表参道のY'sで徹底試着! エディターがリアルにほしいアイテムを選抜【それいけ! 良品ハンター】

 定番ブランドの隠れた名品を実際に試着してオススメアイテムを見つける良品ハンター、今回は山本耀司が1972年に立ち上げたY's(ワイズ)へ! 「男性服を女性が着る」というコンセプトでブランドが立ち上がり、アーミーウェアやワークウェアをエレガントに解釈してきたワイズ。ベーシックなデザインで着やすく、チャレンジしやすい価格帯もあるのが嬉しい。エディターTAJIKAとエディターAKIYAMAが、実際に着てみることでその魅力を体感!

立体的な袖が美しい、ジャカード生地のセットアップ

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ジャカードブルゾン¥140,800・ジャカードスカート¥66,000・中に着たシャツ¥44,000・ブーツ¥81,400/ワイズ プレスルーム(ワイズ)

エディターAKIYAMA(以下A ワイズは、1972年に山本耀司氏が最初に立ち上げたブランドです。その後、1981年にパリコレに進出した際にヨウジ ヤマモトが誕生。なので、ワイズは山本氏の原点にして思想と哲学が凝縮したブランドと言えます。今日は、秋の新作コレクションを中心に、TAJIKAさんにとにかくたくさん試着してもらい、ワイズの魅力に迫りたいと思います!

エディターTAJIKA(以下T) はい、まずはジャカードのセットアップを着てみました。ひと目見て「素敵!」と思った、オーバーサイズのブルゾンとタイトスカートの組み合わせです。私は身長163cmですが、いい感じに着こなせているのでは。

A 肩の落ちたシルエットや、たっぷりした袖のたるみが可愛い! 厚手でしっかりした素材なので、シルエットに立体感が生まれているんですね。

T 美しい袖のたるみの秘密は、袖つけ部分に入ったマチです! このおかげで、ただのビッグサイズではなく、ユニークなシルエットが実現しているわけですね〜。

A 迷彩のようなアブストラクト柄にはカジュアルな印象が漂いますが、重厚感のあるジャカード織りなので、リュクスなムードです。

T それにしても、素敵なセットアップを着ると「おしゃれしてるぞ!」と気合いが入りますね。どんどん試していきましょう!

プリーツ切り替えのニットドレスを、ロンググローブとともに

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ノースリーブニットドレス(10月7日発売予定)¥79,200(10月7日発売予定)・ニットグローブ¥16,500・ブーツ(実店舗のみ発売)¥81,400/ワイズ プレスルーム(ワイズ)

T 続いては、ノースリーブのニットドレスです。右サイドからバックにかけて、アコーディオンプリーツに切り替えられていて、歩くたびに美しく広がります。うっとり〜。

A とてもエレガント〜! でも、実はプリーツスカートって、見た目が華やかなだけでなく、足さばきがよくなるという機能的な面もあるんですよね。そういうところにもワイズらしさを感じますね。

T そして、左サイドにはポケットも! これまた機能的で嬉しいです。

A 一緒に合わせているニットグローブも可愛いですね。

手もとのアクセントに大活躍! ニットグローブ&アームウォーマー

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(左)アームウォーマー各¥14,300・(右)ニットグローブ(10月7日発売予定)各¥16,500/ワイズ プレスルーム(ワイズ)

T はい、こちらのニットグローブもイチオシアイテムです! 同じシリーズの色違いと、アームウォーマーもありますよ。

A アーガイル柄が秋冬らしい! アームウォーマーやロンググローブは、今シーズンの注目アイテムでもありますよね。

T 私も今、個人的に狙っているアイテムです! これもお買い物候補に入れておこう。秋には、ノースリーブニットと合わせるスタイリングを楽しみたいですね。

アーティなアブストラクト柄がクールな薄手ニット

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タートルネックニット¥41,800・スニーカー¥41,800(ワイズ)・パンツ¥52,800(ワイズ....)/ワイズ プレスルーム

T 続いては、迷彩のような抽象柄のハイネックニットと、切り替え入りパンツを合わせてみました。私の普段のスタイルに近い、すごくしっくりくる着こなしです。

A トップスは手首まで隠れる長さで、親指を出すホールつき。とても薄手のウールなので、暖かいけれどモコモコせず、取り入れやすそう。

T この柄の配色が絶妙ですよね〜。ネオンカラーのようなグリーンがアクセント的に入っていて、すごく個性的なのですが、ベースはネイビーなので意外にも合わせやすいんです。

A パンツはいかがですか? こちらはユニセックスの「Y's....」タグのものです。光沢感があって、きれいめにも穿けそうですね。

T 今回は主張する柄のトップスと合わせましたが、シンプルなトップスと合わせても抜群にハマりそうですね。

老舗メーカーとコラボしたスカジャンは、黒一色の刺しゅうが!

