香水と一緒に世界旅行に出かけてみませんか?

気づくと「どこか旅行に行きたいな~、一泊でもいいから」と呟いています。健康に日々を送れるのが第一なので、それだけで幸せなことではあるのですが、ギラつくような日差しを見ていると、つい遠くに出かけたくなってしまいますよね。そんな気持ちを少しでもなだめるべく、昨日発売のSPUR10月号では「嗅覚で旅をする」という特集を掲載しています。

きっかけは、7月号で「美のプロの香りのある暮らし」というテーマを担当したことでした。その中で取材をした方に、「形も色もないぶん、イマジネーションに直接働きかけられるのは香りならでは」「香水は、季節や気分に合わせて、花畑、果樹園、森林、ときには南国リゾートにだって瞬時に連れて行ってくれるんです」と言われ、ハッとさせられました。確かに、香水であれば自宅に居ながらにして、気軽に、そして瞬時に、世界各地のムードを味わうことができます。ずっと自宅にいると気持ちも切り替わらないし、なんだか煮詰まってくるな、と悩んでいたときにこの取材をして、「この手があったか!」と目の前が開けたような気持ちになったことを覚えています。

そうして、この10月号の特集にとりかかったのですが、もう一つこのテーマで叶えたいと思っていたことがありました。それは作家の千早茜さんにエッセイを書いていただくこと。千早さんは今春、天才調香師が登場するミステリアスな小説『透明な夜の香り』(集英社)を上梓されたのですが、登場する香水すべてが、どのような香りか仔細に伝わってくるんです。いつも香水を文章で表現するのは難しいなと感じていたので、まさに行間から匂い立つように香りの一粒一粒が伝わってきて、思わずうなってしまいました。こちらのオファーにお応えいただき、本特集には香水と旅をテーマにした千早茜さんの書き下ろしエッセイが掲載されているので、ぜひお楽しみに。思わず旅に出かけたい気持ちが後押しされてしまうのが難点(笑)なのですが、とても素敵なエッセイです。

ちなみに、私自身が旅情を慰めるために嗅いでいるのは、ペンハリガンのブルーベルの香り。初めてイギリスに行ったときに、英国らしい思い出を買い求めたいと選んだものでした。まだ海外旅行に慣れていないこともあって、どきどきしながら買い物をしたことや冬だったのであまりの寒さに驚いたことなど、懐かしい思い出とともにさわやかな香りが漂います。自由に出かけられない今こそ、香水による世界旅行がおすすめです。

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エディターMORITA

物心がついた時からパンツ派。今、一番興味があるのは、どうやったら居心地のよい部屋で暮らせるのか。美容、アート担当です。

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