「『トイ・ストーリー』には、言葉にできない“色”があるんです」
――出演が決まった時はどんなお気持ちでしたか?
「うれしかったです。正直なことを言うと、あんまり実感が湧いていないというか(インタビューは6月下旬)。まだお客さんにも公開されていないので、作品の一員になったという感じはあまりないですね。でも、子どもの頃から見てきた作品なので、本当に夢みたいだと思いました」
――M!LKのメンバーも出演されていましたね。
「そうなんですよ。僕もびっくりしました。吉田仁人に関しては、声ですぐ分かりましたね。実は(塩﨑)太智と一緒に試写を見ていて、太智がすごくうれしそうにしていたので、ここだろうなってすぐわかりました(笑)」
――『トイ・ストーリー』ならではのおもちゃらしさは、どのように表現されたのでしょうか。
「よく聞かれるのですが、本当に難しくて。感覚なんですよね。海外の人に『日本人っぽさって何ですか?』って聞かれるような難しさというか。自分の中に言葉にできない“色”があるんです、『トイ・ストーリー』って。テンションが高いシーンも、ちょっと落ち着いたシーンもあったと思うんですけど、演じ分けようというより、本当におもちゃになった気分でした。自分が映画の中にいるというか、おもちゃだという感覚がありました」
「もっと良くしたい」。 その一心で、ほぼ全部録り直した
――スマーティー・パンツはコミカルなキャラクターですが、演じるのは楽しかったですか?
「楽しい……というのは難しいですね。うれしさはありますけど、楽しむというよりもっと良くしたい、もっともっとという気持ちのほうが強かったです。それを楽しいと言えるのかもしれないですけど、僕の中ではちょっと違いました。一つ一つ、本当に真剣な気持ちでした」
――ご自身から録り直したいとお願いされたそうですね。
「そうです。全部OKが出て、ほぼ完成という状態で、一回全部見てみようとなって。『気になるところがあったら言ってね』と吹替監督の方におっしゃっていただいたんですけど、赤ペンを入れていったら、ほぼ全部でした(笑)。監督さんと相談しながら撮り直したんです」
――どんなところが気になったのでしょうか?
「全体的に、なんか馴染んでないなという感覚がありました。映像を当日まで見られないんですよ。台本はいただけるんですけど、どういう動きになるか分からないので、ドラマとかと違って練習が難しくて。セリフの練習はしていくんですけど、実際はキャラクターに合わせなきゃいけないので、そこはめちゃくちゃ気になりました」
――作品をご覧になって、ご自身の声はどう聞こえましたか?
「レコーディングブースで聞くのとでは、ちょっと違って聞こえました。もうちょっとこう聞こえると思っていたな、とか、意外と入らないな、とか。自分の中で『トイ・ストーリー』という作品の大きさもあって、ハードルはすごく高かったです」
――スマーティー・パンツの注目してほしいシーンはありますか?
「結構ずっと出ているので、いろいろあるんですけど、意外と“オフ台詞”ですかね。例えばジェシーが話している後ろで、スマーティーが話していたりするんですけど、そういうところって意外と聞こえづらくて。でも、細かく見ていくと面白いと思います」
「実家みたいな安心感」。『トイ・ストーリー』は、一言では語れない
――今回の作品では、子どもたちの遊び方の変化も描かれています。佐野さんご自身は、子どもの頃どんな遊びをされていましたか?
「ドッジボールですね。学校が終わった後というより、僕らの地域では二限目と三限目の間の休み時間を『放課』って呼んでいて、その時間によくやっていました」
――子どもの頃から変わっていないところはありますか?
「実は相当面倒くさがりです(笑)。世間では『頑張ってる』って言っていただくこともあるんですけど、全然そんな人間じゃなくて。休みの日なんて何もしたくないです。でも、一歩動く理由があれば、それに付随することは頑張れるんですよね」
――改めて、佐野さんにとって『トイ・ストーリー』の魅力とは?
「一言で表せないですね。例えば実家って、落ち着くじゃないですか。理由をつけるのは難しいけど、匂いだったり、空気だったり、そういう安心感がある。それぐらい好きなんです。僕は多分、物心つく前から見ているので、本当に実家に帰ったような安心感があります。
でも、魅力を紐解いていくと、キャラクターたちの個性が立っているところとか、最初は仲が悪かったウッディとバズが仲良くなっていくところとか、アンディの成長とともに、おもちゃも成長していくところとか、おもちゃの人生まで描かれているところとか……いろいろあります。結局やっぱり一言では、言えないってなります(笑)」
――最後に、今回の『トイ・ストーリー5』ならではの見どころを教えてください。
「僕はそこを広げるんだって思いました。昔から見てきた身としては、ジェシーの伏線回収というか。ジェシーの中にずっとあったトラウマというか、心の傷みたいなものが、ここでようやく解放されるんじゃないかなって。それを、25年くらい経ってようやく知ることができたというのは、本当に感動的でした。一番は、『ジェシーを救ってくれてありがとう』って思いました」
佐野勇斗
さの・はやと 1998年3月23日生まれ、愛知県出身。俳優として映画、ドラマ、舞台など幅広く活躍。ドラマ「トリリオンゲーム」、連続テレビ小説 「おむすび」、「ESCAPE それは誘拐のはずだった」、映画『六人の嘘つきな大学生』など話題作への出演多数。ボーカルダンスユニットM!LKのメンバーとして活動している。
『トイ・ストーリー5』7月3日(金)劇場公開
おもちゃと人間の絆を描き、世界中で愛されてきたディズニー&ピクサーの人気シリーズ最新作。想像力豊かでシャイな少女ボニーのそばで、その成長を見守ってきたカウガール人形のジェシー。しかしある日、最先端タブレットのリリーパッドがボニーの生活に入り込んだことで、おもちゃたちの日常は一変する。画面に夢中になるあまり笑顔を忘れていくボニーを前に、ジェシーはウッディやバズたち仲間の力を借りて、“デジタル”という新たな脅威に対して立ち上がる。日本語版声優のボイスはジェシー役の日下由美をはじめ、ウッディ役の唐沢寿明、バズ・ライトイヤー役の所ジョージらが担当する。
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