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「アート展」がテーマ。桑山美月さんの軽井沢ウェディング【ハッピーストーリーvol.86】

ふたりらしく、ゲストに感謝を伝えるウェディングにしたい。そんな思いを胸に、この夏に軽井沢で挙式を叶えた桑山美月さん。コンセプトは、ふたりのパーソナリティや歴史を伝える「アート展」。自分たちらしい形にこだわり家族と友人たちに感謝の気持ちを伝えた、心温まる一日に密着。

profile:桑山 美月さん
映像スタジオ勤務。地方TV局の同僚として出会い、現在はヘラルボニーのクリエイティブディレクターとして活躍する桑山知之さんと2022年10月に結婚。2023年7月22日に軽井沢聖パウロカトリック教会にて挙式、軽井沢倶楽部 有明邸にて家族と親しい友人60名を招いたウェディングパーティを開催した。

アートを軸にプランニングしたウェディング

軽井沢の結婚式は、アート展がテーマ
オリジナルで制作したふたりのポスターを、美術館のように会場にディスプレイ。

報道の分野で、情報を伝える仕事に携わってきた桑山美月さん。当時、地元である名古屋のTV局で同僚だった知之さんと約2年の交際を経て、知之さんから旅行先の沖縄でプロポーズ。ちょうど1年後となる2023年7月22日に軽井沢でのウェディングを開催した。

結婚を機にこの春、名古屋から東京へと拠点を移したふたり。ドキュメンタリーCMのプロデューサーとして数々の賞を受賞する経歴を持つ知之さんは、知的障害のある作家や福祉施設と協働して商品展開を行う「ヘラルボニー」のクリエイティブディレクターに就任。美月さんは都内映像スタジオでの企画職に転職するなど、キャリアの大きな転換機にありながらも、ウェディングの準備期間を、アートな感性で心から楽しんだ。

コンセプトは過去から現在まで、自分たちが大切にしてきたものを展示する「アート展」。思い出のアイテムをディスプレイすることで、ゲストが自然とふたりの歴史に触れられる“結婚披露記念展 ペア”を企画するほか、お互いがそれぞれの家族へ取材撮影を決行し、知之さん自身が映像を制作。さらにゲスト全員に「手紙」で感謝を伝えるなど、ふたりのゲストを想う気持ちとアイデアが全方位に行き渡った、特別な一日を作り上げた。

感動のファーストミートからスタートした一日

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ウェディングの始まりは、ドレスアップした姿をお互いに見せ合う“ファーストミート”から。幻想的なムードが漂う軽井沢の森の中で、ふたりだけでなく家族とも言葉を交わす時間をプログラム。また、美月さんが知之さんに宛てた手紙をサプライズで朗読し、お互いの愛情を確かめ合うワンシーンも。

「沖縄でのプロポーズでは、彼からたくさんの愛情が詰まった手紙と薔薇の花束をもらったんです。気持ちのお返しがしたくて、彼への思いを綴りました」。

非日常感あふれるロケーションで会話を交わしたふたりと家族は、終始リラックスムード。セレモニー前の緊張がほぐれるような、温かい空気感に包まれた。

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家族から笑顔と涙がこぼれた、ファーストミートの瞬間。
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ファーストミート時に美月さんへ、お母様が贈ったリングピロー。パッチワークキルトの資格を持つお母様のハンドメイドで、キルトの下には“you are made of love and light(あなたは愛と光でできている)”と密かなメッセージの刺しゅうが。

歴史ある教会でのオーセンティックなセレモニー

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小さくも木のぬくもりが伝わる「軽井沢聖パウロカトリック教会」は、地域の人々からも古くから親しまれている。

美月さんがカトリックのミッションスクール出身ということもあり、由緒正しい教会でのセレモニーを求めて出合ったのが、旧軽井沢の喧騒から離れた場所に静かに佇み、建築家アントニン・レーモンドが設計したことで知られる「軽井沢聖パウロカトリック教会」だった。

