2026年5月22日(金)より、ユニクロとセシリー バンセンがタッグを組んだ新たなコレクション「ユニクロ アンド セシリー バンセン」がローンチ。コペンハーゲンで生まれたロマンティックな世界観と、日本を代表する“究極の普段着”はいかに共鳴し合ったのか。コラボレーションにおける狙いや製作過程の苦悩、アイテムに込めた思いについて、プロジェクトを率いたセシリー・バンセンに話を聞いた。

5月22日発売! 【ユニクロ アンド セシリー バンセン】はなぜ実現した? 製作秘話をデザイナーに単独インタビュー

2026年5月22日(金)より、ユニクロとセシリー バンセンがタッグを組んだ新たなコレクション「ユニクロ アンド セシリー バンセン」がローンチ。コペンハーゲンで生まれたロマンティックな世界観と、日本を代表する“究極の普段着”はいかに共鳴し合ったのか。コラボレーションにおける狙いや製作過程の苦悩、アイテムに込めた思いについて、プロジェクトを率いたセシリー・バンセンに話を聞いた。

INDEX

独自の世界観を育みながら、しなやかに進化を続けるセシリー バンセン

ユニクロ アンド セシリー バンセンのグラフィックTを着用したセシリー・バンセン

セシリー自ら本コラボのTシャツを着用。グラフィックT¥1,990/ユニクロ(ユニクロ アンド セシリー バンセン)※XS〜3XLサイズまで展開 その他本人私物

——2016年春夏シーズンのパリファッションウィークでコレクションを発表して以来、世界中のファッションラバーを魅了し続けています。その理由を、ご自身ではどのように捉えていますか?

2015年の創業当時はルーツである北欧的なミニマリズム、そしてクラフツマンシップを培ったロンドンならではのエッジィな感性が基盤にありました。そこにパリらしいクチュールの構築美が加わることで、新しいロマンティシズムへと辿り着いた。複雑な要素を掛け合わせたアウトプットが、多くの人に新鮮に映ったのではないでしょうか(セシリー・バンセン、以下同)。

——ブランド創業10周年を記念した昨年のインタビュー記事で、「デザインは必ず生地を選ぶことからスタートする」と語っていたのが印象的でした。素材やモチーフはどういったイメージで選ばれているのでしょうか?

繊細なディテールや仕上げも、ベースとなるテキスタイルといかに調和させるかを意識しています。そして、私が愛してやまない花のモチーフも、織りや刺しゅうなど、さまざまな技法を用いて取り入れてきました。ブランドのDNAを表現するうえで、これからも大切にしていきたいタイムレスなモチーフだと考えています。

ユニクロ アンド セシリー バンセンのグラフィックTを着用したセシリー・バンセン

——これまでにもジャンルの垣根を越えたコラボレーションが大きな注目を集めてきました。こうした協業には、どのような思いで向き合っていますか?

ブランドごとに卓越した創造性や表現、その根底にフィロソフィーがあり、後のクリエイションに大きな刺激を与えてくれます。だからこそ、たとえ忙しくても、自分のアイデアを提案したり、その一部になれたりすることに、毎回とてもワクワクするんです。

7年越しに実現したユニクロとのコラボレーション

ユニクロ アンド セシリー バンセンのレセプションにて、モデルが新作を着用したところ

(左)フリルTワンピース¥3,990(右)シャーリングワンピースノースリーブ¥5,990/ユニクロ(ユニクロ アンド セシリー バンセン)※ともにXS~XXLサイズまで展開

——ユニクロとのコラボレーションは、どのようにして実現したのでしょうか?

2019年、ユニクロのコペンハーゲン1号店の開店時に店舗へ足を運び、そこで勝田幸宏さん(同ブランドR&D統括責任者)と出会いました。交流を深める中で、今回のお話をいただいたんです。着る人のことを第一に考えるユニクロの“LifeWear”という価値観は、セシリー バンセンが大切にしている「日常のための服」という思想に通じるものがあります。構想から時間はかかりましたが、コレクションをお披露目することができて、とても感慨深いです。

——今回のコレクションでは、主にジャージー素材を使用していますが、どういった観点でセレクトしましたか?

快適な着心地をかなえるユニクロの素材に、どういったアプローチでセシリー バンセンらしさを出すか、というのがテーマでした。ジャージー素材は風合いが豊かで、ドレープの出方も美しい。どこか私たちの作るドレスの表情とも重なって見えて、すぐにデザインをイメージできたことが決め手でした。

また、暑い夏にどれほど涼しく過ごせるのか、アクティブに体を動かせるのかといった着心地についても、深く考えました。

ユニクロ アンド セシリー バンセンのレセプションにて、モデルが新作を着用したところ

(左)シャーリングボリュームスリーブT¥2,990・シャーリングスカート¥4,990(右)シャーリングTノースリーブ¥2,990・シャーリングスカート¥4,990/ユニクロ(ユニクロ アンド セシリー バンセン)※すべてXS〜XXLサイズまで展開

——製作プロセスで特に楽しかったことは?

