【榮倉奈々さん】【二階堂ふみさん】etc.ファッションラバーが愛用するタイムレスな定番アイテムを一挙公開【2024年人気記事プレイバック・あの人のお気に入り編】

SPUR.JPの15周年を記念してスタートした連載「あの人のお気に入り」。 ここでは、第一弾の榮倉奈々さんから最終回の野宮真貴さんまで、一挙にご紹介。さまざまなフィールドで活躍する、ファッションラバーのエッセンシャルアイテムは、どれもこだわりたっぷりで魅力的。この機会にぜひチェックして!

SPUR.JPの15周年を記念してスタートした連載「あの人のお気に入り」。 ここでは、第一弾の榮倉奈々さんから最終回の野宮真貴さんまで、一挙にご紹介。さまざまなフィールドで活躍する、ファッションラバーのエッセンシャルアイテムは、どれもこだわりたっぷりで魅力的。この機会にぜひチェックして!

【vol.1榮倉奈々さん】環境に負荷をかけないよう、長く使えるアイテムを厳選

榮倉奈々
ローファー、コート、スウェットトップス、スウェットパンツ、ソックス/本人私物、スカーフ¥20,900/ラストフレーム(TAKA)03-6670-8089

「10年単位で使っているものがワードローブの定番」と語ってくれた榮倉奈々さん。そんな彼女のお気に入りの逸品とは?

「レディライクよりハンサム。デザイン性もありながら、実用的なものに惹かれます」という、俳優の榮倉奈々さん。出合った瞬間、これだと感じたものを長く愛用することが多く、10年単位で使っているものがほとんどなのだとか。今回紹介してくれたのは、ワードローブの定番と、そこに新たに仲間入りしたものたち。そこには、2023年に、スタイリストの上杉美雪さんとデザイナーの福屋千春さんとともに立ち上げたブランド、ニューナウ(newnow)のアイテムも。

「ニューナウを始めたのは、大好きなファッションが環境に負荷をかけていることに、自分なりに折り合いをつけるため。子どもたちに、ものの選び方や、ひとつの服をケアしながら長く大切に着ることをちゃんと伝えたいと思ったのも理由のひとつです」。現在は、自然環境に配慮した受注生産制のシーズンコレクションをメインに展開(スウェットなどの一部アイテムはECにて通年販売)。「実際にブランドを経営してみると、やっぱり簡単なことではなくて。ものづくりをする人に、さらに尊敬の念を抱くようになりました。でも、服が大好きだから楽しいんです」。そんな彼女が選ぶアイテムには、さまざまな角度からのファッション愛が込められていた。

【vol.2鈴木えみさん】楽しみながら新しいスタイルを開拓中!

鈴木えみさん
リング・イヤーカフ/本人私物、シャツ¥250,000/エドストローム オフィス(クレージュ)03-6427-5901

人気モデルであり、「Lautashi Design(ラウタシーデザイン)」のディレクターを務める鈴木えみさん。最近、変化があった彼女のファッションポリシーや8年目を迎えた服作りについて教えてもらった。

「最近、服選びに変化があったんです」という鈴木えみさん。以前は、色は黒だけ、素材は布帛というこだわりがあったけれど、苦手だったカジュアルなアイテムを取り入れたり、ネイビーやブラウンにも惹かれたり。「好きなサイズ感やバランスは変わらないけれど、心境の変化なのか、これまで選ばなかったアイテムも気になるようになりました。幅が広がるのはうれしいことなので、どんどん新しいスタイルを開拓していきたいですね」。

自身が手がけるブランド、ラウタシーデザインは今年で8年目。「コレクションがひとつ終わると、次のアイデアが湧いてきて。それを形にしているうちに8年になりました」。アウトプットを続けるにはインプットも必要。今はそれが家族旅行だそう。「冬に家族で北海道旅行をしたんですが、よく娘と女2人旅をするんです。サイコロを振って旅先を決めるという、ゲーム感覚の気ままな旅なのですが、だいたい知らない街になるからすごく新鮮で。昨年は日本海沿いの京丹後市に行って、次は三重。夏には海外も予定しています」。今回紹介してくれた10のアイテムにも、そんな彼女のライフスタイルが反映されていた。

