今、注目の【東京ブランド】がわかる！ 3人のスタイリストがミックスコーディネートを提案

Jacket_Goldwin 0
Vest_Takemaru
Pants_AURALEE
Eyewear_YUICHI TOYAMA.
Bag_Solid & Strong BAG STORE
Shoes_KATIM

自身が影響を受けた90年代カルチャー。当時活躍していたデザイナーの服が持つミニマルなムードを現代的に解釈した杉浦さん。「クロップされたベストやレザーパンツといった、あの頃の空気をはらむアイテムに、近年トレンドのテック系ジャケットを羽織ることでモダンにまとめました」（杉浦さん・以下同）。トレンチのディテールを配したベストにリサイクルナイロン100%のジャケットをオン。ゆるやかな曲線を描くサイドのシームラインは開閉するので着こなしの自由度も高い。植物なめしでシボ感を残したラムレザーパンツがこなれた印象に。「帆布で作られた大きなバッグであえて全体のバランスに違和感を加えています」。

Jacket_pillings
Top_Call
Skirt & Leg Warmers_COMOLI
Bag_Aeta
Boots_HARUNOBUMURATA

「ジャケットにミニスカートにロングブーツという90年代定番のバランスを、素材や色のチョイスにこだわってアップデートさせました」。ローンチしたばかりのコモリのレディスのミニスカートは上質なカーフスキンが魅力。タイツではなくレッグウォーマーで重さを演出した。そこにリネンのホワイトジャケットを合わせてフレッシュに。バックスタイルにたっぷりとドレープを取ったユニークなルックスだ。さらに「ニットポロは、カットソー生地とはぎ合わせることで生地によれやねじれが生まれ、経年変化を楽しめるアイテム。これを投入することで全体がストイックにならず抜け感が生まれます」。

Vest, Pants, Knit Cap & Bag_BIBLIOTHERK
Fur Vest_stein
Shoes_KATIM

「ノースリーブジップアップのベストは、個人的に90年代を感じるアイテムです。このセットアップのブランド、ビブリオテークは一見シンプルながらも細部に遊び心が光るアイテムを発信していて、袖を通すたび新たな発見があります」。ブルーグレーをのせたコーデュロイのセットアップで潔く肌見せしながらも、ファーベストのボリュームやロングマフラーつきニットキャップでシルエットを大胆に構築。ショルダーバッグにはリフレクターが貼られており、暗闇で光る。ニットキャップのフロントについた小さなジュエリーもポイントだ。今回のテーマで杉浦さんが提案した3体は、いずれも引き算で見せるスタイリングだが、「サイジングとディテールにこだわって組むこと」が肝心だそう。

Knit Coat_KAKAN
Tanktop_MALU
Denim_SHINYAKOZUKA
Belt_FJF
Necklace_sussus.

「出産を機に服への向き合い方も変わり、多く買うのではなく長く愛せるベーシックアイテムをいかに新しく着こなすか、ということを考えるように。カカンの手編みコートは、着る人の身長や体型に合わせてオーダーメイドできます。丈夫に編まれており、さらにリペアも受け付けているため、まさに一生ものだと感じます」（倉形さん・以下同）。タンクトップは最高級カシミヤを時間をかけて編み上げることで生まれるふっくらとした風合いと肌に溶けるような着心地が特徴。こちらも長く着たい逸品だ。後ろ身頃に大胆に裾幅を出しスカートのような広がりを持たせたメンズのフレアデニムを合わせ、迫力のあるスタイルに。

Knit & Body_Chika Kisada
Skirt_Midorikawa
Eyewear_BLANC
Boots_THE RERACS
Bag_Chika Kisada × EASTPAK

スコットランドの伝統的なスタイル、製法を踏襲したキルトスカートのパターンは、ロイヤルブラックウォッチをモチーフにしたエレガントな仕様。「クラシカルなチェック柄のスカートとスポーティなウエストバッグ。同じワードローブに入っていそうだけどなかなか合わせないな、というアイテムをあえて組み合わせてみたら、意外性があって素敵だったんです」。密度の高いプリーツによるこの重量感に、チュールバッグがポップな味つけを施す。足もともカバーつきブーツで重心を下げて、全体をユニークなバランスでまとめた。「ニットのボディをオフショルダーで着ることでマチュアな大人の抜け感を表現しました」。

Shirt_KEISUKEYOSHIDA
Pants_KHOKI
Boxers_TOKYO TRUNKS
Shoes_HENRI EN VARGO
Ring_YVETTE

トラックパンツはサイドラインに、アメリカンキルトを一点一点手作業で刺しゅうしたピース。「ジャージ素材のパンツは定番ですが、カフが長めに仕立てられたエレガントなドレスシャツとのミックスマッチで今までにない新鮮な見え方になります。シャツはビッグシルエットですが、あえて体にフィットしない服をまとい、自分に合うバランスを見つけていく着方が好きなんです」。パンツから少しだけ出したトランクスで旬の要素を加えた。

Coat_AURALEE
Shirt & Tie_CINOH
Skirt_TOGA TOO
Necklace_FUMIE TANAKA
Boots_TOGA PULLA

ジェンダーギャップが今より大きかった時代、昭和を生き抜いた艶っぽさのある強い女性たちに昔から憧れがあるという小笠原さん。「当時のビジュアル資料を集めて気づいたのは、赤と青の色合わせの多さ。この相反するマッチングを中和させるのが、ストイックなグレーのツイードコートです」（小笠原さん・以下同）。コートのパワーショルダーやシャツと共布のネクタイが80年代のパワーウーマンを彷彿させる。シャツは15もんめのシルクにサンドウォッシュ加工を施し、マットな質感とやさしい膨らみを実現。ニットスカートのジオメトリックなスリットと柄にも、ノスタルジックなムードが漂う。ウエスタンブーツで今の空気をプラス。

Dress_mister it.
Top_AURALEE
Pants_Maison MIHARA YASUHIRO
Eyewear_BLANC
Bag_Aeta
Scrunchie_DEPT

「花柄のスカーフをパッチワークしたドレスは、それだけで昭和を想起させる一点。合わせのパンツには白を選ぶことで抜け感を加えました」。mister it.のデザイナー砂川卓也さんは、実家が製作していたこともあり、スカーフに特別な思い入れがある。このドレスはユーズドスカーフをつなぎ合わせ、ショルダーの部分のみ奄美大島の泥染めの職人の手によって繰り返しブラウンに染色した。ドローストリングのパンツはビスコースの上質な光沢感となめらかな落ち感が特徴。ドレスの延長のように美しいシルエットを描く。ブラウンのハンドバッグでさらにレトロな味つけを。

Jacket_YOKE
Shirt_AKIKOAOKI
Body Suit_INSCRIRE
Pants_08sircus
Belt_foot the coacher × HYKE
Shoes_AKIRANAKA

「今回の企画のためにリサーチしていて見つけた、ウエストポーチをつけた母の昔の写真が発想源。この開襟シャツやジップアップブルゾンにはどことなく昭和の粋なおじさんっぽさがあるなと。そこにレースのボディスーツを差してフェミニンさを加えました」。シャツの上に着たボディスーツは、フライス素材をベースにメッシュでフラワーモチーフを編み上げている。ベロアのブルゾンの深い艶や黒い小物がレイヤリングを引き締める。