この白には、限界がない

予定調和内で決められたことがなければ、枠組みがない。初めて出会ったときから、冒険心でいっぱいのブランドでした。

若さや革新性を原動力に勢いは加速度を増し、ギアを入れ替えるたび、さまざまな驚きを届けてくれました。たとえば、売り場や発売日、価格を設定しないで開発したマスカラや、体温に着目したリップトリートメント。ユーザーからの意見を積極的に取り入れる姿勢。柔軟な発想力を味方に、あっという間に美容市場を駆け上った風雲児が今年、その座に甘んじることなくあっさりそれまでの名前を脱ぎ捨て、再びスタート地点に立ったのも大きなニュースとなりました。

シンプルで力強い名前「UZU」とともに、退路を断った場所から世界に放ったのが、EYE OPENING LINER。文字通り「目からウロコ」だったのが、ブランド名を明かさずに消費者に「このアイライナーいる?いらない?」と問いかけた覆面キャンペーンや、(恐らく)宇宙人が「地球の美容って、退屈ですね…」と語り掛けるメッセージ広告。NYのストリートを駆け巡ったのち、日本でローンチした13色の中でも、とくべつ気が利いている!と感じたのが「白」でした。

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SPUR2019年上半期「ベスト・オブ・アイカラー」賞受賞。良き仕事、おめでとうございます!発売中SPUR8月号p.138~もぜひご覧ください

このホワイト、ものすごく濃密なんです。ぴたーっと肌にのって、濁りがない。あっという間に乾いて、よれない、薄まらない。でもぬるま湯でスルスル落とすことができる。そして筆先。0.7デニールのシルクナイロンがへばらず、また以前のアイライナーより、ほんのすこし(0.3mm!でもぜんぜん違うんです!)毛を長く、毛量は増やすことで、さらに理想的なコシが生まれました。この白、目尻にピッといれるのはもちろん、ほかの色にすっと寄り添わせてもいいんです。黒でもグレーでも、ブラウンでもカーキでも、白を「影」のように加えるとおもしろい立体感が演出できる。それがとてもいい感じに、視線を集めるんです。パッケージの色も嬉しい裏切り。藤色だけれど、ペン先はホワイト……、そこにも驚きと楽しみが潜んでます。数々の絶賛を受けて、SPURのベスト・オブ・アイカラーに見事輝きました。

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パッケージの裏をぺりっと剥がすと…。人間工学の見地から導き出した8角形のペンが現れます

もう大人だし、白なんて。と、心のなかで躊躇していた自分自身を超えていけたのが、なによりも嬉しいことでした。誰かが決めたルールに、知らず知らずのうちに乗っかって、自分の限界を決めてしまっていた。それを知れただけでも、ひとつの「成長物語」と呼んでいいのではないかと。

正解はなにもひとつじゃない。自分を否定する必要もない。それに気づけるか、気づけないかの分岐点が、このアイライナーにはあります。

UZUが行っていること。それはモノを売っているというよりも、問いかけやムードを提供していると言うほうが、しっくり来るのかもしれません。時代の節目の今、既存の枠組みを取っ払ったまっさらな土俵で、誰もが新しい何かを探しているとしたら。自分と、自分につながる世界が新しいフェーズへ進むきっかけが、たった一本のアイライナーだったとしたら、それも素敵な話じゃないですか?

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売り切れ続出の色。UZU アイオープニングライナー ホワイト ¥1,500/UZU BY FLOWFUSHI
エディターIGARASHIプロフィール画像
エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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