【vol.3秋川リサさん】40年以上愛用する名品が勢揃い

秋川リサ
コート・ピアス・リング/本人私物、中に着たTシャツ¥1,353/キャブ(ユナイテッドアスレ) https://united-athle.jp、デニム¥7,150/原宿シカゴ 03-5414-5107、靴/スタイリスト私物

日本のトップモデル・俳優として、“本物”を知る秋川リサさんが愛する定番アイテムとは?

俳優の秋川リサさんは、15歳でモデルデビュー。雑誌『服装』や『anan』、資生堂の専属モデルとして活躍しながら、同時に映画やドラマなどで俳優としてのキャリアを重ねてきた。「仕事を始めたのは1967年。世界のファッションがオートクチュールからプレタポルテへと移り変わり、日本でも、洋服は仕立てるものから百貨店で買うものに変わり始めたとき。『anan』の創刊やミニスカートブーム、パリで高田賢三さんのKENZOが注目されたことなどで、おしゃれへの意識が少しずつ変わり始めた時期でした」。

その頃は、連日撮影のハードスケジュールで、普段はTシャツとジーンズ、冬はファーコートというシンプルなスタイルだったそう。「撮影でヨーロッパに長期滞在したり、KENZOのパリコレに参加したり。エルメスなど海外ブランドの日本のショーにも出演して、そこでカール・ラガーフェルドさんやオスカー・デ・ラ・レンタさんにもお会いしました」。“本物”に触れ磨かれた感性は、ビーズ刺しゅう作家としての活動や、着物のリメイク、料理などの手仕事に生きている。「最近ではアフリカンファブリックで着物を作ったり、ポッドキャストも始めたんですよ」。そんな輝き続ける秋川さんに寄り添ってきた10のアイテムには、たくさんの物語が詰まっていた。

 

【vol.4石橋静河さん】作り手の誇りが見えるアイテムが、自分の心を喜ばせ、自信をくれる

石橋静河
ドレス/本人私物、ネックレス¥78,100・靴¥173,800/マルジェラ ジャパン クライアントサービス(メゾン マルジェラ)0120-934-779

ドラマ、映画、舞台など数々の分野で活躍する俳優の石橋静河さん。ファッションについてもまっすぐな哲学を貫く彼女の定番名品を紹介。

「心地よく、なおかつ自分に自信が持てる服というものがだんだんわかってきたような気がします」と語る俳優・石橋静河さんは、まもなく30歳。「20代前半は悩み多き時期だったかな。自分がどう見られるかをすごく気にしていました。目立つのが嫌で、地味な服ばかり着ていた記憶があります」と振り返る。世間の目を振り切ることができたのは、意外にもコロナ禍がきっかけだったという。「世の中がこんなに大変なのだから、明るい色の服を身につけて、せめて自分の気持ちを上げないと。そう思ってから、自分が心からうれしいと感じるものを身にまとうようになりました」。

好きなものに対して素直に、自由な着こなしを楽しむ。そのことがなによりも自分に自信をくれることに気づいた。 表現者として、ものを生み出す現場に身を置いてきたからこそ「この一着を作るために、どれだけの労力がかかったのだろう」と想像できるようになったと石橋さんは言う。「だから、作る人たちの誇りが見えるものが好きです。クラフツマンシップが息づくファッションアイテムは、長く着られて肌に馴染むように思います」。今回、紹介してくれた10のアイテムは、そんな石橋さんの現在地を示すもの。風通しのいい場所に立ち、自分自身の輪郭をしっかりと描き出すような、意思あるスタイルが表れている。

【vol.5佐藤栞里さん】おしゃれを楽しみながら、新しいスタイルにも挑戦!