「ふたりの地元である名古屋や大阪などの会場も見学しましたが、なかなかピンとくる会場がなくて。気軽な気持ちで訪れた軽井沢でしたが、重厚感のある建築をひと目みて気に入りました」。

3人兄弟の長女として大切に育てられた美月さん。バージンロードを前にしたベールダウンの儀式では、母が美月さんの手を握り『幸せになってね』と一言。

「名古屋から東京に引っ越すことを家族に言いたくなかったくらい、チームのように仲がよい家庭で過ごしてきました。ベールダウンには『母が子育てを終える』という意味もあるので、本当に今日から巣立つんだという気持ちが込み上げてきた瞬間でした」。

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当日の天気は快晴! ゲストからライスシャワーと祝福の拍手で迎えられた。
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マリッジリングは「エツコ ソノベ」のマリッジリングコレクションから、おそろいのホワイトゴールドをセレクト。ダイヤがさりげなく輝きアンティークのような佇まいのエンゲージリング(写真中)は「ヒーミー」でオーダーしたもの。
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ヘアメイクの最後の仕上げでお母様から口紅を塗ってもらう、感動的な親子の瞬間。

作り手の心が宿る、温もりのドレススタイル

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アンティーク感が漂う「カザリ」のドレス。セレモニーではレースが美しいタイムレスな一着をセレクト。

結婚準備の早い段階から「Qazari(カザリ)」のドレスをセレクトしていた美月さん。伝統ある教会での挙式のため、クラシカルな雰囲気にこだわり、挙式ではレースとチュールが重なるロングスリーブのドレスを着用。パーティのお色直しでも同じく「カザリ」から、シルバーの刺しゅうが際立ち、華やかな印象を添えるソフトマーメイドドレスをセレクトした。

アンティークなドレスと空間に調和するブーケは、フラワーデザイナーとして活躍する飯田諭史さんにオーダー。ドレスの存在感を引き立てるためにヘアはあえてシンプルにまとめ、ミニマムなスタイルを完成させた。

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お色直しではシルバーの刺しゅうが際立つ、オフホワイトのソフトマーメイドドレスにチェンジ。
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ローズマリーなどのハーブを使用した 爽やかな香りが漂うブーケは、夏の軽井沢のイメージにマッチ。

知之さんが着用したスーツは、知之さんの勤務先「ヘラルボニー」と、オーダースーツやオーダーウェアのブランド「FABRIC TOKYO(ファブリックトウキョウ)」がコラボレーションしたオーダーメイドのスリーピース。ヘラルボニーがライセンス契約する作家、佐々木早苗さんによるアートを裏地としてオーダーした。

 

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本アートの作家・佐々木早苗さんは、るんびにい美術館(岩手県花巻市)在籍。絵画のほか織り物、切り紙、刺しゅうなどで表現を生み出している。

「独特の色彩感覚で、黒い丸を繰り返し描いたアート作品は、これからの結婚生活に似たものだと感じてオーダー。納期がギリギリだったのですが、間に合ってよかった! 純粋にアートとして美しくてかっこいい作品を、大切な日に身にまとえてうれしかったです」。

ふたりの歴史を辿る“結婚披露記念展”

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展示に関わるすべての什器はふたりが手配し、前日に自らセッティングを。

「アート展」のコンセプトを表現するため、美月さんがメインとなって準備をしたのは、“結婚披露記念展 ペア”と題した企画展示。

「デートでよくアート展を訪れていたので、結婚披露記念展ができないかなと思ったのがきっかけ。ゲストのみなさんが見て、楽しめるような空間を心がけました」。

パーティ会場の「軽井沢倶楽部 有明邸」のウェルカムスペースに、幼い頃に両親に手作りしてもらったカバンや、大切にしていたぬいぐるみ、学生時代に書いた習字、友人たちと撮りためてきたプリクラなど、ふたりと家族、友人が共通して持っている思い出の品に、ひとつずつ解説をつけて丁寧に展示した。

