2026.05.27

【ジャーナリングの始め方】大屋夏南さん&RYOTAさんの実践法と精神科医が解説する効果と注意点

モヤモヤする気持ちと向き合うためのセルフケアの一つ「ジャーナリング」。頭に思い浮かんだことをノートに書き出して思考を整理するため、「書く瞑想」とも呼ばれている。連休も終わり心身のバランスを崩しやすい今、五月病特有の無気力感や焦燥感と向き合うツールとしても役立ちそうだ。

そこでジャーナリングがもたらす良いことや、注意すべきことについて、精神科医の星野概念さんに教わった。また、ジャーナリングを生活に取り入れているモデルの大屋夏南さんとRYOTAさんに、始めたきっかけや具体的な方法、その魅力を聞いた。

モヤモヤする気持ちと向き合うためのセルフケアの一つ「ジャーナリング」。頭に思い浮かんだことをノートに書き出して思考を整理するため、「書く瞑想」とも呼ばれている。連休も終わり心身のバランスを崩しやすい今、五月病特有の無気力感や焦燥感と向き合うツールとしても役立ちそうだ。

そこでジャーナリングがもたらす良いことや、注意すべきことについて、精神科医の星野概念さんに教わった。また、ジャーナリングを生活に取り入れているモデルの大屋夏南さんとRYOTAさんに、始めたきっかけや具体的な方法、その魅力を聞いた。

INDEX

頭の中を外在化し、不安感や息詰まり感を “形”にすることで一歩進める

まずは星野さんに、ジャーナリングなどで気持ちを外在化することで得られる良いことや、気をつけるべきところを教わった。

星野概念プロフィール画像
精神科医など星野概念

精神科医として働くかたわら、執筆や音楽活動も行う。いくつかの場所での連載や寄稿のほか、『こころをそのまま感じられたら』(講談社/2023)などの著作もあり。音楽活動はさまざま。対話や養生、人がのびのびとできることについて考えている。

──ジャーナリングなど、気持ちを言葉にすることは、なぜ良いとされるのでしょうか?

頭に思い浮かんでいることを言葉として外在化させることは、モヤモヤした気持ちと向き合う方法としてとても良いと思います。ぐるぐる考えてしまうときって、なかなかその実体を捉えきれないですよね。けれど書いたり喋ったりすることで、不安感や息詰まり感を “形”にできる。そうして頭の隅っこにポンっと置き直せると、一歩進みやすくなる気がします。

──ジャーナリングをするうえで、気をつけたいことはありますか?

書くことが向いている人もいれば、ハードルを高く感じる人もいます。自分の向き・不向きに合わせた方法で、思考を外在化することが大事かなと思います。書くのが苦手な方におすすめしているのは、スマホのボイスメモに気持ちを話して、録音すること。相手がいなくても気軽に話せるツールで、用意するものも少ないので便利です。

ただ、過去に傷ついたことに触れると、当時のつらさなどがフラッシュバックして苦しくなることも。自分を守るためにも、なるべく“今”の話を書くことをおすすめします。けれど追い詰められていると、どんな方法もうまくいかないことがあります。そんなときは自分の状況を認めつつ、張り詰めた糸を緩めることを諦めないでほしいです。たとえば、「休む」というスケジュールだけでも、予定に入れ続けてください。

【ジャーナリング経験談】RYOTAさんと大屋夏南さんに聞く、その魅力

実際にジャーナリングを取り入れている人は、どんなことを書いているのか? 始めたきっかけや、ジャーナリングによって変化したと感じることなど、愛用の文房具とともに体験談を聞いた。

1. RYOTAさんの場合/ジャーナリング歴5ヶ月目

RYOTAプロフィール画像
モデルRYOTA

島根県出身。日韓で活躍するファッションモデル。リアリティー番組への出演をきっかけにSNSでの発信も注目を集める。2026年よりヨーロッパでの活動も開始し、グローバルに躍進中。

RYOTAさんのInstagramサブアカウントはこちら

自分という海に潜って、中にあるものを全部出す

【ジャーナリングの始め方】大屋夏南さん&の画像_1

僕がジャーナリングをはじめたのは、去年の年末から。頭の中で物事を深く考えるタイプなのですが、モデルの仕事は内面を発信する場所がないので、ときに自分の感情を見失ってしまいそうになります。なので、日々感じたことを伝える場所としてInstagramのサブアカウントを作ったことで、書く習慣がつきました。

はじめは感じたことを携帯にメモしていたのですが、携帯だと見返しづらいのでノートに書き留めるように。ジャーナリングは、自分という海に潜ってその中にあるものを全部出すイメージ。Instagramはそこから誰かに届けたい言葉を見つけて、綺麗に整えて差し出すようなイメージで使い分けています。

良いことも悪いことも、頭の中で考えていることを全部書き出す

【ジャーナリングの始め方】大屋夏南さん&の画像_2

もともと喋るよりも書く方が得意。性格的にも、悩んだり人の言葉を受け取りやすかったりするので、ジャーナリングは自分に合っていました。今はほぼ毎日、5分から長くても15分くらいで書いています。書くタイミングは日によって違い、散歩中に書くことも。ノートは、表紙の色が自分のラッキーカラーで気分が上がるのと、デコりやすそうだったので「Rollbahn」を選びました。日付や枠がないので、日によって文章量はバラバラ。はじめの頃はあまり書けなかったのですが、だんだんと慣れて書く量も増えました。

とりあえず、頭の中で考えていることを全部書き出す。その日に感じたこと、よくも悪くも引っかかった言葉、インターネットから見つけた発言……。誰かに見せるものではないので、ネガティブな感情も人には言えない悪口も(笑)、嘘偽りなく全部書きます。嬉しかったことだけじゃなくて、不安なことや悔しかったこと、自分の中にある全部の感情をそのまま書けるのがいいなと思います。