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ジャケット¥217,800・中に着た白Tシャツ¥19,800(ワイズ)・パンツ¥52,800(ワイズ....)/ワイズ プレスルーム

T 続いては、スーベニアジャケット、いわゆるスカジャンの老舗であるテーラー東洋に別注したブルゾンです。

A 黒一色で入った龍の刺しゅうがかっこいい! 背中には、同じく黒い刺しゅうでワイズ創立50年のロゴが入っています。

T 実は私も、テーラー東洋のスカジャンを1着持っています。私が持っているのは「いかにも」なデザインの派手な刺しゅうが入ったものなのですが、これは抜群にシックなので驚きました。ヘビーユースできそう!

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A そして実は、このスカジャンはリバーシブルになっているんです!

T はい、裏返して着てみました。背中にはやはり黒で虎の刺しゅうが入り、まるで芸術作品のような存在感があります。

A 奥行きのある、美しい刺しゅうにうっとりです……! このクオリティの高さは、日本の職人のなせる技。これはぜひ、店頭で実物をチェックしていただきたい!

ワイズらしいブラックロングコートをエレガントに

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ロングコート(10月7日発売予定)¥143,000(ワイズ バング オン!)・左プリーツ長袖ドレス(10月7日発売予定)¥74,800・ブーツ¥81,400(ワイズ)/ワイズ プレスルーム

A 続いて、「ワイズといえば!」の黒いロングコートです。毎シーズン人気のアイテムだそうですが、今シーズンの私のイチオシはこちら! 大きなフードがついていて、フロントから見るとセーラー襟のようにも見える、ユニークなデザインです。

T 首周りが開いているから、ボリュームマフラーとの合わせを楽しめそう。たっぷりしたシルエットなので、厚手のニットを着た日にもピッタリです。

A 大きなボタンも可愛い〜! Tさん、ちょっと後ろを向いてみてください!

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A う〜ん、バックスタイルも抜群にエレガント。カジュアルな印象の強いフードつきなのに、すごくクラシックな印象ですね。このコート、ほしくなってきました!

T このコートは「Y's BANG ON!」のもの。基本的にワンサイズ展開のユニセックスで、ワイズの服づくりの根本にある要素を再構成し、実用的に表現しているラインです。

マッキントッシュとのコラボによるリバーシブルコート

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リバーシブルコート¥286,000・中に着たタートルネックベスト(10月7日発売予定)¥46,200・パンツ¥57,200・ブーツ¥81,400/ワイズ プレスルーム(ワイズ)

T コートが連続しますが、こちらも気になります!

A マッキントッシュとのコラボレーションで生まれたコート。マッキントッシュの最新素材であるレインテック クラシックを使用しているそう。高機能素材なので、この素材のコートには付いていない止水テープをあえて用いて、しかもリバーシブルにすることで止水テープの構造をデザインとして見せるという、実にワイズらしいアプローチで作られています。裏返すと真っ黒のコートになり、内側のホワイトがアクセントになります。

T 着てみると、着物のように少しだけ肩を後ろに抜いている感じになります。フードの立ち上がりが大きくて、顔まわりにアクセントをつけてくれますね。

A フードの長いロープも、アクセントとして効いています!

ノスタルジックなツイードジャケットは、ディテールに注目!

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ヘリンボーンジャケット(10月7日発売予定)¥115,500・タートルネックカットソー(10月7日発売予定)¥28,600・スカート¥66,000・シューズ¥66,000/ワイズ プレスルーム(ワイズ)

A こちらは、ヘリンボーンのツイード生地を使ったテーラードジャケットです。少しごわついた手触り霜降りグリーンの発色が、なんだかノスタルジックな気分になりますね。

T 一見、ベーシックなテーラードジャケットのようですが、右側のラペルが千切れたようなデザインになっていたり、左側だけがダブルになっていてジャケットの重ね着をしているように見えたりと、ディテールがものすごく面白い!