美術館のようにディスプレイするため、美月さんは什器まで発注! 大判のポスターは、ふたりの初デートの場所、豊田市美術館で撮影したもの。また、知之さんが記者時代にお世話になったというアンティークショップでも特別に撮影を許可してもらうなど、ふたりに縁があるロケーションでのフォトシューティングを叶えた。

「前撮りと当日、どちらもフォトグラファーの桑原雷太さんに撮影を依頼。雷太さんの写真なくしては、展示はできなかったとさえ思っています」。

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壁一面に広がるのは、ふたりが出会ってからの思い出の写真たち。

緑あふれる会場で、ゲストとなごやかな祝宴を

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挙式後は、一日一組限定で貸切にできる「軽井沢倶楽部 有明邸」でのプライベートパーティへ。ふたりがイメージしたのは軽井沢の森が、会場内まで続いているようなディスプレイ。会場装飾はブーケ同様に、フローリストの飯田諭史さんへオーダー。

「打ち合わせの段階で飯田さんは『階段の下にトンネルを作る!』と仰っていて、その発想が自由ですごく面白くて。当日は自分たちの想像をはるかに超えたダイナミックな会場に仕上がっていて、本当に驚きました」。

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パーティ会場を彩った多種多様なグリーン。圧倒的なディスプレイはゲストの目にも楽しい空間に。
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まるで大人のようにしっかりと話す蒼大くんの乾杯の挨拶に、会場は大盛り上がり!

乾杯の挨拶は、知之さんの甥っ子が担当。大人顔負けのしっかりしたスピーチで、和やかにパーティがスタート。ゲストに気楽に楽しんでほしいという思いから、スピーチや演出の依頼はしなかったものの、TV局の先輩たちによるVTRの上映やクイズ企画などのイベントが盛りだくさん。ふたりはゲストの賑やかな声に包まれながら、祝福のひとときを楽しんだ。

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モダンなポストカードがゲストテーブルに洗練されたムードを与えて。

ペーパーアイテムも、アートにちなんだこだわりを持って用意した美月さん。さまざまな美術館やミュージアムショップを巡り集めたポストカードは、ゲストの座席を示す“エスコートカード”として使用。さらにそのポストカードは、ゲストそれぞれをイメージして選んだという、驚きのこだわりも!  また、ふたりのプロフィールや「ペア展」でディスプレイされたアイテムについて詳細を記した、プロフィールブックをテーブルにセット。ゲストが待ち時間も楽しくなるようにと心を配った。

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見た目にも美しいポストカードには、1枚ずつゲストの名前を印字。ゲストは自分の名前を見つけて、同じデザインのカードのあるテーブルへと進んだ。
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プロフィールブックは8枚折りのタブロイドタイプ。 展示作品やふたりの歴史を丁寧に解説した。

また、当日にゆっくりゲストと話せないことから、ゲストとふたりの間で「手紙」が行き交うアクションを準備。お色直しで中座している時には、ふたりへ向けたメッセージを書いてもらい、お開きの後には、ゲスト一人ずつに宛てた“エンディングレター”を読む時間をプログラムした。

 「時間がない中でもきちんとお礼を伝えたくて、事前に一人ずつに手紙を書きました。私たちが退場して、彼が作ったエンドロールを観た後に手紙を読んでもらうことで、さらに感謝の気持ちが伝わっていたらいいなと思っています」。

ふたりがこれから描く、クリエイティブな未来

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ふたりの初デートの場所だった、愛知県・豊田市美術館でのフォトシューティング。

結婚式の準備を通じて、『結婚はめんどうなしあわせだ』と感じたというふたり。

「結婚は時に大変なこともある。面倒なことも一緒にやっていける、それが家族なんじゃないかと改めて感じました」。

家族からもらったたくさんの愛を胸に、新たなステージで歩み始めた美月さんと知之さん。互いに認め合うというクリエイティブなライフスタイルを進むふたりから発信される、今後の活動にも注目したい。

[WEDDING DATA]
教会:軽井沢聖パウロカトリック教会 パーティ会場:軽井沢倶楽部 有明邸  写真:桑原雷太 装花:飯田諭史  ドレス:カザリ

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