髙橋大輔選手をうるおすもの

「月に6個、使ってます。トゥルトゥルになりますよ！」という発言にギョッとしました。

髙橋大輔選手のことばです。昨年8月に観戦した横浜での「フレンズオンアイス2018」でのプレゼント抽選会、賞品のハトムギ保湿ジェルの紹介にあたり、普段から愛用しているという髙橋選手は満面の笑みでそう述べたのでした。

怪我で演技での出演はなかったアイスショーでしたが、荒川静香さんと本田武史さん、田村岳斗さんから、現役復帰した髙橋大輔選手へおくった応援コラボナンバー「You’ll be OK」の滑りが涙腺直撃。その記憶の、次の次くらいに、脳裏に残ったあの発言からおよそ8か月たった今日、「ナチュリエ 髙橋大輔選手 スペシャルトークショー」が行われました。

なんとその後、ハトムギ愛はさらに加速。その量は6個から10個以上になったというじゃないですか。

「朝と晩、たっぷり使っていたらすごい数になりました。朝、シャワーを浴びたときにしっとり感が残っているんです。付けたときはさっぱりしているけれど、保湿もしてくれる。べたつきがないのもいい。それにちょうどいいお値段なので、たっぷり使えます」と大絶賛の髙橋選手。使い方としては「顔はマッサージをしませんが、体は腋などを流しながら使っています。足は上に向かって、上げながら流して」とリンパドレナージュを意識しながら全身に使っているこだわり派。「出し惜しみしないで、大量に使っています。〝もったいない″をしないようにしていますね」。ちなみに、自宅の洗面所は座ることができるレイアウトだそう。じっくり体に向き合って丁寧にボディケアを行っている様子です。

思えば去年の現役復帰は多くのものをもたらしました。本誌でステファン・ランビエール氏やネイサン・チェン選手の取材を行っていた時期だったので、同世代や現役スケーターたちへの衝撃も印象的だったのを思い出します。4年間、離れていたことに再挑戦する気持ち。若い世代と競う勇気。でも、当の髙橋選手本人は、気負いなく語るのです。「すごく充実していた、その一言です。こんなにストレスを感じなくていいのだろうか、悩みがなくていいのかな？というくらい」

「一から作り上げるということ。自分の今の体に合っているとことはなんなのか？ どうやったら省エネで飛べるのか？ 今まではこうだったということは考えずに、そこを突き詰めました。パワージャンパー派だったそれまでとは考えを変えて」「気持ちの余裕があって、焦らなかったこともいちばんの理由かと思います。じっくり今の状況に向き合って、やってきたことが結果につながりました。練習量としては、前のほうが多かった。でも、短い期間のなかで良い練習ができました」

その背中に憧れて競技に励む若い選手たちについての質問も、「逆に僕のほうからみんなに聞いて回りました。細田采花ちゃんに〝どうやってジャンプを飛んでいるの″と聞いてみたり」とさらりと笑う髙橋選手。

どうでしょう、この姿勢、この度量。世界レベルのアスリートのことばとはいえ、一般人の私たちにも学ぶべきヒントを見いだせるように思うのです。

次シーズンも現役続行。国内試合を中心に競っていく予定で、プログラムはフリーは持ち越し、ショートはまだ未定だといいます。「アップテンポ系もそろそろやらなきゃ、と思っています」というコメントに会場は拍手喝采。技については「オイラーは成功させたいです。オイラー＋フリップもできるようになっているので、ちゃんとできるように（完成させて）。4回転は先シーズン、挑戦し切れなかったので、サルコーあたりを練習していきたいですね。あとはスピンを強化すること、キレを取り戻すこと。そのためにもアップテンポなものを採り入れていければと」

高みを目指す情熱はなお熱く。一生現役を掲げる髙橋大輔選手はこうしめくくりました。「人前でお見せできないな、となるまでは長く滑っていきたい。スケートを大切にしながら、新しいこと、自分で楽しめることで、自分の人生を歩んでいきたいです」「32歳でラストチャンスと思って、やり残したことを改めてスタートしました。皆さんも何かやり残したことがあれば、再チャレンジ！ 令和にもなりますし、新しいスタートを一緒に楽しんでいきましょう」。その笑顔がピカピカだったことは、言うまでもありません。