 

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