モダンな美をつなぐもの

2月最初の土曜日、北の丸公園の国立近代美術館工芸館に出掛けてきました。

お目当ては大好きなルーシー・リー。工芸館所蔵の1978年作の青釉鉢、その蒼いグラデーションはずっと眺めていても見飽きない色です。この鉢を目の前にすると、いつも海を見ているような気持ちになります。

その向いに展示されていたのが、吉岡堅二「椅子による女」(1931)だったのですが、おそらくピンカールのタイトな髪型のモガが着るドレスの色は、ルーシーの鉢の色と少し似た青色で、なんだか嬉しくなってしまいました。国境と時間軸を超えて繋がる美意識の糸を見るようなエキシビションです。ミナ ペルホネンのテキスタイルと工芸作品とが並陳された展示室も見ものです。たとえば小花柄の「スカイフル」、レペットとのコラボレーションでサンドリオンにあしらわれたあの花柄の前に陳列されていたのが、小花が躍る蒔絵の水差。ほかにミナの鳥柄のファブリック「ホームサークル」と可愛らしい鶉の金具が一緒に展示されていたりと、デザインのバトンが受け渡されている様子を目撃する喜びが、この作品展では味わえます。

明日、日曜日は無料観覧日。ぜひ出掛けてみてください。

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エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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