佐藤栞里
バッグ、ジャケット/本人私物、スカート¥140,800/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ)0120-45-1993

モデルやタレントとして、雑誌からテレビまで幅広く活躍する佐藤栞里さん。そんな彼女の“今”を象徴する10のアイテムがラインナップ。

SPURの連載「佐藤栞里のスマイルモード」で、ハッピーなスタイリングを届けてくれる佐藤栞里さん。普段は、白いTシャツにデニム、足もとはサンダルやスニーカーというアクティブなスタイルが大好きだけれど、それが最近、少しずつ変化してきたそう。「年齢を重ねていろんな経験をしていく中で、これまでのようにカジュアルなスタイルだけじゃなくて、もっといろんなスタイルに挑戦したいと感じています。上質な素材のアイテムを選んだり、時計や小物でモードな雰囲気をプラスできたら、大好きなカジュアルスタイルもずっと楽しめるはず。それにSPURの連載で、毎回、新しい服に出合っていることで、少しずつ選ぶ幅も広がってきました」。

今回紹介する逸品は、最近の栞里さんの定番アイテム。「どれも普段使いできて、ちょっと上質なものを選びました。実は、背伸びしたものも(笑)。買い物は、いつもひとりでお店に入って、どんどん試着するタイプです。ブランドの店舗に緊張しながら入ったり、ショップスタッフさんのアドバイスで新しい服に挑戦してみたり。そんな思い出が、洋服に加わることも楽しくて。おしゃれを楽しみながら、新しいスタイルに挑戦し続ける、彼女の“今”が込められた10のアイテムをお届け!

【vol.6夏帆さん】自然に癒されて、作り手の想いを知る

夏帆
シャツ、ピアス/本人私物、カーディガン¥79,200/サカス ピーアール(セファ)03-6447-2762、ベルト¥31,900/ジョン メイソン スミス ジェーン スミス ストア(ジョン メイソン スミス/ジェーン スミス)03-5738-7721 、パンツ/スタイリスト私物

映画やドラマ、舞台で活躍する俳優の夏帆さんが登場。気分によって服のテイストが変わるという彼女が目下、夢中になっているアイテムとは?

その時々で好きな服のテイストが変わるという俳優の夏帆さん。最近は、素材やデザインに自然を感じられるものがブーム。「オフで北海道にしばらく滞在していました。気が付かないうちに疲れが溜まっていたのか、北海道の自然に心が浄化されて、とても癒されました。その影響で、自然の景色になじむ服が今の気分です」。東京出身の夏帆さんは、都会で過ごした時間が多く、これほどまでに自然に惹かれることはなかった。「山登りもしたいしキャンプもしたい。マインドが自然に向かっています」。

そして、もうひとつのブームは、作り手の温もりが感じられるクラフト的な要素。「これまでは出番が少なくなると服を手放すこともあったのですが、デザイナーや作家さんに会って背景を伺うと、ずっと大切にしたいという気持ちが強まりました。だから今回、距離の近い国内のデザイナーのものが多くなったのかもしれません」。そんな彼女が変わらずに愛し続ける定番と、ブーム真っ最中だというアイテムを紹介してくれた。

【vol.7板垣李光人さん】ファッションへの愛とクリエイターへのリスペクトが詰まった“基本装備品”

板垣李光人
フーディ/本人私物、ブーツ¥163,900/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ)03-6215-6116、キャップ、ベルト、ウォレットチェーン、ソックス/スタイリスト私物

モードラバーとしても名高い俳優の板垣李光人さん。映画、ドラマ、CMなどでの活躍のみならず、アーティストとしても才能を開花させる板垣さんの心を刺激するファッションアイテムをピックアップ。

「今回紹介するバッグや時計、ボトムスなどは、いわば自分の“基本装備品”」と語る俳優の板垣李光人さん。どれも試着を重ねて厳選し、リアルに着こなしに取り入れているものばかり。今年は2024-'25年秋冬パリファッションウィークにも足を運び、直にメゾンのクリエイションを体感。「コレクションで発表されたアイテムには、デザイナーの意志と気持ちが詰まっていると思います。見ただけで『いいな』と感じるのはもちろんなのですが、実際に身につけて初めて、自分になじむものかどうかを大切に見極めたいですね」。

