Q.女の幸せってやっぱり結婚?/悩める読者へ寂聴さんから愛の処方箋③

読者からお悩みを募集したところ、今一歩前に踏み出せないアラサー女子たちの姿が見えてきた。今の言葉でいえば、"リア充"な青春を送っていた寂聴さん。どんなふうに背中を押してくれるのか?

Q1 彼氏ができません。
Q2 友達に嫉妬してしまいます。
Q3 結婚で迷っています。
Q4 女の幸せってやっぱり結婚?
Q5 浮気っていけないこと?
Q6 転職しようか悩んでいます。
Q7 孤独死が怖いです。

SPUR2016年6月号掲載
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女の幸せってやっぱり結婚?

仕事でやりたいことがあって、まだ結婚する気になれないのですが、両親が「早く結婚しろ」とうるさくて困っています。社会的にも「結婚しない女はみじめ」という考えの人が日本には大勢います。孫の顔も見せてやるのが、やはり娘としてのいちばんの親孝行なのでしょうか。結婚が女の幸せなのでしょうか。(33歳・建築)

孫の顔を見せるのがいちばんの親孝行? そんなことないですよ。孫の顔なんて見たくないってばあさんだっています(笑)。じゃあ、女の幸せは何か。結婚とか出産という人は昔からいますけど、女性に限らず、幸せとは「自由」ということに尽きると私は思います。要は自分がしたいことがやれているかどうか。自分の才能を育てて押し開くことが、人間としていちばんの幸せですからね。

だから結婚相手が、あなたのやりたいことを認めてくれて、「しっかりやれ」って支えてくれる人だったら、それは幸せな結婚だと思います。でも夫や姑のために自分が犠牲になるような結婚だったらしなくていいですよ。「イクメン」なんて言ったって、日本の場合、実際は妻の負担がまだまだ大きいもの。100年前に平塚らいてう(女性解放運動家)たちが訴えたのは、女性の才能を発揮できる時代が欲しいということでした。それが今ようやく少し変わりつつあるけれど、社会的なサポートはまだ完全じゃない。今の日本では子どもを預けようと思っても預けられないのが現実でしょう。「保育園落ちた日本死ね!!!」というブログが最近、話題になったけど、よくぞ言ったと思います。名文よ、あれは。

働ける女の人が働けないなんて、やっぱり国が悪い、政治が悪いと思います。だからこの状況を変えるには、闘わないとだめね。政治なんて自分には関係ないと思っている人もいるけど違いますよ。生活に直結してるんです。幸せをつかむには、自分たちで行動を起こさなくちゃ。

浮気っていけないこと?

結婚7年目ですが会社の同僚とダブル浮気をしています。お互い家庭があるので、本気になりすぎないから安心だし、夫とはセックスレスなので、浮気で発散しています。誰にも迷惑はかけていませんが、やはり悪いことでしょうか。(34歳・メーカー)

不倫? 別にいいんじゃないかしら。あら、尼さんがこんなこと言ったらだめよね(笑)。尼さんとしては「不倫は絶対いけません」。でも作家としては不倫も仕方ないかと思います。誰だって何年も一緒にいたら飽きてきますよ。結婚8年目くらいがあぶないって、よく言うけど、私は2年だと思う。昔は姦通罪っていうのがあったから、北原白秋みたいに不倫で牢屋に入れられたりしたけど、今は姦通罪もないし。ただ最近は慰謝料を請求される場合があるでしょう。知り合いの男性も不倫相手の夫から慰謝料を1千万も請求されました。相応の覚悟はしておきましょうね(笑)。あ、これは浮気の相談ね。つまりおのろけね。答える必要なし。

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