2016.05.30

Q.彼氏ができません。/悩める読者へ寂聴さんから愛の処方箋①

読者からお悩みを募集したところ、今一歩前に踏み出せないアラサー女子たちの姿が見えてきた。今の言葉でいえば、"リア充"な青春を送っていた寂聴さん。どんなふうに背中を押してくれるのか?

Q1 彼氏ができません。
Q2 友達に嫉妬してしまいます。
Q3 結婚で迷っています。
Q4 女の幸せってやっぱり結婚?
Q5 浮気っていけないこと?
Q6 転職しようか悩んでいます。
Q7 孤独死が怖いです。

SPUR2016年6月号掲載
>こちらの特集は電子書籍でもご覧いただけます

彼氏ができません。

30歳になりますが、今まで男性とおつき合いをしたことがありません。自分に自信がなく、婚活のような場へ積極的に参加することにも抵抗があります。いい人がいれば結婚したいと思っていますが、なかなか踏み切れないでいます。どうすれば自分に自信をもつことができるでしょうか。(30歳・研究員)

この人もそうだけど、恋愛ができない人って、必要以上に自分をだめだと思ってるんですよ。「自分に自信がもてない」「自分なんか魅力がない」って。どんな人にもその人なりのいいところが絶対あるはずなんだけど、それを自分で認めようとしない。それでは魅力がなくなります。人を愛する前に、まず自分を愛さなきゃ。些細なことでもいいの。「私はワキの下に可愛いホクロがあるのよ」とか、「私はアイロンがけは誰にも負けない」とかね。まずは自分のよさを自覚しなさいってこと。

器量が悪いのが悩みという人もいると思います。私も自分のこと、みっともないとずっと思っていましたよ。ほら、鼻が低いでしょう? 親にも「おまえはみっともないから笑顔でいなさい」なんて言われてた。「自分が産んどいて何を言うか」と思いましたけど(笑)、いつも笑顔でいなさいって教えられたことは、とてもいいことだったと思います。ニコニコしてたら誰だって可愛くなるの。それにコンプレックスって、たいていは自分の思い込み。裸になったら、みんな同じ。みんなきれいなんですよ。それでも自分の容姿が気に入らなければ、整形しちゃえばいいじゃない(笑)。今は簡単に直せるんでしょう?

自分の顔、自分の体を好きになってくれる人が必ずいると思うことね。実際、必ずいます。人が寄ってこないのは自分が寄せつけないだけ。自分がかたくなになって壁を作ってるの。だからもっと自分を開くことね。そのためにも自分を好きにならなくちゃ

友達に嫉妬してしまいます。

最近、友達と会うのが億劫になってしまいました。仕事で活躍していたり、結婚で幸せそうな友人に会うと、結婚もせず、派遣で仕事をしている自分が惨めでつらくなってしまうのです。時々、友達から食事の誘いなどがくるのですが、土壇場で怖くなり断ってしまいます。前みたいに普通にみんなと笑顔で会えるような自分に戻りたいです。(29歳・派遣)

人をうらやむ気持ちって、いちばん情けないわよね。友達に嫉妬するくらいなら、がむしゃらに頑張ればいいのに、それをしないでうじうじしてるのは好きじゃないですね。作家の林真理子さんっているでしょう。あの人、欲しいものを全部手に入れたのよ。作家としての地位だけじゃなくて、結婚したいと思えば、一生懸命、相手を探して子どもを産んで。そのためにものすごく努力したと思う。もちろんそれを可能にする才能があったからできたことだけど、彼女の生き方は、女性のひとつの新しい生き方だと思います。正直に貪欲であるということね。それを見苦しいと言う人もいるけど、そんなのは言う人の勝手。それより努力しないで、ただ人をうらやむほうがみっともないですよ。ちなみに私は人に嫉妬したことはありません。だっていつも私が一番だもの(笑)。

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