今回のコラボレーションのために、新しいフラワーモチーフをデザインしたことです。春の訪れを告げるデンマークの花、アネモネから着想を得ています。ミニマルなウェアとのバランスも考慮しながら、愛らしいフォルムを追求しました。

——反対に、苦労されたことはありますか?

クリエーションに悩みはつきものなので、たくさんあります(笑)。特に大変だったのは、ジャージー素材を使ったパターンメイキングですね。伸縮性のあるテキスタイルに繊細なディテールを施す場合、オーガンジーやマトラッセのような素材を前提としたパターンでは、生地が伸びてしまうんです。私の中には明確な完成形のイメージがあったので、決して妥協はしたくなかった。

その細かなニュアンスは、オンラインだけでは伝えきれないと感じ、両チームのデザイナーとパタンナーに3度ほど、コペンハーゲンのスタジオに集まってもらって。言葉だけでなく、実際に手を動かしながらイメージを共有し、理想形に仕上がるまで微調整を重ねました。

本コラボでは、ブランドにとってチャレンジングな試みも

ユニクロ アンド セシリー バンセンのレセプションにて、新作アイテムが陳列されているところ

Tシャツやスカート、ドレスなど、ウィメンズラインは全8型を展開。親子や姉妹でペアルックも楽しめるガールズラインは、全5型を取り揃える。(左から)フリルT¥2,990・シャーリングスカート¥4,990・シャーリングワンピースノースリーブ¥5,990・シャーリングワンピースノースリーブ(ガールズ)¥3,990・グラフィックT¥1,990・シャーリングワンピースノースリーブ¥5,990・シャーリングTノースリーブ¥2,990・シャーリングスカート¥4,990・グラフィックT(ガールズ)¥1,290・シャーリングスコート(ガールズ)¥2,490・シャーリングボリュームスリーブT¥2,990・シャーリングスカート¥4,990・フリルTワンピース¥5,990・グラフィックT¥1,990・シャーリングスカート¥4,990/ユニクロ(ユニクロ アンド セシリー バンセン)※ウィメンズはTシャツXS〜3XXL、ワンピースXS〜XXL、スカートS〜XXLサイズまで展開 ガールズは100〜160サイズまで展開

——ブランド初となるキッズラインも話題を集めています。なぜこのタイミングで挑戦しようと思ったのでしょうか?

以前から子ども服には興味があり、いつか手がけてみたいと思っていました。ユニクロにとっても得意分野のひとつですし、キッズラインが生まれたのは、自然な流れだったと感じています。私たちが大切にしているクラフツマンシップをそのままミニサイズにも反映できたのは、ブランドにとって大きな進歩。一緒に来日した私の息子も、グラフィックTシャツを着て、東京の街を満喫しています。

——ウィメンズラインを手がけるうえで、意識したことは?

私が服づくりにおいて大切にしているのが、“エブリデイ・クチュール”という言葉です。「特別な日の装いではなく、日常そのものを彩る服」という意味ですが、今回のコレクションにもその想いを込めています。

同色のトップスとスカートを合わせれば統一感のあるセットアップになったり、色柄のアイテムを組み合わせればミックス感のあるコーディネートになったり、幅広いスタイリングが楽しめる点が特徴。

一部のTシャツやドレスに取り入れた、ウエストから裾へと流れるようなフリルは、これまでのコレクションでも繰り返し用いてきたディテールです。すでにご存じの方には見覚えのある要素かもしれませんが、コットン素材にすることで、デニムとも相性がいいカジュアルなデザインへと昇華されています。

——充実したラインナップで、どれを選べばいいか迷ってしまいます。特にお気に入りのアイテムはありますか?

かなり思い入れがあるのは、繊細なギンガムチェック柄のアイテム。無地であれば調整もしやすいのですが、パーツごとにシャーリングの幅を変えながら、再現性のあるデザインとして成立させるのがとにかく難しかったんです。何度もチーム全員で試行錯誤を重ね、理想のイメージを形にすることができた自信作です。

磨き上げられる“日常”へのアプローチ

ユニクロ アンド セシリー バンセンのグラフィックTを着用したセシリー・バンセン

——今回の経験は、今後のクリエイションにどのような影響をもたらすと感じていますか?

ユニクロとの共同作業は、新しい素材との出合いやキッズラインへの挑戦など、発見と学びの連続でした。リラックスしてまとえるジャージー素材のウェアは、ケアのしやすさも含め、デイリースタイルに気軽に取り入れられる快適な仕上がりです。

セシリー バンセンのロマンティックなムードを日常でどう着こなすのか。実際に袖を通してくださる皆さんが、その答えを自由に見つけてくれることを楽しみにしています。

セシリー・バンセンプロフィール画像
セシリー バンセン創業者/クリエイティブ・ディレクターセシリー・バンセン

デンマーク王立デザイン学校を卒業後、衣装デザイナーであるアニヤ・ヴァン・クラグに師事。その後フリーランスとしてディオールのプロジェクトに携わったのち、ジョン・ガリアーノのもとでプリントデザイナーを務める。2010年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートで修士号を取得し、アシスタントデザイナーとして4年間アーデムでキャリアを重ね、地元コペンハーゲンに帰郷。2015年に自身の名を冠したブランド、セシリー バンセンを立ち上げた。