ひと夏の記憶を呼び起こす【ノンフィクション】の香水 #深夜のこっそり話 #1984

猛暑のせいか何のせいだかわかりませんが、久しぶりにフレグランス熱が急上昇中。子育てでしばらく遠のいていたのですが、久しぶりに「いい香り」をまといたい気持ちが高まっています。じめっと貼りつくような空気を浄化する、ひと夏のお守りを求めて。

猛暑のせいか何のせいだかわかりませんが、久しぶりにフレグランス熱が急上昇中。子育てでしばらく遠のいていたのですが、久しぶりに「いい香り」をまといたい気持ちが高まっています。じめっと貼りつくような空気を浄化する、ひと夏のお守りを求めて。

エディターMICHISHITAが紹介していて気になっていたのが、韓国発のノンフィクション(NONFICTION)。本を読むならフィクションよりノンフィクション派の私としては、そのブランド名にまず脊髄反射しました。日本でも買えるところがあるのかしらんと思っていたら、折しもたまたま足を運んだ京都BALでポップアップストアがやっているという、もしやテレパシーで繋がってるんじゃないかと思うような好機に恵まれまして、これはもう買って帰るしかないと思った次第です。

運命的な出合いは、京都のポップアップストアにて

ひと夏の記憶を呼び起こす【ノンフィクショの画像_1
京都BALで9月29日まで開催中のポップアップストア。奈良の吉野杉を使った、自然を感じられる空間です。

開催期間は約2ヵ月と、ポップアップにしてはロングラン。そのためインテリアもこだわり抜かれていて、なんと什器には奈良の吉野杉がまるごと1本無駄なく使われているそうです(もちろんポップアップ終了後には再利用される予定)。

ひと夏の記憶を呼び起こす【ノンフィクショの画像_2

自然と呼吸が深くなる静謐でモダンな空間を手がけたのは、数々のセレクトショップの内装を担当してきたダイケイ ミルズ。解放的なのに不思議と守られているような感覚で、香りとじっくり向き合うことができました。

選んだのは「FORGET ME NOT」。忘れたくない瞬間を香りに閉じ込めて

ひと夏の記憶を呼び起こす【ノンフィクショの画像_3
「FORGET ME NOT(フォーゲットミーノット)」(100ml)¥20,900。ブランドのオンラインショップでも購入できます。

さて。肝心の香りですが、10種類近くあるのでかなり迷いました。私の優柔不断ぶりを察して気を遣ってくださったのか、「ノンフィクションの香りにはそれぞれ物語があるんですよ」とスタッフの方からのやさしいお声がけが。そう聞いて、がぜん惹きつけられたのが「FORGET ME NOT(フォーゲットミーノット)」。ワスレナグサの英名ですが、直訳すると「私を忘れないで」という意味です。つまりそれは、かけがえのない人との忘れたくない瞬間を閉じ込めた、香りの記憶。まるでひと夏のにおいを運んでくるかのような、鮮烈で儚い香りです。

ワンプッシュで広がるのは、スパイシーなグリーンノート。清涼なバジルとシトラスが弾けるなか、ピンクペッパーがほのかに甘い刺激をもたらし、深度のあるアンバーに落ち着きます。天然香料のピュアな余韻に包まれながら、どこか懐かしさも感じる香調です。ふと私が思い浮かべた情景は、大好きな人と並んで歩く真夏の夜の川沿いの道。爽やかで、神秘的で、ちょっぴり切ない。記憶の片隅に刻まれた束の間の思い出が、じんわりと蘇りました。主張しすぎず、肌に馴染むような軽やかな香り立ちも気に入っています。

酷暑にはほとほとうんざりしますが、それでもあっという間に過ぎ去ってしまうんですよね、夏って。どんなに滝汗が止まらなくて着る服がワンパターンになっても、嫌いになれないのは夏が儚いからかもしれません。ひと夏の思い出を、「ずっと忘れないで」といわんばかりにノンフィクションの香水が呼び起こしてくれました。ユーミンほど情熱的にはなれないかもしれませんが、とっておきの香りとともに心地良い「真夏の夜の夢」に浸ってみたいと思います。

エディターHAYASHIプロフィール画像
エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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