出演作が続々公開され、俳優として充実の活動を続けるなか、板垣さんは新たにアートの分野でも挑戦を始める。「9月27日から初めての個展『愛と渇きと。』を開催します。今回はデジタルの絵をリアルなキャンバスにプリントして、油彩を施した作品などを製作しています。実際に自分で、もの作りをしてみると、ファッションデザイナーが毎シーズンコレクションを発表しているのは本当にすごいですね。よりいっそう尊敬の念が深まりました」と、表現者としての表情をのぞかせた。そんな板垣さんの私服コレクションには、ファッションへの深い愛と、クリエイターへのリスペクトが詰まっていた。

【vol.8森七菜】まとう度に心がときめく、とっておきの相棒たち

森七菜
リング/本人私物、ニット¥217,800/ジルサンダージャパン(ジル サンダー)0120-919-256

ドラマや映画で感性豊かな演技を披露する森七菜さんの趣味は、とっておきの洋服に出合うこと。たくさんの“好き”が詰まったお気に入りのワードローブを披露してくれた。

森七菜さんが紹介する10のアイテムは、才気あふれる若手デザイナーや職人気質のブランド、ラグジュアリーな名品からヴィンテージまで、感度が高く幅広いバリエーション。「好きなブランドがいつも決まっているわけではなく、常にアンテナを張り巡らせて、心がときめくアイテムを探しています。『今しかない!』という出合いには行動力が湧いてくるんです。他のことに関しては億劫に感じてしまうのに、ファッションだけは特別です」と語る。

ファッションを通じた出合いの体験が好きで、そこに大きな価値を感じるそう。「デザイナーやショップで働く方にお話を聞くのも好きです。素敵な洋服を扱う人って、心地よい時間を用意してくれるんです。その中で服のバックグラウンドを聞くと『ああ、そうなんだ、うちに来ちゃう?』と、連れて帰って大切に着たくなる。服を愛し、服が趣味になることで、人見知りや引っ込み思案な自分が変わってきたように感じていて、ファッションに感謝しています」。「10のアイテムに共通するのは、直感で『私のものだ!』と感じられるところ。決断はわずか3秒、けれど森さんにとって自分らしさを表現するのに欠かせない。それぞれに、まるで短編映画のような出合いのエピソードが詰まっている。

【vol.9伊藤万理華さん】ファッションが与えてくれるインスピレーションを大切に

伊藤万理華
バッグ/本人私物、トップス¥52,800・グローブ¥30,800/クリフ(フミカ_ウチダ)03-5844-6152、スカート¥91,000(参考価格)/パウラ カノヴァス デル ヴァス press@paulacanovasdelvas.com

展覧会のキュレーションやクリエイターとのコラボレーションも精力的に行っている、俳優の伊藤万理華さん。ヴィンテージに自分なりのアレンジを加えて着こなす彼女の偏愛アイテムをお届け!

乃木坂46を卒業後、印象に残る独自の存在感で注目されている俳優・伊藤万理華さん。今回、紹介してくれたのは、そんな彼女ならではの視点を感じる10のアイテム。「思い入れがあるものや、これからもずっと使っていきたいアイテムを選びました。ファッションは気分を変えてくれる大切なもの。いつもひとつはお気に入りを身につけていたいと思っています」。

ファッションの仕事をする母から譲り受けたものや、母を通して知ったブランドもあるけれど、古着店で出合った服に、自分なりに手を加えて着ることも。「手を動かすことが好きです。特にクリエイターの友人たちとおしゃべりをしながら、ビーズアクセサリーを作ったり、服をリメイクしたりする作業が大切な時間です」。これまで3回開催した展覧会ではキュレーションを担当。「展覧会をきっかけにクリエイターや作品と出会って、そこから新しい何かが生まれたら本当に幸せ。そのために仕事を頑張ろうと思えるくらい、私の生きがいです」。作り手に思いを馳せることはファッションも一緒。「デザイナーに共感した服を買い集めてしまうコレクター気質なところがあって。唯一無二のものを眺めるだけでワクワクします」。10のアイテムには、彼女のものづくりに対する思いが表れていた。