A 大きなポケットはアクセントになるし、実用的でもありますね。

カジュアルに着られる、ストライプ柄のタキシードシャツ

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ストライプシャツ¥57,200・8分丈パンツ¥59,400・ソックス¥1,980・シューズ¥66,000/ワイズ プレスルーム(ワイズ)

T これも、ひと目見て「ほしい!」と思ったアイテムです。ストライプ柄のタキシードシャツで、胸もとのピンタックが、レースやフリルではなく裁ち切りの布でできているんです。もともとタキシードシャツが大好きなのですが、どうしてもピシッと決まりすぎてしまいがち。でもこのシャツなら、カジュアルダウンして自分らしく着られそう

A よく見ると、カフスのデザインが左右で違うんですね。面白い〜!

T そこも私のイチオシポイントです! 今は8分丈のパンツを合わせていますが、膝丈のタイトなバイカーパンツと合わせても素敵なのでは。

アーカイブフォトコラージュのプリントTシャツ

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(左)コラージュプリント長袖Tシャツ(ワイズ表参道限定)¥22,000・(右)半袖Tシャツ(ワイズ表参道限定)¥19,800/ワイズ プレスルーム(ワイズ)

A こちらは、スカジャンやマッキントッシュのコラボレーションなどと並ぶ「Y's 1972」シリーズのひとつ。ワイズ創立50年を記念したコレクションで1990年代後半〜2000年代初頭のイメージビジュアルの中から、当時撮影したフォトグラファーのマックス・ヴァドクル氏が自ら選んだ写真をコラージュしてプリントしたものです。当時のビジュアルは今見ても新鮮ですね!

T すごくかっこいいフォトコラージュですね。左の白いTシャツにプリントされたのは、東京の写真でしょうか……?

A その通り! そして左の黒い長袖Tシャツの写真は、モロッコで撮影したものだそう。このプリントを用いたカプセルコレクションを11月に発表予定ですが、まずは白・黒の長袖&半袖Tシャツが先行発売に。当時からのファンの方はもちろん、新しいファンにとっても見逃せないアイテムですね!

50年前から今もずっと、闘う女性をエンパワメント

T 実は、ワイズの服を着たのは今日が初めてでした。ずっと憧れの存在だったので嬉しかったです! デザイン性の高いアイテムが多いイメージでしたが、着てみると意外にも、自分のスタイルにしっくりとなじむのにびっくり。ほしい服がたくさん見つかりました。

A 本当に! 私はコートやワンピースがほしくなりました。ポケットの位置や切り替えなど、おそらくミリ単位で練られたデザインだからこそ、1枚で着るだけでさまになる服が多いのも嬉しいです。

T 黒一色のイメージが強いですが、柄物やジャカード織りのアイテムもとても素敵でした。ワイズの服を着ると、なんだか気分が引き締まります!

A 山本氏は1972年のワイズ設立当時、自立した自由な女性のために服をつくろう、闘う女性を服でエンパワメントしたいという思いがあったとか。

T すごい! 時代を先取りした思想ですね。

A ワイズは今年で創立50年! 私が生まれる前から第一線を走り続けているわけですが、根底にあるブランドのコンセプトや思いは変わらず、かつ進化し続けているのが素晴らしい。こういうブランドが日本にあるというのはすごく誇らしいし、これからもずっと憧れの存在であり続けてほしいです。


ワイズ プレスルーム 
http://www.yohjiyamamoto.co.jp/ys/
03-5463-1540

エディターTAJIKA
今夏にSPUR.JP編集部にジョインしたばかりの新人エディター。現在はSNSを中心に担当。転職とともに初めての一人暮らしを始め、忙しい日々の合間に家具や家電を買い揃え中。

エディターAKIYAMA
SPUR.JPではファッション&カルチャーを担当。最近は里山暮らしを満喫しつつ、都内への遠距離通勤にちょっとお疲れ気味。移動中の充電スポットにもだいぶ詳しくなりました。

photograph : Naomi Ito text:Chiharu Itagaki

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