2016.01.17

#224 デニムを穿くまでの150日

初めて見たのは150、撮影したのは45、買ったのは35。

これは、とあるデニムを穿いた日から逆算した日数です。思い返すと展示会で見たのは、まだ暑くなる前の2015年5月下旬。プレスルームの片隅で見た瞬間から、「何やら可愛いデニムがある」、しかも「2015年秋冬にデビューのブランド」、「撮影で使えるかもしれない」と心のメモに書き込みました。その後、新しいブランドだけを特集するページを担当することになり、このブランドのことを雷に打たれたように思い出しました。撮影をしたのは9月上旬。再び目にしたデニムは、やはり輝きを失っていませんでした。どうしても欲しい。思いが募ります。それから10日後、旅先のパリで、撮影したものと同じデニムに出合いました。試着をしてみると、ウエストはぴったりだったものの、丈があまりにも長い。20cmはカットしなければなりません。しかし、ここで躊躇してはいけないと即、購入。帰国後、何度かお願いしたことのあるお直しの店に行ったのですが、「裾の処理が特殊なため出来ない」とつれない返事が。せっかく手に入ったのに……と、この時点で頭の中は真っ白です。ネットで検索したり、スタイリストさんに聞き込んだりした後に、「B’Reform Works Studio」へ。すると丁寧な採寸のうえ、「この処理なら大丈夫です」と心強い返事が。待つこと1週間。10月も終わりになって、待望のデニムをようやく穿けることになりました。

150日にわたって私を惑わせたデニムは「AALTO」。フィンランド出身のトーマス・メリコスキが手がけるブランドで、オープニングセレモニーやアンルートで取り扱いがあります。お直しを頼んだ「B’Reform Works Studio」は、ドゥーズィエム クラスやエディット フォー ルルでもおなじみのベイクルーズグループのリフォーム店。ユーズド加工が得意だそうで、細かな相談にものってくれます。たった1本のジーンズながら、半年近くあれこれと考えただけに、愛着もひとしお。服を買う時のドキドキを思い出させてくれたアイテムです。(エディターMORITA)

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エディターMORITA

物心がついた時からパンツ派。今、一番興味があるのは、どうやったら居心地のよい部屋で暮らせるのか。美容、アート担当です。