二階堂ふみさんにインタビュー。サステイナブルなファッションブランド【カポックノット】とのコラボアウターに込めた思いとは?

「地球や環境のことまできちんと考えてこそ、真のラグジュアリー。服が作られる工程を知ることは社会的責任であり、純粋にファッションを楽しむためにも大切なこと」と話す、二階堂ふみさん。今回、木の実由来の新素材・カポック(※)を使用したアウターをメインに販売するカポックノット(KAPOK KNOT)と初のコラボレーションが実現。発表された、3型のアウターに込めた思いを聞いた。

※主に東南アジアで収穫される、木の実から取れるコットン。従来のコットンの1/8の軽さで、吸湿発熱機能を持つのが特徴。

二階堂ふみさんにインタビュー。サステイナの画像_1

――そもそも、カポックノットとの出合いは?

「以前、寒い時期に撮影があったときに、スタイリストさんが用意してくれた服がすごく軽くて暖かくて。それがカポックノットだったんです。日本のブランドで、トレーサビリティがしっかりしていて、ダウンの代わりに木の実由来の素材・カポックというものを使用されていると聞いて、とても共感しました」(二階堂ふみさん・以下同)


――コラボレーションアイテムの制作に参加した理由は?


「これまで、サステイナブルでアニマルフリー素材の服は、カジュアルなデザインが多いという印象でした。もう少しよそ行きに着られるドレッシーなものがあったらいいな、と思っていました。またデザインだけでなく、地球や環境、動物のことにも配慮したものが、真のラグジュアリーだと思うんです。その両方を形にしたくて、参加させていただきました」

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――どのような形で携わられたのでしょうか?


「理想のデザインのイメージをデザイナーさんに伝えて、描いていただいたデザインやパターンを見ながら相談して、ということを何度か繰り返しました。マフラーのように首に巻けるデザインにしたらどうだろうとか、アイデアを出し合って。素材選びも相談させていただいて。知らないことが多かったので、新しい発見がたくさんありました」

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カポックの実(右手前)。実から取れるコットン(右奥)をリサイクルポリエステルと交織し、縫製しやすいシート状(中央奥)にする。

――今回のコラボレーションは「アニマルライツ×モード」が重要なテーマのひとつ。3型のアウターには、ダウンの代わりに木の実由来のサステイナブルな素材・カポックが使用されています。

「アニマルライツに関心を持ち始めたのは約8年前にフェレットと一緒に生活するようになってから。この美しい生き物や環境も大切にしなければいけないと気づき、生活やファッションに対する価値観が変わりました。もちろん、全ての動物性のマテリアルが悪だということではなく、今はリサイクルフェザーを活用しているブランドも増えてきたし、そういうところは応援していきたい。ただ、これから新しく作るものは動物から搾取しない、代替品で十分に賄えるのではないかと考えています。カポックの原材料はインドネシアの木の実なのですが、カポックを利用することで現地の方の雇用にも役立っています。思いやりをつなげていくと自分のことも大事にできるし、誇りを持つこともできる。ものを買うときに製造工程や社会的責任にも目を向ける大切さを、この服を通して感じ取っていただけたら嬉しいです」

――カポックは機能面でも優れているとうかがいました。

「はい。薄くて柔らかいから、デザインの幅が広がるんです。今回目指していた綺麗で洗練された形を実現することができたのは、この素材のおかげ。しかもすごく軽くて暖かい! 」

――それぞれのデザインでこだわった点を教えてください。

「一番のお気に入りはCHINA DRESS。チャイナカラーは小さい頃から好きなデザインです。シルエットは細身だけれど可動域があって、動きやすい。サイドはジップで開けられるようになっているので、中の服を見せたりして全身のコーディネートも楽しめます。コートにマフラーをミックスしたSCARFは、マフラー部分を首に巻いても垂らしても可愛いです。ビッグシルエットで、中にしっかりパーカとかスウェットを着てもシルエットに響きません。そしてこの企画のスタート時からずっと作りたかったのが、TRENCH。私の身長だと丈が足首くらいまであり、裾がドレスのようにふんわり広がります。これこそまさにカポックの軽さのおかげで実現できた形。風に揺れると綺麗になびくんです。中にデザイン性のあるドレスを着てもマッチするし、足元はスニーカーでもヒールでもクラシカルな印象にまとまるし、おすすめです」

――ビジュアルや動画のクリエイティブは、アウターによってイメージがだいぶ違いますね。

「各デザイン2色ずつ、6人違う人が着ているようなイメージにしたくて。デザインがシンプルなので、さまざまなコーディネートを楽しめると思います。ファッションは自分が心地よいと思えるスタイリングや、これを着ている自分が大好きと思えることが大切。だから肌の色や体型を超えて、誰でも楽しめるアイテムであることも伝えたかったんです。自分がワクワクするものを身にまとうことで、自分のスタイルになっていく。この服を通じて、そんなことも感じとってもらえたら嬉しいです」

二階堂ふみ
にかいどうふみ●1994年9月21日生まれ、沖縄県出身。2009年「ガマの油」でスクリーンデビュー。俳優業と同時にアクティビストとしての活動も注目されている。

カポックノット
https://Kapok-knot.com