【vol.10二階堂ふみさん】循環するファッションが、心地よさと装う喜びをくれる

二階堂ふみ
ランジェリー、トップス、デニム、ピアス/本人私物

演技者として表現の幅を広げる俳優の二階堂ふみさんに、エッセンシャルなファッションについて聞いた。

「この数年の間で、いろいろなものを着る楽しさから、自分のなかで納得のゆく心地よさを厳選するようになりました」。そう言って、二階堂さんが紹介してくれたファッションアイテムは、それぞれに奥深いストーリーを秘めている。「もの作りの生産背景や、作り手のインディペンデントな姿勢に惹かれて買うアイテムは、なんだかいつ着ても気持ちがよく、自分に無理がない。そういうものがワードローブに増えていきました」。

動物福祉や環境への配慮にも関心を持つ彼女は「日々自分のなかで考えをアップデートしていきたい」と語る。「アニマルライツやアニマルウェルフェア、環境負荷についての許容も、私自身は0か100かと決断することが正義だとは思っていなくて。その時の最善を選択することが大切だと思っています」。また、二階堂さんは、自身のワードローブについても、過去から未来へと循環させていくことを常に考え続けている。「動物性素材の使用や大量生産への罪悪感が大きくなりすぎて、服を着ることを楽しめなくなってしまった時期もあります。けれど、ファッションがくれる美しい経験やアクティブな感情も私は忘れたくない」。幼い頃からずっと好きなものや、思い出が詰まったアイテムを自分らしく、楽しんで着こなす二階堂さん。心が喜ぶファッションは、時を超えて彼女とともに生き続ける。

【vol.11木南晴夏さん】アイキャッチなデザインが好き! チャレンジ精神が育んだ高感度なワードローブ

木南晴夏
シューズ/本人私物、トレンチコート¥393,800・ブラウス¥139,700・ショートパンツ¥90,200/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ)03-6215-6116、リング¥89,100/ホアキン・べラオ 03-6821-7772、ソックス/スタイリスト私物

話題作に多数出演し、コメディからシリアスまで、幅広いジャンルの役柄を演じ分ける俳優の木南晴夏さん。「ショッピングはすべて一目惚れから始まる」と語る、ファッショニスタの彼女が選んだ一軍ワードローブとは?

「シンプルよりも、一癖あるデザインが好き」と語る木南さん。厳選した10のアイテムは、マルニやロエベ、メゾン マルジェラなどのハイブランドから、コスチュームジュエリーブランドまで、遊び心とエッジのきいたアイキャッチなデザインが中心だ。16歳で上京し、サイラスやGDCに夢中になった頃から大のファッション好き。気になるアイテムを瞬時にキャッチするセンサーも鋭く、お気に入りとの出合いは、ほとんどが一目惚れからの衝動買いだそう。「これが好き!と勢いで買ったはいいけれど、いざ手にしてみるとコーディネートに悩むときも(笑)。そんなときは、いつもお世話になっているスタイリストさんに着こなし術をアドバイスしてもらいます」と、自然体でありつつ、新しいデザインやスタイルへのチャレンジ精神も旺盛だ。

最近のお気に入りショップは、大阪と名古屋に店舗を構える人気セレクトショップ「リトマス(LITMUS)」だそう。「ここ2〜3年よくリトマスで買い物をしています。オンラインショップがないので、Instagramの掲載アイテムを定期的にチェックして、自らDMで「在庫ありますか?」「サイズはどんな感じですか?」と、問い合わせています。直接メッセージを送るのは毎回勇気がいりますが(笑)、この店のおかげで、さらにおしゃれが好きになった気がしますね」。 多彩な才能と演技力で、新たな魅力を更新し続ける木南さん。そんなユニークな彼女の個性が反映された10のアイテムをご紹介。

