ビュリーが掲げた水性香水の“マニフェスト”
今回ビュリーが発表したのは、ブランドを象徴する水性香水「オー・トリプル」のためのマニフェスト。その中で印象的だったのが、「香水とは、まとう人の人格を妨げるものでも、覆い隠すものでもありません」という一節です。
次々と新しいものが登場し、選択肢が無限に広がる中で、これだという1つを選び取るのが難しく感じる昨今。香りも同じように、さまざまな場所や方法で、たくさんのフレグランスに出合える一方、自分に本当に似合うものは何かを考える機会は意外と少なくなってしまったような……。
そんな中ビュリーは、香りを単なる装いや流行ではなく、「人格の延長」と捉え、最後にこう締めくくります。
「極めて個人的、かつ人類共通の課題として、人生を慈しむために、自分に最もふさわしい香りを真摯に選ぼうではありませんか」。
フレグランスが好きな方はもちろん、普段あまり身につけない方にも、一度読んでみてほしい内容でした。
香りを“聴く”。ポップアップで体験した新しい香水の楽しみ方
そんなマニフェストを体験できるイベント「香りと香りの物語」が、6月7日(日)までトゥモローランド 渋谷本店内のビュリーカウンターで開催されています。
主役となるのは、ビュリーを象徴する水性香水「オー・トリプル」。アルコールやエタノールを一切使用せず、水をベースに作られた香水で、つけた瞬間から肌になじみ、混じりけのないクリアな香りがすっと現れるのが特徴です。
会場では14種類の香りを試せるだけでなく、それぞれの香りに用意された音声コンテンツを楽しむことができます。二次元コードを読み込むと、香りの着想源となった文化や歴史、旅の記憶が短い詩となり語られ、香りを“聴く”ことができるという仕掛けに。

菜園や果樹園で旬の収穫を迎える豊かな香りを表現したシリーズ「レ・ジャルダン・フランセ・ドゥ・オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」が好きな私。近い印象のある香りとしておすすめしていただいたのが「ヘリオトロープ・デュ・ペルー」でした
今回私が選んだのは、「ヘリオトロープ・デュ・ペルー」。
ヘリオトロープの白い花々に、トンカビーンやスミレが重なる繊細な香りです。
音声の中では、「鮫革を彷彿とさせる生き生きとしたサンダルウッドの葉脈」という写実的な描写から始まり、最後には「ブロンズ像の耳を飾るイヤリングは、かつての名車、疾駆するイスパノ・スイザの追憶を映し出す」という意外な一文で締めくくられます。
香りの説明で突然クラシックカーの名前が登場するというドラマティックな展開に驚きながらも、頭の中でその情景が広がり、香りの奥行きやインスピレーションが広がりました。

それぞれの香りを表現した絵画も印象的。試聴にはイヤホンをお忘れなく
香りを言葉にすることは難しいですが、こうして物語として触れることで、その香りを深く感じ取れるようになる。音声を聴いた後には、香りの解像度が確実に高まっていることに気づきます。
香りを選ぶことは、自分を知ること

歴代のボトルアーカイブボトルも特別にディスプレイされていました。18世紀、疫病予防で酢が重用されていた時代に、ビュリーの「香り酢」は実用性と香りを融合させた革新的な製品としてベストセラーになったのだとか
イベント会場では、ビュリーならではのカリグラフィーを体験しながら、マニフェストへの署名も行うことができます。署名をすると、今後全国の店舗で開催予定のワークショップ「フレグランス・アトリエ」の先行案内が届くそう。
このワークショップでは、創業者であり調香師のジャン=ヴァンサン・ビュリーによる架空の「香りの質問票」をもとに、自身の価値観や人生観にふさわしい香りを探すことができるのだそうです。今回のイベントを経て、さらに自分や香りに向き合いたいと思った方には最適な機会ですよね。

ビュリーのすべてのスタッフの方々がこのカリグラフィー技術を習得されているんです。私も体験してみましたが、本当に難しい......。美しい筆致はまるでアートのよう
今回の体験を通して感じたのは、香りとは自分自身を知るためのものかもしれないということ。
忙しい毎日の中で、自分にふさわしい香りについてゆっくり考えてみる。そんな時間もまた、少し贅沢で豊かな体験なのだと思いました。

「オー・トリプル」クラシックコレクションから好きな香りを3種組み合わせて完成するコフレ「ル・トリオ・オドリフェラン」 10ml×3本 ¥11,220 通常はオンラインでしか購入できないこちらがイベント期間中のみ会場で購入可能
「香りと香りの物語」
期間:6月7日(日)まで
時間:11:30~20:00
会場:トゥモローランド 渋谷本店
東京都渋谷区渋谷1-23-16 1F