#222 いつもそばにWaterを

何時間でも水の流れを見ていられます。前世は水上の民だったのではなかろうかと思うほど、見ていると心が穏やかになるのです。せせらぎの音を聴くのも好きで、学生時代に友人を家に招いたとき、BGMとしてエンドレス・リピートでせせらぎの音を流していたため、ぎょっとされたことも。そして水上の都市、ヴェネチアには永遠に恋焦がれています。一度旅行で訪れたときには、ゴンドラに揺られながらわたしは生まれ変わる前、ここで生きていたに違いないと妄想を膨らませたものです。ということで、常に水を見つめていたいのですが、職場のPCの前に川を設えるわけにもいかないので、日常でさわやかにWaterを感じられる、(ペットボトルの水ではなく)、アイテムを紹介します。

ひとつは、SIRI SIRIのシングル・ピアス。伝統的な職人技術とモダンなデザインを融合して生み出されるジュエリーが魅力のブランドです。ゆったりと静かな時間が流れる神宮前のブティック、OCAILLEにて購入しました。6本の細いガラスが、まるで水面のさざめきを抽象化したかのように、規則正しく並んでいます。そしてそのガラス同士が打ち合って、耳もとでシャラシャラと涼やかな音を奏でるのです。せせらぎとまではいかないけれど、ちょっとした動作でピアスが揺れたとき自分にだけ聞こえる音が、ささやかなたのしみになっています。

もうひとつはパリのブランド「パルファン・オノレ・デ・プレ」の「ニュ グリーン」というオードトワレ。100%天然香料を使用しています。深い森のなかをひっそりと流れる小川にて、岩肌を滴り落ちる純度の高いつめたい水。木漏れ日を宿してきらりと光るしずく。ふっとひと吹きして思い浮かぶのは、そんな光景です。体を芯から浄化してくれる、みずみずしい香り。頭の中がもやもやして重苦しいときにこのフレグランスをまとうと、鎧を脱いで水浴びをしたようなフレッシュな感覚になる。忙しい毎日のリセット・フレグランスとなっています。そんなふうに日常で水を感じられるアイテムを、これからも少しずつ探していきたいなあと思います。(エディターITAGAKI)

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エディターITAGAKI

ファッション、ビューティ担当。音楽担当になったので耳を鍛えてます。好きなものは、色石、茄子、牧歌的な風景。

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