製造過程で排除される個性的な木材に光を。マルニ木工×ミナ ペルホネンの持続可能な試み「ふしとカケラ」第6弾が登場

家具の製造過程で排除されてきた個性的な木材を生かすべく、マルニ木工がミナ ペルホネンのテキスタイルのはぎれを使った張り地との組み合わせで世界に一台の家具を世に送り出してきた「ふしとカケラ」プロジェクト。その第6弾の展示販売が、2023年1月11日(水)より伊勢丹新宿店にて開催される。     

マルニ木工は2023年1月11日(水)〜17日(火)、伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージにて、ミナ ペルホネンと2013年より取り組む「ふしとカケラ」プロジェクトの第6弾として「Full of each いっぱいのそれぞれ」を開催する。

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「ふしとカケラ HIROSHIMA アームチェア」(素材:ビーチ/オーク/ウォルナット、パッチワーク:ライトミックス/ミックス/ダークミックス)ビーチ ¥145,200、オーク ¥185,900、ウォルナット ¥201,300 ※12月21日(水)より三越伊勢丹オンラインストアにて先行予約スタート(エムアイカード プラス会員限定)Photo:Norio Kidera

マルニ木工で家具に使う木材は、樹齢80年ほどの成木が中心。実は、1本の原木が家具になるまでの間に、丸太にする段階で6割が切り落とされ、また製材でその半分になるという。さらに、板材になったものでも、家具製造の段階で木が枝を伸ばした部分に見られる斑点状の模様(節)や、柾目でも板目でもない複雑な模様(杢)などが出てきた場合、その部分は外される。最終的に製品に使われるのは、1本の原木のうちの1割ほどなのだそうだ。

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背中の部分に節が見られるため、正規の製品としては販売できない。Photo:Norio Kidera

実際、節や杢は、家具の安全性などに影響を与えるものではない。むしろ、木が森の中で生きてきたことの証であり、魅力ある個性なのではないか。そう考えたマルニ木工が、同じく服作りの過程の中でテキスタイルを裁断した際に出るはぎれを有効活用していたミナ ペルホネンとともに2013年に立ち上げたのが「ふしとカケラ」のプロジェクト。特徴ある木目の材を使った、深澤直人デザインのアームチェア「HIROSHIMA」に、ミナ ペルホネンのはぎれで作られるパッチワーク生地を張り込んだ、世界に一台の個性的な椅子を限定販売してきた。

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節の部分が強い個性を放つ一脚。もちろん品質に影響はなし。Photo:Norio Kidera

第6回となる今回は「Full of each いっぱいのそれぞれ」と題し、ビーチ、オーク、ウォルナットの3つの樹種から、木目の特徴に応じ、穏やかな表情の「Modest」、生き生きとした印象の「Active」、そして個性的な紋様を浮かび上がらせる「Adventure」の3カテゴリーを用意。また、パッチワーク生地を張り込んだ座面にもライトミックス、ミックス、ダークミックスの3パターンの色味を用意し、購入者が好きな組み合わせを選べるようにした。

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どのパッチーワークにもひとつ、二重織の表生地をカットすると中から柄が出てくるものが。Photo:Norio Kidera

さらに、今回のテキスタイルには、パッチワークのピースの中に“kakurenbo”“sleeping flower”といった、二重織りの表生地にハサミを入れると柄が現れる、遊び心のある生地が必ず1つ入っているのにも注目。何かの記念日にカットすれば、椅子への思い入れもさらに深まりそうだ。

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ミナ ペルホネンのさまざまなはぎれが使われたパッチワーク。いずれも図案からインハウスでデザイン、良質な材料と作り手の技術で作られたテキスタイルだ。Photo:Norio Kidera

2023年1月11日(水)からの店頭販売に先駆け、三越伊勢丹オンラインストアでは、2022年12月21日(水)よりエムアイカード プラス会員限定で先行予約がスタート。均質性ではなく、木材やテキスタイルの有機的な個性に価値を見出してもらうことで、少しでも自然環境への負荷を減らしたい——そんな両者の思いがひとつになった家具が、少しずつでも消費者のもの選びの視点を変え、ひいては製造の現場そのものを変えていくことに期待したい。


「『Full of each いっぱいのそれぞれ』MARUNI COLLECTION HIROSHIMA with minä perhonen」
会期:2023年1月11日(水)〜17日(火)
会場:伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ
時間:10:00〜20:00
会期中無休
電話:03-3352-1111(伊勢丹新宿店 大代表)
https://www.mistore.jp/store/shinjuku.html

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