【vol.12のんさん】遊び心と夢のあるアイテムが、感性を刺激する

のん
コート/本人私物、スリップドレス¥75,000/エッセンス(シモーネ ロシャ)https://www.ssense.com、花柄ボディスーツ¥41,800/クリフ(フミカ_ウチダ)03-5844-6152、パンツ¥50,600/TOGA 原宿店(トーガ プルラ)03-6419-8136

俳優、歌手、アーティストなど、多様なジャンルでクリエイティブな才能を発揮するのんさんが登場。彼女が愛する10のファッションアイテムについて語った。

俳優として、表現者として、さまざまなボーダーを超えて活躍するのんさん。愛用のミシンを使って洋服作りを行い、2022年にはアップサイクルブランド『OUI OU(ウィ・ユー)』を立ち上げるなど、ファッションも彼女の大切な創作活動のひとつ。そんなのんさんに、プライベートで身につける服や小物の共通点を聞くと、「ちぐはぐな魅力があるもの、違うものがぶつかり合いながら絶妙に成立している洋服に惹かれるかもしれません」という答えが返ってきた。確かに、彼女の私物にはどれも、ふわふわ、もこもこといったファッションへのピュアな憧れと、意志のあるメッセージや強さなどの反骨精神が絶妙にミックスされている。「そうですね、どのアイテムにも“遊び”が一貫してある気がします。そして、ちょっと夢が詰まっている。身につけると、子どもの頃の純粋な気持ちに立ち返れる気がします」。

最新の主演作映画『私にふさわしいホテル』では、ストーリーの中で“七変化”する衣装も見どころだ。「主人公が着こなす’80年代テイストのファッションが本当に可愛いんです! それぞれの衣装に身を包むと、集中力が高まって、役にすっと入っていける。改めて服の力は偉大だなと感じました」。ファッションとの結びつきを、表現者ならではの視点で語るのんさんだが、一方で、根っからの服好きらしいキュートな素顔ものぞかせる。「外出して『今日の服、似合っているな』と思うとテンションが上がって、なんだか意識も冴えてきます。逆に『失敗した……』って思うと家に帰りたくなっちゃう(笑)。そう考えてみると、今回紹介した10のアイテムは、身につけると集中力を高めてくれる、愛する味方たちでもあります」。

【vol.13ピース又吉直樹さん】もの作りをする人間として共感を覚える、適度な緊張感が生まれる服

ピース又吉直樹
ジャケット、パンツ/本人私物、ベスト ¥64,900/コウタグシケン info@kotagushiken.com、シャツ ¥44,000/オーバーリバー(マービンポンティアックシャツメーカーズ)info@overriver.com

芸人としてだけでなく、作家としても活躍する又吉直樹さんは、無類の服好きを公言している。そんな彼が語る、定番アイテムとは?

「服が語りかけてくるような、面白さや凄みを感じて買うことが多いです。好きなブランドはあるし好きなデザイナーもいるけれど、流行っているから、希少価値が高いからとか、そういう理由で欲しいと感じたことは一切ない」と又吉さん。YouTubeチャンネルでのショッピング企画、ファッションブランド『水流舎(つるしゃ)』の立ち上げなど、ファッションの分野に関わりながら、又吉さんが常に持ち続けているのは、服を作る人への感謝だという。「作られた瞬間の服には、どれも等しく思いや労力が詰まっている。瞬間の連続のなかで残るものがあり、流れ去るものがあり、それぞれに等しく価値がある」それはファッション、お笑い、小説、すべての表現に通じると又吉さん。

「何年も大事に着ている服もあれば、そのシーズンだけすごく着ていた服もある。どっちも大事かな、と思うんです。小説も同じで、時代を超えて読まれるものもあれば、その時代、その一瞬だけを捉えたものもある。時が経って平凡なテーマになってしまうこともあるけれど、生まれた瞬間の価値は無駄じゃない」。今回紹介してくれた5着は、亡き父から継いだスーツを再構築したジャケットから、今年、コント仕立てのショーに出演して話題となったコウタグシケンのニットまで、どれも出合いに込められたエピソードが印象的だ。作品を生み、表現をする人が見出した服の、唯一無二の物語に耳を傾けたい。

【vol.14内田理央さん】スーパーインドア派が家でも外でも幸せでいられる、“柔らかな鎧”としてのファッション

内田理央
ブーツ/本人私物、ワンショルダートップス¥41,800/ケイル https://www.kayle-tokyo.com、パンツ¥68,200/タケマル https://www.instagram.com/takemaru_official/、その他スタイリスト私物

映画やドラマを中心に個性豊かなキャラクターを演じ、ファッション誌のレギュラーモデルも務める内田理央さん。多面的な魅力に満ちた彼女の手放せない一品とは?