大切にしているのは、メンタルをいい方向に切り替える「まとめ」の言葉

【ジャーナリングの始め方】大屋夏南さん&の画像_3

一つだけ決めていることが、その日に書いた文章を読み返して、最後に「まとめ」の1行を書くこと。ジャーナリングをしていると内省的になり、自己批判で終わってしまうこともあります。でも、自分で自分にナイフを立てることはしたくない。なので、メンタルをいい方向に切り替えるために、短いまとめの文章で終えるようにしています。

たとえば、SNSで誰かが叩かれている投稿を見て苦しかった日は、まとめで「どうか自分を鏡で見てほしい。そこに映っているのはとんでもない魔物だったりする」と、大好きな村田沙耶香さんの小説『コンビニ人間』を思い出しながら、自分なりに感じたことを添えました。自分が普通だと思う価値観が一番怖いと思うので、自戒も込めて。

あとは、平野紗季子さんのYouTubeを見た感想から、「ポン・デ・リングを食べたい」みたいなライトなまとめの日もあります(笑)。まとめがあると一日が区切られて、いい明日に向かって気持ちを切り替えられる気がするんです。

【ジャーナリングの始め方】大屋夏南さん&の画像_4

ジャーナリングをするようになって良かったのは、感情に振り回されにくくなったこと。ネガティブに考えてしまっていたことも、書き出してみると、意外と不安の奥に成長したい気持ちが隠れていたりする。そこで、感情を見つめ直すことができて、すごく良いアクションだなと感じています。

2. 大屋夏南さんの場合/ジャーナリング歴10年以上

大屋夏南プロフィール画像
モデル大屋夏南

1987年生まれのブラジル出身。17 歳でモデルデビュー、数々の人気雑誌やファッションイベントに出演。また、私服や美容など彼女のライフスタイルがいち早くチェックできるインスタグラム、YouTube などのソーシャルメディアはもちろん、Podcast「safe space」を立ち上げるなど幅広く活躍中。

大屋さんのポッドキャストはこちら

ジャーナリングは自分の内側に意識を向けて、対話できる時間

【ジャーナリングの始め方】大屋夏南さん&の画像_5

海外のメディアをチェックしていたときに見つけたジャーナリングは、書き始めて10年以上。当時、SNSから情報を浴びて、自分と対話する時間がすごく減っているなと感じていました。一方でジャーナリングは、自分の興味や関心ごと、内側で広がっていくものに意識を向けられるのが、すごくいいなと思っています。もともと本を読むことが好きだったので、本を読みながら登場人物と共鳴したり、空想にふけたり、そういった過ごし方と似ている気がします。

毎日は書いていなくて、年末年始や誕生日、大きなプロジェクトが始まる前後など、節目に書くことが多いです。あとは、自分を大事にできていないと感じたときに、セルフケアの一環としてモヤモヤを書き出すことも。頭の中だけで考えていると混乱してしまうので、言葉で整理することでやるべきことがクリアになっていく感覚があります。

ノート=誰にも批判されることなく受け止めてくれる逃げ場

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「なにを書いたらいいですか?」とよく聞かれるんですが、なんでも書いていいと私は思っています。怒りも寂しさも、考えていることを全部外に出しています。ジャーナリングノートは、パートナーにも友だちにも話せない自分の中の感情を、誰にも批判されることなく受け止めてくれる“逃げ場”のようなツール。自分の中から湧き出てくる感情をジャッジすると書くのが辛くなるので、溢れるがままに書いています。

私にとってジャーナリングは、自分とのセッションの時間。ある出来事に落ち込んでいるのなら、そのことをどう考えているのか、どうしたいのか、どんな違和感を感じているのか、自分をどんどん掘り下げていく。「自分にとっての幸せの定義とはなにか」みたいな概念的なことをズームアウトして見つめる手段としても活用しています。書くことが見つからない場合は、ChatGPTに相談をしてテーマを考えてもらってもいいですよね。

仕事とプライベート、2冊のジャーナリングノートを使い分け始めた

【ジャーナリングの始め方】大屋夏南さん&の画像_7

図を書くので、罫線があるハードカバーがマイ定番。今は2冊のノートを使っています。1冊がプライベート用で、ライフプランや休日にやりたいことなど自分の軸となることを書くもの。もう1冊は仕事用で、目標やタスクを書いています。

仕事とプライベートを一緒に書いている時期もあったのですが、忙しくなると仕事の話ばかりになってしまって。プライベートの優先順位が下がっていく感じがあったんです。

おそらく仕事は目標を立てやすいので、筆が進む。でも、60歳になったらどういう暮らしがしたいのか、パートナーとのリレーションシップはどう在りたいのかといった、まだ見えない将来を開拓することも大事。仕事が好きだけれど、プライベートにもっと時間を割きたいと思っている人にも、2冊使いはおすすめです。

【ジャーナリングの始め方】大屋夏南さん&の画像_8

書くと、方向性がクリアになるので「叶っていく」感覚があります。自分の気持ちを確認する、“心の健康診断”的な役割もあるかも。あとは、気づいていなかった気持ちを確かめることができる。夫と出会い、パートナーになるまでの過程で、ジャーナリングによって気づけたこともあります。

迷っていることがある友人には、ジャーナリングそのものは提案しないにしても、「一度書き出してみたら?」とアウトプットを勧めることがあります。
もう10年以上続けていますが、やはりジャーナリングは自分にとって欠かせない、大切なセルフケアだなと思います。