愛を与えることが、 少しずつ好きになっている
口数は決して多くはない。しかし熱を帯びた歌声に、ひたむきに躍動するダンスに、ふとこぼす思いに、深い愛情がにじむ人。インタビューの始まり、愛情を注いでいる3つの存在を聞いたら真っ先に「音楽」と答えた。
「最近はずっと楽曲制作をしているのですが、やればやるほど音楽への探求心が増していくし、思いが多様化する。『曲は作ろうと思えば誰でも作れる』と思えるようになったけど、だからこそ自分だったらどんなサウンドで何を歌うかということを常に考えています」
発表した初のソロ曲「Want it 〜One of the BE:ST-06 SHUNTO〜」は、R&Bのラブソングだ。
「今の自分の年齢だからこそ歌える、ちょっとチャラくて若々しい恋愛の曲にしたかったんです。10年後の自分が聴いたら、恥ずかしくなるくらいがいいかなって。トラックは自分の好きな年代の音を重ねて完成しました。ソロ曲は今後も出していきたいので、“2曲目へと展開していく前提で、初めてはどうするか”ということも考えています。それぞれがソロアーティストとして成長できれば、BE:FIRSTはより厚みのあるグループになると思うので」
音楽への愛情は、表現方法のひとつであるダンスにも表出する。高いスキルを持ちながらも、彼は練習に励む。
「アーティストの評価基準は目では見えにくいし、ダンスを楽しむという目的だけだったらそこまで練習する必要はないと思います。ただ“楽しければいいじゃん”って思えるタイプではないので練習は重ねます。BE:FIRSTが取り入れているヒップホップの動きは、大きな会場であればあるほど細かなグルーヴが伝わりづらい。一方でKポップグループのきれいなフォーメーションはライブでより映える。だから両方のよさを意識して、自分ならではの表現を模索しています。僕は“楽しい”だけではやっていけない性格。『少年ジャンプ』で育ったので、追い詰められているヤツが一番強いと思っている節がある(笑)。逆境が好きなんです」
愛情を注いでいる3つの存在、続きを聞くと「家族と友達」と返ってきた。
「父とは日に日に仲がよくなっています。少し幼いところがあって、よく真ん中の妹と喧嘩して、妹に『お父さんはすぐ拗ねる』と言われていますね。父とは顔が似てると言われるのですが、僕がゲームをやっているときに対戦相手を煽るのも完全に父譲り。年始に一緒にゲームをしているときに血を感じました。二人とも負けず嫌いです。妹たちは、僕と父がゲームをやっているのを見ながら『どっちが勝ってもいいけどおなかが空いた』という空気感を出す。それがうちの家族です(笑)」
ほころんだ表情から、家族への温かなまなざしを見せる。それは友人にも向けられ、彼は「友達と会うことはいいことしかない」と言い切る。
「特に地元の友達はいくら会ってもカロリーゼロ(笑)。BE:FIRSTになる前と変わらず接してくれるところがありがたいです。なるべく会いに行くし、一緒にいるときはずっとふざけていますね。友達が働いているショップや飲食店に行って誕生日プレゼントを渡したり、反対に僕が誕生日付近に名古屋に帰るとケーキを用意してくれていたり。年始は家族が僕の東京の家に来ていたのですが、MAZZELのSEITOも呼んで新年会をやったんです。ほかのアーティストも誘ったけど、帰省している人が多くて『誰か暇していないかな?』と。地元の友達に電話して誘ったら新幹線に飛び乗って来て(笑)。みんなで一緒に盛り上がりました」
多忙な日々の中で彼を支える愛すべき存在。SHUNTOはBESTY(BE:FIRSTのファンネーム)についても、友達のような存在だと続ける。
「去年から今年にかけて行なったファンミーティングツアーで、みんながステージにいる僕たちに友達みたいに話しかけてくれて、『ファンの方たちとこの距離間で音楽活動ができるのって最高だな』と思ったし、改めて『仲間だな』と感じました。BE:FIRSTならかっこいい音楽を作ってくれると信頼してもらえていることがうれしい。ライブで一緒に歌ってくれる瞬間、特に信頼関係を感じます。あと最近メンバーが発案した『Boom Boom Brothers』というオリジナルキャラクターを発表したんですが、結構おかしなキャラクターなのに喜んでくれて。いい奴らだなって思いました(笑)」
“愛情深い人”という印象に「そうですかね?」と照れくさそうに返しながらも、情に厚い素顔がのぞく。取材中、同じ事務所の後輩STARGLOWのメンバー、ADAMを誘って食事に行った話も飛び出し「当時彼はグループで唯一の成人で。メンバーと食事に行っても気を使って飲まなさそうだし、だけどデビュー直後は飲みながら話したいことがたくさんあると思ったので誘いました」と語った。近況として楽器演奏を始めた話を聞いたときも「楽器を弾くと優しい気持ちになるし、歌を重ねると音楽とひとつになれたような気がして、時間がたつのを忘れてしまう」とこぼし、一見クールな佇まいとはギャップのある、周囲への気遣いや音楽へのひたむきな愛情にあふれる人柄が絶えず浮かび上がる。SHUNTOにとって愛とはどんなものなのだろうか。
「最近少しずつ、自分が何かをして相手が喜んでいる顔を見ることが好きだと感じることが増えてきました。それが愛なのかな。人に愛を与えることが好きになってきています」
そう言って、「いい感じに成長できているかも」と笑った。愛を与え、愛を受け取り、その輝きは増す。だからこそ彼が「謳う」歌は心に響くのだ。