「今回紹介するアイテムに共通するのは、“まとうことで自分を気持ちよくしてくれる服”という点でしょうか」と、内田さん。20代の頃はトレンドを必死に追いかけていた時期もあったという。「スーパーインドア派で、家ではアニメのTシャツとメガネで、ゲームや漫画に囲まれています。若い頃はそれがバレるのが嫌で『みんなが欲しがっているものをとりあえず買う』ようなところがありました」。けれど、今は長く気に入って使うものが少しずつ増えてきたのだそう。「ベーシックなだけじゃなくて、ちょっと遊び心があるもの。見栄えだけじゃなくて、自分の中でポジティブになる要素があるもの。そういうアイテムがいつの間にか“自分らしさ”を形づくっていることに気づきました」。

俳優・モデルという仕事柄、家から仕事場へ移動して、私服を脱いで着替えて……ということが日常的に繰り返される。そこで、自分ならではの価値観が芽生えてきたという。「衣装で素敵な服を着せてもらうと、素材の心地よさや、着ている自分が美しく見えることを実感して。そこからプライベートでも、そういうハッピーな気持ちでいられる服を選びたいと思うようになりました」。内田さんにとってのファッションは、自分を守り、自信をくれる鎧のようなものかもしれない。しなやかな変化の途上にある、彼女のエッセンシャルアイテムを見ていこう。

【vol.15野宮真貴さん】音楽とファッションは切り離せない! 今は1980年代ニュー・ウェイヴで青春をリバイバル

野宮真貴

最終回となる第15弾を飾るのは、ミュージシャンの野宮真貴さん。変わらぬ魅力を放つ、“歌うファッションアイコン”が長く愛し、今もときめくアイテムを紹介してくれた。

「私のファッションは、ずっと音楽とともにあるんです」と野宮さんは語る。「ピチカート・ファイヴ」ではミニスカートやタイトなレザーなど、レトロモダンな彼女のスタイルが大きな注目を集めた。40年以上にわたるキャリアを通じて多彩なファションに身を包み、千変万化するおしゃれで人々を魅了し続けている。「10代の頃は、グラムロックミュージシャンのファッションに憧れて、海外アーティストの着こなしを真似していました。ピチカート時代はメンバーの小西康陽さんの影響もあって、60年代にインスパイアされたファッションをよく着ていましたね」。

80年代、野宮さんは現在の活動のルーツとなるジャンルに出合う。「私がデビューしたのは1981年、世界的にニュー・ウェイヴの全盛期でした。当時、ディスコに行くと面白いファッションをした人がたくさんいて、大きな影響を受けました。流行っているものを着るよりも、いかに人より目立つか。人と違った格好をして褒められるのが嬉しい、そういう時代でした」。2025年3月に行われるバースデー・ライブでは、「80年代のニュー・ウェイヴ」をテーマにした。「今、若い子たちが80年代のファッションを楽しんでいるのをよく見かけます。私が20代に着ていたときと変わってないですね。私自身もそう。当時のファッションを身にまとうと、あの時の自由な気持ちが蘇ってくる」。今回紹介してくれた10点は、彼女の中でリバイバルしている80年代を彷彿させるアイテムと、クラシカルな名品が織り交ぜられている。「こうして好きなものを選び出してみると、それぞれどこかに、音楽と歌にまつわる思い出があります」。時代を象徴しながら繰り返し脚光を浴びるモードと、時代を超えて愛されるスタンダード、野宮さんのファッションと音楽は、そのふたつが確かにリンクしている。