’70sを自分らしく、今の気分で/吉田佳世

「わかりやすいものを着ない」「1枚ですぐおしゃれが完成するものには、手を出さない」。この二つが吉田佳世さんの変わることのないファッション・ルールだ。
「どんなブランドでも、どの時代のヴィンテージでも、トレンドがどうであろうとも、必ず自分らしさが際立つスタイリングに落とし込むことを意識しています」と吉田さん。着る人のパーソナリティが際立つ、映画から着想を得ることが多いのも納得がいく。
「『ドリーマーズ』(’03)のエヴァ・グリーンの装いは、いつ見ても色褪せることなく素敵です。異なるテイストを大胆にミックスしているのに決まりすぎず、絶妙なバランス感を保っている。私が今気になっている’70sテイストの服もたくさん登場するのですが、いかにも! というスタイリングがなく、どれもが彼女の個性や生活にしっくりとなじんでいる。私も同じように、今の自分の年齢で、東京という街でどんなふうに’70sを取り入れようか? と思いを巡らせるとワクワクします。しばらく寝かせていたジャケットやドレスをもう一度、新鮮な気持ちで楽しめるのもうれしいです」

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映画『ドリーマーズ』(’03)は1968年の5月革命に揺れるパリの街が舞台。姉弟とアメリカ人留学生の奇妙な三角関係を描いた作品。エヴァ・グリーンの熱演も話題に

アライアのヴィンテージショートジャケット

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ロンドンのヴィンテージフェアで発掘。「’80sムードが色濃すぎないところが好き」

70年代のヴィンテージのベルベットドレス

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インドの稀少なデッドストック生地のドレス。「NIKEのスニーカーを合わせたり、チェーンネックレスを飾って楽しむ一着」

70年代の英国のヴィンテージドレス

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状態のいい英国ヴィンテージが揃うという下北沢の「レ・ミゼラブル」で購入

ジル サンダーのハンドバッグ

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「’70s調のクラフト感を、キッチュな素材で再現しているのが魅力。ジル サンダーは、遊び心のあるモダニティがとびきり上手」

ボーディのシャツジャケット

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ボーディを大人っぽく着るのが最近のお気に入り。透かしレースのシャツジャケットはフリーマーケットで出合い、即決した

70年代のデッドストックのシルクガウン

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「シルク素材が何よりのポイント! さっと羽織るだけで抜群に可愛く仕上がるので、春夏の使用頻度はかなり高いですね」

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コレクションする偏愛アイテム

アンクルブーツ

季節や場所、スタイリングを問わず、足もとはアンクルブーツを選ぶことが多い。スタイルアップのためにヒールは履きたいけれど、足もとをコンサバにしたくない。何よりもパンツにもスカートにも合わせやすいという理由から、気がつけばアンクル丈のブーツが増え続けているとか。「腰かけたとき、ボトムの裾からお気に入りのブーツがあらわになる瞬間がたまりません(笑)。靴に関しては、シャネルやセリーヌなど、ハイブランドを選ぶことがほとんど」

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