千葉のアンコールワット? 鋸山(のこぎりやま)へ【井之脇海と、山の話 第3回】

地元・横須賀が遠くに見える。「名前の"海"は、相模湾のことなんです」ジャケット¥59,000/デサント ブラン 代官山(デサント オルテライン)

 千葉・南房総の鋸山に行ってきました。休みの日は疲れがとれるまで寝て、映画を観て飲みに出ることが多いんですが、登山となると話は別。早朝集合して、昼過ぎ、遅くても夕方前には下山できるよう計画します。

 鋸山は室町時代から昭和まで続いた石切り場だったそうで、削られていくうちにどんどんかたちが変わり、遠くから見るとノコギリのようなギザギザの山容。標高が330mと低いから牧歌的な山なのかと思ったら、ウォーキング・デッド的な映画が撮れそうな採石場跡があったり、錆びた掘削機が放置されていたり。山頂には岩に彫った大きな観音像まであり"アンコールワットかラピュタか" といわれているそうで、自然だけじゃなく、この山とともに生きた人々の生々しい跡が感じられて面白い。僕、わりとリサーチ好きで、山はコースや時間配分といった安全面だけじゃなく、どんな歴史があるのかも調べます。特に仕事だったら、演じる役については時代背景や史実は知っておきたい。それだけで、物事への理解というか楽しみ方が全然変わってくると思うんです。

 道を間違えたり、採石場跡や"地獄のぞき"のある寺(拝観料600円)まで寄っていたら5 時間以上歩いていました(笑)。しかし、漁港で新鮮な魚を食べビールを飲んでも、18時くらいには帰ってこられるこの近さ! 百名山、できれば北アルプスへ行きたいと思っていたけど、高い低いは関係なくその山にしかないよさがあり、やはり山はいい。ということで次回へ続きます!

千葉のアンコールワット? 鋸山(のこぎりの画像_1

頂上まで2時間ほど。このあと道を間違える!

千葉のアンコールワット? 鋸山(のこぎりの画像_2

せり出した展望台"地獄のぞき"。「手すりで下は見えなかった(笑)」

千葉のアンコールワット? 鋸山(のこぎりの画像_3

豆腐をすとんと切ったような断面。これ、全部昔の人が切り出した跡

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千葉のアンコールワット? 鋸山(のこぎりの画像_4

登り始める前に準備運動。南房総・鋸山付近は見どころも多く、週末のワンデイトリップにもおすすめ

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もくもくと登っていく井之脇さん。登山に慣れたスタッフも驚くほどのハイペースでした

千葉のアンコールワット? 鋸山(のこぎりの画像_6

途中では山と海が両方楽しめる、こんなポイントも

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内房がぐるりと見渡せる「地球が丸く見える展望台」で休憩

Profile
いのわき かい●俳優。1995年神奈川県・横須賀生まれ。幼い頃から子役として活躍し、日本大学芸術学部では映画を学ぶ。父の影響で登山を始め、"日本百名山"をすべて登ることが目標。TBS日曜劇場「集団左遷‼」(日曜21時〜)、6月21日全国公開の映画『ザ・ファブル』に出演。

SOURCE:SPUR 2019年7月号「井之脇海と、山の話」
photography: Yoichi Onoda hair & make-up: Takeharu Kobayashi edit: Tomoko Yanagisawa

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