大事なことはゲームの中に(も) #深夜のこっそり話 #1108

気取って「音楽と鉱石とフレンチフライ」が好きなんて書いていますが、実はもう一つ、どうにもこうにも逃れられないものがあります。それはゲーム!!考えがまとまらない日のお風呂なんかで黙々とマッチパズルゲームを進めていると、なんだかすーっと整ってくる気がすることも。

ある日、デスクの郵便物の中に“光のお父さん”と書かれた映画の試写状が。タイトル斜め読みでは気づかなかったのですが、正しくは『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』。日本が世界に誇る名作RPG「ファイナルファンタジー(以下、FF)」シリーズをモチーフにしたドラマ仕立ての実写映画のようです(FFシリーズ作品のいくつかで、主人公≒プレイヤーは“光の戦士”と呼ばれます)。主演は坂口健太郎さんと吉田鋼太郎さん、坂口さん演じる主人公・アキオの同僚役にはSPURにも登場いただいている佐久間由衣さん。予備知識はほぼゼロなものの、いちゲーマーとしてもしっかりと見届けなければ、と勇んで試写会に行ってきました。

ざっくり言うとこの作品は、オンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIVFF14)」のプレイヤーが敢行し、Twitterブログで進捗を綴った親孝行プロジェクト“光のお父さん計画”という実話を映画化したもの。すれ違いがちだった父と子がゲームを通じて繋がる物語です。なんとブログの時点ですでに大きな話題となっており、書籍化、ドラマ化(Netflixで視聴可能)もされていました。ここまで書いておいて、実は私はFF14をプレイしていないのですが、細かい設定への理解はあまり必要なく、実写とゲーム世界のシーン転換も違和感なく楽しめました。舞台こそ特殊に見えるけれど、とても普遍的なテーマで共感性も高いのでは、というのが感想。そして、大事な場面をFFのゲーム音楽がさらに盛り上げ、朝イチから涙腺崩壊でした…!公開は621日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほかにて。ちなみに、ブログの著者で原作者のマイディーさんはすごく読ませる文章を書く方で、書いてあること全ては理解できないものの、“光のお父さん”の描写、オンライン上の絆やチームワークへの考え、記事の構成も面白いので、ぜひ読んでみてください(もちろん、映画と違うところもあります)。

『〜光のお父さん』のみならず、すでに公開中のハリウッド映画『名探偵ピカチュウ』しかり、「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」を題材にした8月公開のフル3DCGアニメーション映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』しかり(こちらでも坂口さんが声優としてキーキャラクターを演じるようです)、ここのところ、“ファミコン&ゲームボーイ世代”にも刺さる大作ゲーム関連映画が目に付きます。『名探偵~』のほうは3月にKOCHÉが東京で開催したランウェイショーでコラボアイテムが発表されたり、DIPLOがカメオ出演&HONEST BOYZ®がエンディングソングを手がけるなど、ファッションや音楽面での話題性も十分。何よりCGとはいえ、もふもふのピカチュウはもちろんのこと、あのポケモンやこのポケモンが現実世界を飛び回るのが「ポケモンGO」ともまた違って新鮮!『ドラゴンクエスト〜』の公開はまだ少し先ですが、取り急ぎ小学生の友人と観に行く約束を取り付けました

実はこの3つの作品はすべて、“父と子”がキーワードになっているんですよね。6月に入り、父の日ももう少し。マイディーさんを見習って、離れている家族にもオンラインで素敵なサプライズができないものか。お風呂でマッチパズルゲームをしながら考えてみたいと思います。

2015年当時の坂口健太郎さんの貴重な50問50答!


月2回更新、萩原麻理さんの映画コラム連載

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エディターMATSUE

モードとカルチャーの狭間で15年。音楽と鉱石とフレンチフライから逃れられません。

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