[vol.8] ウディ・アレン監督のミューズ、エマ・ストーンが着こなす 民族調のアイテム。ガーリー過ぎずシンプルに

80歳にして今なお毎年、新作を世に送り出しているウディ・アレン監督。その創造力の源は、数作ごとに入れ替わるアレン好みのミューズの存在なくしては語れない。スカーレット・ヨハンソンやペネロペ・クルス、マリオン・コティヤールにケイト・ブランシェット。絶好調の美女ばかりだ。見た目よりぜんぜん枯れてないアレンの目下のミューズは、エマ・ストーン。(最新作ではクリステン・スチュアートという変わり身の早さだが)そのエマがキャンパスガールに扮した『教授のおかしな妄想殺人』(6/11公開)で、この夏、すぐにでも着たくなるような民族調のワンピースやブラウスをサラリといい感じに着こなしていて目を引いた。

 肌触りもさわやかな、楊柳(ようりゅう)生地のワンピースには青い刺繍が施されていて、エマはそれをストンと着ただけでアクセサリーも何もつけていない。足元は履き慣れたようなスニーカー。でも引き気味で彼女の全身を捉えたカメラ映りが、すごくいいのだ。なんというか、シンプルにそのワンピースを着ることで、若さを前面に出した素のよさがクローズアップされた感じ。光り輝く白肌。ぺたんこの靴でも引き締まった足首。赤みを帯びてなびくロングヘア。このまぶしさは、男女共に好感が持てること請け合いだ。

もう一着、赤い刺繍のブラウスの方は、ベージュのショートパンツをコーディネイト。ガーリーになり過ぎないところがうまい。民族調のアイテムを都会で着こなす好例だ。こんなルックスも頭もいい女の子がキャンパスにいたら、人生に疲れきった教授(ホアキン・フェニックス)も男子のキャンパスメイトも惚れ込んでしまうのは無理もない話。アレンのミューズが輝く本作をぜひチェックしてみてね。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

https://twitter.com/michikaishikawa

 

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